Salesforce Service Cloudは、顧客対応とサポートのためのクラウドベースのソリューションであり、顧客体験の向上と効率的なサポートプロセスの実現を支援するために設計されています。Salesforce Service Cloudのコンタクトセンターでの活用により、CX(顧客体験)の向上、効率的なサポートプロセスの確立、エージェントの生産性向上などが実現できます。そこで、Salesforce Service Cloudの特徴・機能・メリットや導入時の注意点をご紹介いたします。そして、わかりづらいSalesforce Service CloudとService Cloud for Salesforceの違いについても詳しく解説します。
目次
Salesforce Service Cloudとは、Salesforceのクラウドベースのカスタマーサービスプラットフォームのことです。企業が顧客対応を改善し、効率的に運営するための包括的なツールを提供しています。お客様の応対を行うコンタクトセンターのシステム構築に向いていると言われています。
“Service Cloud for Salesforce”という言葉は一見似ていますが、実際には異なるサービスのです。Service CloudはSalesforceのカスタマー「サービスプラットフォーム」であるのに対し、Service Cloud for SalesforceはSalesforceのSales Cloudと統合されたカスタマー「サービスソリューション」です。
つまり、Salesforce Sales Cloudはセールス担当者向けのツールであり、Salesforce Service Cloud for Salesforceはセールスとカスタマーサービスをシームレスに統合するためのものと言えます。このような点がSalesforce Service CloudとService Cloud for Salesforceとの違いなのです。
Service Cloud for Salesforceは、コンタクトセンターSV(スーパーバイザー)担当者がSalesforceのSales Cloudの顧客データと統合し、顧客対応プロセスを最適化するのに役立ちます。Sales Cloudと統合すれば、セールスとカスタマーサービスの間で情報の共有が容易になり、顧客対応が向上できます。
本記事ではコンタクトセンターのSV担当者の役割に焦点を当てて、Service Cloudの特徴や機能、メリットや導入の注意点について解説していきます。
Service Cloudの特徴にはどんなものがあるのでしょうか?詳しく説明していきます。
Salesforce Service Cloudは、複数のコミュニケーションチャネル(電話、メール、ソーシャルメディア、チャットなど)を統合し、顧客との接触をシームレスに管理します。このような特徴を活用すれば、顧客は自分の好きな方法でサポートを受けることができ、企業側も顧客とのコミュニケーションを効果的に行えます。
Service Cloudは顧客情報を一元管理し、顧客の過去の対応履歴や購買履歴などの情報を容易にアクセスできるようにします。エージェントは個々の顧客に合わせたカスタマイズされたサポートを提供できます。
よく寄せられる問い合わせや解決策のナレッジを知識ベースとして構築し、顧客自身が問題を解決できる情報を提供します。エージェントの負担が軽減され、迅速な自己サポートが可能となります。
顧客からの問い合わせや要望をケースとしてトラッキングし、優先度設定や担当者の割り当てを行います。エージェントはこれに基づいて効率的な対応を行い、スムーズな問題解決を実現します。お客様との応対時間の削減が期待できます。
Service Cloudはルール、ワークフロー、自動応答などを活用して、ルーチンワークや繰り返しタスクを自動化します。このような機能を上手く使うことで、エージェントはより複雑な業務に集中できます。
Service Cloudの機能にはどんなものがあるのでしょうか?機能一覧として詳しく説明していきます。
リアルタイムチャット機能を提供し、顧客とエージェント間のインタラクションを迅速に行えるようにします。チャットウィンドウを通じて、リアルタイムで質問に答えたりサポートを提供したりできます。
顧客の問い合わせを適切なエージェントに自動的にルーティングする機能であり、適切なスキルや優先度に基づいてタスクを配分します。
エージェントが顧客情報やケース情報を一元的に閲覧・編集できるインターフェースを提供します。効率的な作業をサポートし、お客様により良い体験を提供します。
コンピュータ電話統合 (CTI) を通じて、電話通話をService Cloudに統合し、顧客情報や履歴を自動的に表示することで、ひとりひとりのお客様に対してよりパーソナライズされた対応が可能となります。
カスタマイズ可能なレポートやダッシュボードを通じて、エージェントのパフォーマンスや顧客の動向をモニタリングし、改善策を見つけるためのデータを提供します。
Salesforce Service Cloudにはこのようにさまざまな便利な機能があるのです。
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Salesforce Service Cloudを導入することには、顧客対応とサポートプロセスの向上に関する多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点も存在します。そこで、メリットと注意点について詳しくご説明いたします。
Salesforce Service Cloudを利用するメリット
Salesforce Service Cloudは、多様なコミュニケーションチャネルを統合し、効率的かつ迅速な対応を実現します。顧客は自分の選好に応じて対応を受けられるため、顧客満足度が向上します。
ケース管理やワークフロー自動化などの機能により、エージェントはタスクの優先度設定や割り当てを効果的に行えます。このような機能の活用により、生産性が向上し、迅速な問題解決が可能となります。
顧客情報を一元管理し、過去の対応履歴や購買履歴を把握できるため、エージェントは顧客に合わせたカスタマイズされたサポートを提供できます。このようなサポートにより、顧客はより価値ある体験を享受します。
知識ベースや自動応答機能を活用して、顧客が自身で問題を解決できる情報を提供します。エージェントの負担が軽減され、顧客は迅速な解決策を得ることができます。
Live Agentやオムニチャネルルーティングなどの機能により、リアルタイムのコミュニケーションを実現します。顧客の問題に素早く対応できるだけでなく、エージェントのコラボレーションも強化されます。
Salesforce Service Cloudを利用するときの注意点
Salesforce Service Cloudはカスタマイズ可能ですが、そのためには専門知識を持つ人員が必要です。また、導入にはコストがかかる場合があります。プロジェクトのスコープとコストを適切に評価することが重要です。
システムを効果的に活用するためには、エージェントやスタッフへのトレーニングが必要です。また、新しいプロセスやツールの導入は組織内での変更管理が必要であり、スムーズな移行を支援するプランが必要です。
顧客情報やデータのセキュリティは重要です。Service Cloudのセキュリティ機能を適切に設定し、プライバシーやコンプライアンス基準を遵守する必要があります。
多様なチャネルを提供することは一方で、一貫性を保つことも課題です。顧客が異なるチャネル間で情報や問題を共有する際に、一貫性を保つプロセスを確立する必要があります。
成長する企業にとっては、システムのスケーラビリティが重要です。Service Cloudの選択肢やカスタマイズの柔軟性を検討し、将来の需要に対応できるようにする必要があります。
「Salesforce Service Cloudの特徴・機能・メリットをご紹介 コンタクトセンターにピッタリ!」と題して、ご紹介してまいりました。Salesforce Service Cloudの導入には計画と慎重な検討が必要ですが、適切に活用することで顧客対応の向上と効率的なサポートプロセスの確立が実現できます。
Salesforce Service Cloudの導入により、顧客満足度向上、効率的なサポートプロセス、マルチチャネル対応、カスタマイズされた顧客対応、リアルタイムコミュニケーション、データ駆動の改善、競争力強化などの効果が得られます。
統合的な顧客データ管理と自己サポート機能により、顧客との関係構築と迅速な問題解決が促進され、結果的に持続的な成長とポジティブなブランドイメージが築かれます。まさにSalesforce Service Cloudはコンタクトセンターのシステム構築にピッタリではないでしょうか? コンタクトセンターの見直しに関して様々な資料をご用意しておりますので、なにかお困りごとがあればぜひご相談ください。
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