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コンタクトセンターのマルチチャネルをつなげる3つのポイントとは?(vol.8)

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コンタクトセンターは企業の事業成長に必要不可欠な顧客接点です。「顧客による購入前の商品情報収集」、「顧客へのキャンペーン説明」、「商品購入後のサポートサービス」など様々な顧客行動においての顧客接点の要となります。そして最近、コンタクトセンターのマルチチャネルという言葉をよく目にしますが、実際にマルチチャネルの利用目的はどんなもので、効果はあるのでしょうか。顧客が求める品質のコンタクトセンターとはどうあるべきなのか、CX(顧客体験)をどのように高めていくと良いのでしょうか。マルチチャネルの定義や課題を示しながら、コンタクトセンターでマルチチャネルをつなげる有効性ついて解説していきます。

コンタクトセンターの外と内で多様化するマルチチャネル

マルチチャネルの定義とは、コンタクトセンターの「外と内」によってその意味合いが変わってきます。コンタクトセンター自体をチャネルの1つとして捉える広義なマルチチャネルがあり、コンタクトセンター外に存在するチャネルとして広告や店舗やWebなどがあります。一方、コンタクトセンター内で利用するチャネルとして捉える狭義なマルチチャネルがあり、電話やWeb(問合せフォーム)などがあげられます。ここで一度、整理してみましょう。

コンタクトセンターにおけるマルチチャネル

 ・コンタクトセンター’外’の広義なマルチチャネル
   広告、DM、Web、アプリ、営業、店舗、ECサイトなど

 ・コンタクトセンター’内’の狭義なマルチチャネル
   電話、メール、チャット/チャットボット、Web(問合せ)、アプリ(問合せ)、SNS、SMSなど

また、コンタクトセンター「外と内」のチャネルを管理する部門や目的も異なってきます。コンタクトセンター自体はコンタクトセンター部門やカスタマーセンター部門など1部門として存在するケースが多いでしょう。しかしコンタクトセンター外のチャネルは、広告は広報部門、DMやWebはマーケティング部門、営業や店舗は営業部門などチャネルによって管理する部門が異なり、各部門の目的やKPIも変わってきます。

マルチチャネルの違いを理解したところで、次にマルチチャネル「外と内」の課題について確認していきましょう。

マルチチャネルの課題

前述した「外と内」の2つのマルチチャネルに沿って、よく聞く課題を記載しました。

コンタクトセンター’外’の広義なマルチチャネルの課題

-Webサイト上で提供している資料入手のためWebサイトに顧客が訪問するもサイト構成が分かり辛く途中離脱。このWeb行動履歴をマーケティング部門内として管理しているが、コンタクトセンター部門に連携されていない。対象顧客から別件でコンタクトセンターに問合せがあるが資料提供のフォローできず。 
(課題分類) ⇒ 機会損失

-顧客からコンタクトセンターの受付窓口へクレームをするが、コンタクトセンター部門内の問合せや顧客情報として管理される。営業部門には直ぐに連携されず、営業は理解しないまま対象顧客へコンタクトし、クレームが広がる。 
(課題分類) ⇒ 顧客満足度の低下

-Webサイト行動履歴データからの顧客セグメント分析は有効だが、まだ解像度は低く、対象セグメントに適切なサービスが提供できていない可能性もあり。 
(課題分類) ⇒ 顧客満足度の低下、機会損失

コンタクトセンター内の狭義なマルチチャネルの課題

-電話受付時間外のため、メールにて問合せするも直ぐ返信が無く、翌日に電話受付に連絡するがメール問合せ内容が連携されていないため、再説明。 
(課題分類)⇒ 非効率、顧客満足度の低下

-オペレーターがチャネル毎に問合せや顧客情報管理システムを立ち上げるため顧客対応が煩雑。情報がバラバラであるため、特定顧客でフィルタリングする際に情報連携がとても負荷が掛かる。 
(課題分類) ⇒ 非効率、従業員満足度の低下、顧客満足度の低下

