コールセンターのインバウンド業務は、オペレーターを配置し、かかってきた電話を取れば良いという簡単な業務と考えられている方も多いのではないでしょうか?コールセンターは企業の顔であり、お客様との重要な接触チャネルと考えている企業が増えてきています。そこで、よりお客様の満足度向上が図れるコールセンターのインバウンド業務のご説明を中心にアウトバウンド業務も併せて、それぞれの違いや課題、その解決策を紹介してみたいと思います。
目次
インバウンド業務とは、ご自分の意思でコールセンターへ電話をされてきたお客様に対し、オペレーターが対応する業務です。問い合わせや、製品・商品、サービスの購入、手続き等が主な業務内容になります。カスタマーサポートなど、購入したものの使用方法や故障などについての問い合わせも含まれます。オペレーターはお客様が要望する内容を瞬時に把握し、対応する必要があります。そのため、自社の製品・商品、サービスについての知識や経験が求められます。
対応に時間を要することや、電話をたらい回しにすることは、お客様の満足度を得る上で避ける必要があります。理由は、クレームに繋がりお客様からの企業評価が低下するからです。
一般的に弊社がシステム化したコールセンターの例は以下になります。
お客様が架電してきた際に、要件もわからないと対応に多くの時間を要してしまいます。対応時間を短縮するためには、要件に合わせた専用の電話番号を用意する場合もありますが、IVRで要件毎の音声メニューをお客様に選択してもらうのが効果的です。IVRの選択からお客様の質問や要望を把握した状態で、その問題により対応に適したオペレーターを最初から呼び出すとお客様の対応はスムーズにできます。
また、コールセンターでは解決できない要件に関しては専門のサポートを行う部署や専用業者(企業)へ転送する方法もあります。反対に、一般的な要望で容易に回答できるものに関しては、外部委託先へIVRから直接外線転送することも可能で、業務効率化を実現できます。
着信をオペレーターに知らせる画面には、音声メニューでお客様が選択した要望を表示するのが効果的です。音声メニュー内で入力したお客様特定情報や、発信者番号で着信と同時にお客様の情報を表示することも実現可能です。(お客様情報をCRMシステムにお持ちの場合に限ります)
購入や手続き等、事前に用意された画面を利用し受付を行うことが効果的です。FAQやスクリプトを事前に準備しておき、対応を行います。対応結果は履歴として保管し、必要に応じ他チャネルへ履歴の還元を実施し、履歴から傾向分析などを行う方法もあります。 受付に関して本人確認が必要な場合は、IVRへ電話を振り戻します。そして、お客様特定情報を入力頂き、再本人確認を準備することも可能です。
お客様との通話を録音し、オペレーターの対応品質向上に向けた情報として活用します。 クレームや事件・事故が発生した際の証跡や経緯分析でも利用できます。録音した相談の音声データをテキスト化してAIを活用して分析することも可能です。音声データでは難しかった過去の情報の分析や、それをベースにしてFAQやチャットボットを構築することも有効です。情報の分析が高度化するという面ではAIの技術発展によって今後、大きなメリットになってくると期待できます。
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インバウンド業務でお客様満足度を高めるには、「待たせない」、「的確な回答をする」点に限ります。それらを実現するには、以下の施策が必要になります。
無人音声内での待ち呼(お待たせアナウンス)に数分も入れられると、本当につなぐ気があるの・・?と私も思ってしまいます。無下に設備投資や人材配置をする必要は無いと思いますが、呼量にあった適切なシステム設計や人員配置はしておきましょう。
無事につながってもお客様の要望へ迅速に対応できないと、不満からクレームにつながり業務効率の低下を招きます。やはり企業の顔として、気持ち良い対応をして欲しいものです。 お客様の生の声をシステムや運営に反映し、より使い勝手の良いシステムへ対応をしていきましょう。また、オペレーターの品質を上げるには、働きやすい環境を提供し、離職率の低減を図る活動が重要です。経験豊かなオペレーターには、長く働いて頂く環境づくりをする必要があります。
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インバウンドとは相反する業務で、コールセンターからお客様へ架電し、セールスプロモーション等を実施する業務がアウトバウンド業務です。ターゲット層により、よりお客様と電話がつながりやすい時間帯、つまりゴールデンタイムは異なります。ゴールデンタイムに電話をかけることにより、オペレーターの配置戦略は非常に重要になります。
ただし、昨今は携帯電話の普及や固定電話の所有率低下という事情があります。つまり架電したからといっても電話に出ていただける可能性は、非常に低い状況であり、見知らぬ電話番号からの着信となれば更につながりにくいのが現状です。電話だけではなく、さまざまなコミュニケーションの手段を組み合わせて活用しましょう。 ターゲット層の心をがっちりつかんだマーケティング戦略をたてて、CMやメール、SMS等のプッシュ通知などから購買意欲の向上を図りましょう。顧客自らが行動し、インバウンドにつなげる時代に入っているのです。
インバウンド業務/アウトバウンド業務の課題の概要を抽出してみました。弊社で構築するコールセンターシステムでは以下のような施策により、目的に合わせた課題解決が図れると考えています。少しでも参考にしていただければ幸いです。
電話基盤での統計分析(各種レポート)やWFM(ワークフォース・マネージメント)を導入し、最適な人的資産の管理を目指します。また、従来のオンプレミス(固定の席数を用意)ではなく、フルクラウドソリューション(ライセンス契約)で構築することで、柔軟な席数配置を目指します。
繁忙期/閑散期における最適なオペレーター配置から、お客様の待ち時間を極力低減し、つながりやすいコールセンターを目指します。また、正確にデータ分析をすることで、過剰な設備投資も抑える効果も得られると考えます。ビジュアルIVR、チャット、AIチャットボット等々を導入し導線整理を行って、見込み呼量の調整を行うのも一つの手段だと考えます。
システムとしては音声認識を導入し、オペレーター支援機能の充実を図るのも1つの手段です。テキスト化したお客様の声より、FAQやスクリプトを自動表示しオペレーター対応の精度、速度の向上を目指します。テキストで蓄積したデータを分析・集計することで、顧客要望にあったシステム対応(無人音声のメニュー改定 等)や、他チャネルの改善要望の抽出も可能になります。
また、テキスト化することにより、NGワードのリアルタイム警告も可能となる上、管理者も文字で閲覧できるようになります。管理者は録音を一から聞かずとも経緯が簡単に把握できる上、複数のオペレーターを切り替えながら並行して確認が可能となります。よって、より的確なアドバイスができる環境が構築できます。やはり、バックグラウンドでシステムや管理者がしっかり支援してくれる環境があってこそ、オペレーターにとっても不満の少ない働きやすい環境になるのではないでしょうか。
弊社ではコンタクトセンターの構築に加えてBPOを併用するハイブリッドなセンター構築のご提案も柔軟に対応が可能です。ぜひご相談ください。
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