インターネットが普及し始めたころは、お客様と企業を結び付ける仕組み(コールセンター)は着信した電話に応答し、問い合わせに回答する応対が主流でした。現在、インターネットはどこでも使える今の世の中において、お客様と企業はどのような形で接点を持っているのでしょうか。そしてコールセンターとコンタクトセンターの違いとは何なのでしょうか?以下に、お客様と企業を結ぶコンタクトセンターについて詳しく解説していくとともに、近い将来のコンタクトセンター像についてもご紹介していきます。
目次
かつてコールセンターではお客様からの問い合わせに対して電話応対をするのが一般的でした。商品に関する質問や購入した商品に対しての苦情を受け付ける窓口として存在をしていました。しかし近年においてはコールセンターの機能は拡大しています。コンタクトセンターとコールセンターは何が異なるのでしょうか。
インターネットが普及し、お客様とのやり取りは電話だけにかかわらず、メールやSNS、SMS、Webサイト上でのチャット応対、DM(はがき)、ビデオ通話など多岐にわたる応対が存在している環境です。コールセンターが行う業務が変わりつつあり、電話応対以外の新しい業務内容に沿った言葉が生み出されました。それがコンタクトセンターです。
コンタクトセンターとは、コールセンターの機能も包含して、お客様とさまざまなコミュニケーションツールを活用してカスタマーサービスを行う部門となります。このよう点がコールセンターとコンタクトセンターの違いになります。ただ実際にはコールセンターと言いながら、行っている業務の中には電話応対以外も行っている企業も存在しているのは事実です。言葉の定義は企業によってまちまちであるのが実態ですので、実際の業務を把握して「コールセンター」なのか「コンタクトセンター」なのかを理解することが必要です。
コールセンターとコンタクトセンターの違いについてと、コンタクトセンターとは何かを理解していただいたと思います。次はコンタクトセンターに求められるニーズと期待される役割について記述していきます。
前述のとおり、お客様とコミュニケーションするための手段が多様化したことでお客様の期待するニーズが変化しました。それに応じてコンタクトセンターに求められる役割も大きく変化しました。
例えば電話応対が主であった頃は、決まった応対時間帯に電話をかけたらきちんと業務に関する応対ができる、受付ができるといった応対が求められていました。なかなか電話がつながらないといった苦情を言いたくて電話をかけ続ける人もいたりする悪循環が生まれていたりしました。
2022年の現在ではどうでしょうか。インターネットとスマートフォンは普及し、いつでもだれでも簡単にインターネットから情報を収集することが可能です。お客様は何かコミュニケーションをとりたいと思ったときに、移動中だから電話はできないのでチャットでやりとりしたい、これから仕事があるので質問だけして後で非同期に返信してもらいたい、Webサイトの申し込みフォームの入力方法がわからないから代わって操作してほしいなど、電話によるリアルタイムの音声の対応だけではなくさまざまなニーズに応える必要が出てきました。
ニーズの多様化はお客様とコミュニケーションをとるために利用される手段や方法が、複数存在していることにあります。このようにチャネルが複数存在することを、一般的にはマルチチャネルと呼ばれています。マルチチャネルにおいてしっかりと一定品質の対応をしていくことが求められます。つまりオムニチャネルへの対応が必要となってきたのです。オムニチャネルとは、どのチャネルを使っても同等のサービスを受けることができる仕組みで、顧客接点が多面的になるメリットがあります。半面、複数のチャネルでのお客様との統合的に管理されず、それぞれのやり取りがバラバラになっていると顧客へのサービスレベルは低下してしまうので要注意です。
お客様にとってどのチャネルが一番使いやすいかは個々、人の特性によりますが、どのチャネルでもきちんと対応をしていくことでお客様は満足します。顧客満足度(CX)を上げることがコンタクトセンターに求められる役割です。
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カスタマージャーニーマップにヒントあり 前述した顧客満足度(CX)を向上させることがコンタクトセンターに期待される役割ですが、実現するためにはオムニチャネル対応が必要となります。つまりお客様へマルチチャネルで一定品質の適切な応対を行える仕組みが必要となるわけです。これは「DX化」へつながっていきます。
では期待する仕組みとはどのようなものでしょうか。どういう仕組みでコンタクトセンターをつくっておけばよいのでしょうか。よくありがちなのがマルチチャネルを実現すればよいのだから、メール、SMS、SNS、チャット・・・など、とにかくやり取りができる基盤を安く用意すればいいよね?と考えがちですが・・・大間違いです。結果は同じだとしても、考え方が違います。
