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20220927IVR(自動音声応答装置)と音声認識を使ってみよう(vol.1)

コンタクトセンターシステムにおいて、IVR(自動音声応答装置)を使って、電話でのやり取りで業務効率化を図ることができます。最近では、顧客の声を音声認識を使ってテキスト化することで、さらなる業務効率化を実現できます。本記事ではIVRと音声認識を正しく理解して、コンタクトセンターの業務効率化を考えていきましょう。

IVR(自動音声応答装置)と音声認識の意味

コンタクトセンターで活用されている、IVR、音声認識ですが、皆さんは意味を理解して利用されておりますでしょうか。ここでは、IVR、音声認識を説明していきます。

IVR(Interactive Voice Response(自動音声応答装置))とは

皆さんも1度は、コンタクトセンターに電話を架けた際に、機械の声で音声をしゃべっているのを聞いたご経験があると思います。IVRとは顧客が架けた電話内で、顧客の用件を確認て、用件を解決できるオペレータに電話を繋げられる仕組みです。顧客に案内したい音声を自動で流すこともでき、案内に合わせて、電話のプッシュボタンの入力を受信してデータの確認ができます。

音声認識とは

音声認識とは顧客の声を認識して、文字列に変換する機能になります。文字列に変換することで、AIとの連携が可能となり、音声認識+AIの組み合わせで利用します。

IVRと音声認識の利用方法

IVRと音声認識を理解したので、次はそれぞれの利用方法を説明していきます。

IVR

IVRは、顧客満足度向上に向けて利用するケースが多いです。

  • 顧客の用件に合わせて担当オペレータや担当部署に振り分けすることができます。
  • 電話をオペレータに転送した際に、オペレータが出られない場合に音声を流して待ってもらうことができます。(通称:待ち呼)
  • 顧客の属性情報を電話のプッシュボタンで操作して本人確認を行えます。
  • 残高、ポイント等を電話のプッシュボタンで操作して照会できるようになります。
  • 配達依頼、不在通知の再依頼などの受付ができます。
  • 電話を企業につなぐことができない場合(営業時間外や休日)に、断りの音声を流せます。

音声認識

コンタクトセンターでは、業務効率化、顧客の声を見える化として利用するケースが多いです。

  • 顧客とオペレータの会話をテキスト化して応対履歴への登録時に利用します。
  • 顧客の声、オペレータの声を基に、AIと連動して質問の回答検索ができます。
  • 企業に対してのクレームなどがテキスト化されているため、分析して改善に役立てます。
  • 顧客が求めている内容を分析して、マーケティング施策に役立てます。

IVRと音声認識を併用することで、顧客からの声をテキスト化して応対できます。顧客は電話のプッシュボタンを押さずに、声だけでオペレータにつながります。

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顧客もオペレータにも得られる効果

IVR、音声認識、それぞれの利用方法もイメージが湧いてきたと思います。大事なのは、これらを利用した際に、顧客、オペレータそれぞれに得られるメリットだと思います。それでは順にご説明していきたいと思います。

IVRを利用した場合に得られる効果

IVRは用件にあった担当者に電話をつなぐことができるため、オペレータに電話がつながってから、用件によって次のオペレータに転送されるケースが無くなります。顧客のストレスにもならず、受電したオペレータも自分が認識している知識の質問になるため、苦労せず回答を伝えることが可能となります。

顧客が電話をした際に、全てのオペレータが電話応対している時に、電話がつながらなくなるケースがあります。そこで電話を待って頂くための音声を流したり、SMSでWEBサイトに誘導したりすることができます。電話がつながらない顧客へのストレス解消に貢献できます。オペレータは、顧客がストレスが溜まっている状態で会話しなくて済みます。

IVRは24時間365日電話を受けられ、企業の営業時間外であっても電話はつながります。営業時間外の断りのガイダンス、営業時間の案内が可能で、何故、電話がつながらないかを顧客に伝えられます。

営業時間外にしか電話ができない顧客もいます。IVRは不在時の配達再依頼の受付や、用件の一次受付の預かり、電話がほしい時間帯の受付などができます。よってオペレータが不在な時間帯でも、顧客と企業がつながります。このようなメリットがIVRにはあるのです。

音声認識を利用した場合に得られる効果

音声認識は、顧客が喋った内容をテキストに変換します。顧客が喋った内容を必死にメモにとらなくても後で会話内容を確認できます。オペレータは、そのテキストを事後処理に利用すれば、事後処理時間の短縮になります。また手作業が無くなるため、事務(登録)ミスを起こすことなく、顧客の声を全てテキストで残すことが可能になります。

顧客とオペレータの会話中に、双方の声をテキスト化することで、用件、質問の回答を用意できるので、応対効率、応対品質があがります。

コンタクトセンターに集まった顧客の声をテキスト化することで、企業への改善点、顧客が求めている話し(気づき、要望など)を分析できます。このような声が企業に反映できると顧客満足度にもつながり、企業のマーケティングにも活かせます。

IVRと音声認識を両方使った場合に得られる効果

IVRと音声認識を使いAIと連動することで、音声ボットと呼ばれるものに変わります。チャットボットとは違い、顧客にとって面倒なテキスト入力もなく、喋るだけで質問の回答がもらえるようになります。

また、喋っているだけで電話をつないでほしいオペレータにもつながるようになります。IVRで24時間365日電話を受けられるため、オペレータがいない時間帯でも質問の回答がもらえます。チャットボットなど色々なチャネルで利用しているAIと共通にすることで、どのチャネルで質問しても同じ回答が出せるようになり、顧客応対の品質があがります。

顧客満足度の向上にもつながります。このような仕組みを設ければ、簡単な質問の電話がコンタクトセンターにつながらなくなってきます。オペレータにつながる電話の量が減れば、オペレータが顧客と応対する時間や、応対後の事後処理にかけている作業時間が減ります。

そしてオペレータの作業負荷軽減になります。電話の量が減るため、顧客と応対するオペレータ数を減らすこともでき、オペレータの雇用問題(雇用機会が減る)、人員不足の解消になります。待ち呼を気にせず、焦らずに応対していく、必要な&新しい作業に専念するのも良いと思います。

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まとめ

IVRは、用件別に担当者に電話をつなぐことや、顧客を待たせる場合や営業時間外などに合わせて音声で回答できます。また、電話のプッシュボタンを使い、データの照会、顧客からの依頼の受付を考える場合に利用するものです。

音声認識は、音声(顧客の声)をテキスト化して扱うことを目的とします。利用方法でも記載しましたが、AIなどと連携することで活用範囲が広がります。

IVRと音声認識を併用することで、オペレータに電話をつながずに、顧客の声を活用して質問の回答ができます。オペレータにつながった場合でも、テキストを活用することで、応対効率、応対品質があがります。

コールセンターとコンタクトセンターを取り巻く環境は厳しくなってきています。理由は抱える課題が増えているからです。オペレータの雇用難、人員不足を解消すべく、IVRと音声認識の活用方法を理解して、顧客、企業にとってより良いサービスを作っていっては如何でしょうか。

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