Salesforce Field Service(SFS)は、Salesforceのクラウドベースのフィールドサービス管理ソリューションです。SFSは、オンサイトでのサービス提供や技術者のスケジューリング、作業指示書の管理など、フィールドサービス業務に必要な機能を提供します。本記事では、Salesforce Field Serviceのライセンスと主要なオブジェクトについて解説します。
目次
Salesforce Field Serviceのライセンスにはどのような種類があるのでしょうか?わかりにくいライセンス体系でもありますので、詳しくご紹介していきましょう。
Mobile Employeeライセンスは、フィールドサービスの技術者向けに提供されるライセンスです。このライセンスでは、以下の機能が利用できます。
フィールドでの作業を効率化するためのモバイルアプリを利用できます。これにより、技術者は作業指示書、サービス予約、顧客情報、資産情報などをリアルタイムで参照・更新できます。
FSLモバイルアプリはオフラインでも使用可能で、インターネット接続がない状況でも作業を続行できます。データは再接続時に自動的に同期されます。
フィールド技術者は、トラブルシューティングや修理手順に関する知識記事を参照できます。
Dispatcherライセンスは、ディスパッチャーやスケジューラーなどのフィールドサービスの管理者向けに提供されるライセンスです。このライセンスでは、以下の機能が利用できます。
Dispatcherライセンスを持つユーザーは、技術者のスケジュールを管理し、サービス予約を適切な技術者に割り当てることができます。
ディスパッチャーは、サービス領域や技術者のリソース(技術者、車両、ツールなど)を管理できます。ガントチャートやリストビュー: スケジュールの管理や技術者の作業状況を視覚的に把握するためのガントチャートやリストビューが利用できます。
Field Service Lightning Plusライセンスは、フィールドサービスの管理者および技術者向けに提供されるライセンスです。Mobile EmployeeライセンスとDispatcherライセンスの機能に加えて、Service Cloudライセンス、Sales Cloudライセンスのすべての機能が利用できます。
企業の従業員がどのような役割を担っているかを考慮し、それぞれの役割に適したライセンスを選択することが大切です。例えば、技術者向けにはMobile Employeeライセンス、ディスパッチャー向けにはDispatcherライセンス、そして幅広い機能が必要な管理者向けにはField Service Lightning Plusライセンスを検討できます。
フィールドサービスソリューション ARガイドブック ~ARを活用してフィールドサービス業務の効率化を実現~
Salesforce Field Serviceには、フィールドサービス業務をサポートするための標準オブジェクトがいくつか用意されています。以下に、主要なオブジェクトを紹介します。
Work Orderオブジェクトは、技術者が実施する作業を記録するためのオブジェクトです。これには、作業の詳細、所要時間、必要なスキルやツールなどが含まれます。
Service Appointmentオブジェクトは、技術者のスケジュールを管理するためのオブジェクトです。サービス予約には、作業日時、場所、割り当てられた技術者などの情報が含まれます。また、Service Appointmentオブジェクトは、Work Orderオブジェクトと関連付けられています。
Assetオブジェクトは、顧客が所有する機器や設備の情報を管理するためのオブジェクトです。資産には、シリアル番号、モデル名、保証期間、メンテナンス履歴などの情報が含まれます。
Maintenance Planオブジェクトは、定期的なメンテナンスや点検を管理するためのオブジェクトです。メンテナンスプランには、対象となる資産、実施間隔、次回の予定日などの情報が含まれます。
Service Territoryオブジェクトは、技術者が対応する地域を管理するためのオブジェクトです。サービス領域には、地域名、郵便番号、技術者の割り当て情報などが含まれます。
Service Resourceオブジェクトは、技術者や車両、ツールなど、フィールドサービスに関連するリソースを管理するためのオブジェクトです。サービスリソースには、リソースの種類、スキル、予定表などの情報が含まれます。
フィールドサービスソリューション IoTガイドブック ~IoTを活用してフィールドサービス業務の効率化を実現~
Salesforce Field Serviceは、独自のビジネスプロセスに合わせてカスタマイズや拡張が可能です。以下に、カスタマイズと拡張の方法をいくつか紹介します。
Salesforceを利用して、ビジネスニーズに合わせたカスタムオブジェクトやフィールドを作成することができます。これにより、標準オブジェクトだけでは不足する情報や機能を追加することができます。
プロセスビルダーは、Salesforce内でビジネスプロセスを自動化するツールです。例えば、作業指示書が完了した際に自動的に顧客にメールを送信するなど、様々なタスクを自動化することができます。
より高度なカスタマイズや機能追加が必要な場合、Apexプログラミング言語やVisualforceページを使用して開発を行うことができます。これにより、Salesforce Field Serviceを独自のニーズに完全に合わせることが可能です。
Salesforce AppExchangeは、Salesforceプラットフォーム上で動作するサードパーティ製のアプリケーションやコンポーネントが提供されています。AppExchangeを通じて、Salesforce Field Serviceに追加機能を簡単に導入することができます。
「 Salesforce Field Service(SFS)のライセンスとオブジェクトを理解しよう」と題して、ご紹介してまいりました。Salesforce Field Serviceは、フィールドサービス業務を効率化し、顧客満足度を高めるための優れたソリューションです。適切なライセンスと標準オブジェクトの活用だけでなく、カスタマイズや拡張機能によって、独自のビジネスプロセスに合わせたサービスを提供することが可能です。本記事を参考に、Salesforce Field Serviceを活用してフィールドサービス業務を最適化し、顧客満足度を向上させましょう。
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