-顧客の自己解決やオペレーターの負荷軽減を目的とし、電話以外の他チャネルによる対応を行っているが、他チャネル(例えば、FAQやチャットボット)では解決に至らず、結局は電話で確認。 
(課題分類) ⇒ 非効率、顧客満足度の低下

このように各チャネルの連携を行わず個別対応するために、様々な課題が発生するのです。次にマルチチャネルの課題を解決するために、マルチチャネルをつなげる3つのポイントを解説していきます。

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マルチチャネルをつなげるための3つのポイント

課題を解決するためには、マルチチャネルをつなげることが重要です。そこでマルチチャネルをつなげる手段として3つのポイントを解説します。

①データ一元化

マルチチャネルをつなげるという意味は、チャネル同士を物理的につなげることではなく、各チャネルが持っている顧客情報を集約して統合するということです。例えば、営業が持っている顧客情報、コンタクトセンターの受電音声からテキスト化した問い合わせ情報、Web上の顧客行動履歴などがあげられます。また、単純なデータ統合ではなく、各々の顧客情報から顧客ニーズを分析し、顧客理解の解像度を上げていくことが必要となります。

これら統合された顧客情報をベースに、顧客接点の改善や施策として各チャネルへ還元し、展開していきます。例えば、今までWeb行動履歴データのみで分析していた顧客セグメントに、コンタクトセンターで知り得る顧客ニーズを統合します。よって正確な顧客セグメント分析を実行し、対象顧客に最適なサービスを提供することが可能になります。

②クラウドソリューション

マルチチャネルをつなげ、データ一元化を実現するためのシステムソリューションとしてクラウドは有効です。コンタクトセンターをはじめ、各チャネルは顧客ニーズによる影響を受け易いため、チャネルを支えるシステムにはクラウドのような柔軟性が必要になります。例えば、以下のようなSalesforceやAWSは、マルチチャネルをワンプラットフォームで支えることが可能なクラウドソリューションとなります。

【クラウドソリューション】

  • 問い合せ管理/顧客管理:Salesforce  Service Cloud
  • 音声基盤:AWS  Amazon Connect
  • Marketing Automation :Salesforce Marketing Cloud
  • Customer Data Platform :Salesforce Marketing Cloud CDP
  • 各チャネル連携:Salesforce Marketing Cloud Personalization

③業務分析

最後のポイントとして、顧客接点に関連する戦略と業務分析が重要になります。マルチチャネルをつなげるための手段であるデータ一元化とクラウドソリューションは、最終目的ではありません。目的とは例えば、売上をあげるために新規顧客獲得や既存顧客ロイヤルティ化を目指した顧客満足度の向上や、利益をあげるために業務効率化を目指すことです。よって、先ずは目的を明確にし目的を達成するために、業務分析によって業務課題を把握します。そして目的に対する現在の立ち位置を、しっかりと認識することが大切です。また、マルチチャネルの範囲によって業務課題や目的が変わってきます。

・コンタクトセンター’外’の広義なマルチチャネル
  各チャネルを管理する各部門の業務課題と目的、また横断的な取り纏めが必要

・コンタクトセンター’内’の狭義なマルチチャネル
  コンタクトセンターの業務課題と目的

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まとめ

「コンタクトセンターのマルチチャネルをつなげる3つのポイントとは?」と題しまして、説明してまいりました。コンタクトセンター「外と内」でマルチチャネルの定義があり、各々に関連する部門、課題、目的が異なることがご理解頂けましたか?今後のAIの活用のためにもマルチチャネルの複数のシステムをつなぐことが求められてきます。

弊社ではコンタクトセンターをはじめとしたマルチチャネル案件の構築支と運用サポートの支援をさせて頂いています。マルチチャネルをつなげるための3つのポイントをベースとした、数多くの実績やノウハウがございます。何かご不明点やご確認がございましたらお気軽にご連絡頂けると幸甚です。

コールセンター/コンタクトセンターのマルチチャネルに関しては以下の記事もご覧ください。
「コンタクトセンターとコールセンターの違いとは?オムニチャネル対応から見える将来像(Vol.15)」
「コンタクトセンターにおけるオムニチャネルの重要性 マルチチャネルとO2Oの違いも解説(Vol.24)」

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