最初に行うこととしては、お客様がどういう感情や考えをもってコンタクトをしてくるかをきちんと分析して、それに即した形で仕組みを用意することが大切です。仕組みを用意するためにはカスタマージャーニーマップの作成をお勧めします。お客様の購買行動をマップに落として興味を持った時、製品比較をしたとき、購入したとき、使ってみたときどういう感情が動くか(胎動変容)、またそのきっかけを最も適切に与えることができるチャネルは何かを分析します。
カスタマージャーニーマップを作成して、初めて必要なタイミングで必要なチャネルでお客様にアプローチができます。こうすることでCXを向上させる仕組みとして何が必要かを把握することが重要です。
従ってメール、SMS、SNS、チャットと上げてきましたが、本当に必要なものは何かをお客様の行動を分析した結果により変わってくる可能性があります。予算が無限にあれば十分なコストをかけて考えられるすべてのチャネルで間口を大きく開けて、待ち構えればよいでしょうがそんな企業は現実的には存在しません。正解は各企業によってさまざまですので、「一概にこのような構成をとれば、間違いがないとは言えない」というのが答えです。
当社にとっての正解はなんだ?と考えてみたとき、自分たちで答えが見つからない場合があります。その場合はコンタクトセンターに精通しており、業務も理解できるような専門のコンサルティング会社を使って一緒にカスタマージャーニーを描いてみるとよいかもしれません。顧客満足度の向上と業務効率化を両立させることのできるコンタクトセンターを目指しましょう。
ではさらに「この先、コンタクトセンターはどのように変わるのか?」という点について述べていきます。
今はお客様が何かを知りたくて、何か解決するために自らアクションをしてコンタクトセンターに問い合わせを、何らかのチャネルを使って行っているのが現状でしょう。お客様の同意を得たうえで行動の履歴を収集させていただくことで、コンタクトセンターの未来は劇的に変化していくことになります。
お客様が何か問い合わせをする前に、そのお客様が何に興味を持ち、何を悩んでいるのかが事前にある程度は分かった状況を作ることできるのです。 そしてお客様が何か問い合わせをした時点では期待するベストエフォートな対応が用意されるのです。
現在、SNSの再先端であるTikTokのようなレコメンドがずらりと並ぶイメージです。これはお客様に直接提供されるボットとの会話であったり、Webサイトへの誘導であったり、コンタクトセンターに在籍しているオペレーターへのNext Based Action(次の行動を自動的に示唆する仕組み)だったりします。今も少しずつこういったことが実現しつつありますが、2022年に施行された改定個人情報保護法や2023年により強化される、サードパーティクッキー規制によるシステム的な対応はまだ十分とは言い難く、これからサポートされていくことになります。 AIの技術も凄まじい勢いで発展しています。AIを活用したチャットボットを活用すれば24時間、どんな時間でも自動でお客様のサポートをすることも可能になっています。AIのコンタクトセンターでの活用は今後も高い期待をされて注目しています。
この先は不確定要素が多いのですがWeb3.0への対応により、メタバース内でコンタクトセンターが構築されることで、まるでリアルな企業の担当者に相談をして対応をしてもらっているような、そんな世界が実現されるかもしれませんね。
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「コンタクトセンターとコールセンターの違いとは?オムニチャネル対応から見える将来像」と題してご紹介してまいりました。電話応対だけであったコールセンターから、メール、SNS、SMS、チャットなど現在存在するマルチチャネルへの対応を行うコンタクトセンターへと変化したことがご理解いただけたと思います。
コンタクトセンターの運用はこれらのマルチチャネルで一定品質の応対を提供するために、オムニチャネル化が必要とされ、その実現のためにはDX化が必要となっています。しかしこれらを先んじてシステムだけ導入してもうまくいきません。 カスタマージャーニーマップを作成しお客様の行動を分析して、いつどこでどんなチャネルでお客様にアプローチするかを明確する必要があります。各企業にとって必要なコンタクトセンター機能はこの分析結果によります。 しっかりと分析を行ったうえで、お客様のニーズに合わせた仕組みを用意することでCXを向上させることができます。CXを向上させることが今のコンタクトセンターに期待されている役割なのです。
近い将来はお客様行動情報を収集することでよりニーズに適した応対ができるような仕組みが用意されていくことでしょう。弊社では多くのコールセンター、コンタクトセンターの構築実績があります。カスタマージャーニー作成が不安だ、どのようなコンタクトセンター機能を用意していけばよいかわからない、といった不安がある場合はぜひ弊社にお声がけ、ご相談いただければと思います。
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