顧客とのデジタルな接点を増やしたい、という思いでMarketing Cloud(マーケティングクラウド)を導入されている企業はたくさんあるかと思います。そんな中、導入したのはいいものの、どうやって使えばよいのかわからない!という方もいるのではないでしょうか?そんな方向けに、今回はMarketing Cloudの機能の1つであるジャーニーに絞って解説をしていきたいと思います。
目次
Marketing Cloudのジャーニーとは、正確には「Journey Builder(ジャーニービルダー)」という名前のシステムです。Marketing Cloudのジャーニービルダーについて一言で表すと、「カスタマージャーニーをそのままシステムとして実現できる機能」となっています。LINE、SMS、メール、プッシュ通知などさまざまなチャネルを用いて、ドラッグアンドドロップで簡単にカスタマージャーニーを表現できるという特徴があります。
Journey Builder(ジャーニービルダー)
代表的なユースケースとして、次の3つのような使い方があります。
このように、いずれか1つは自身が顧客として体験した記憶があるのではないでしょうか?
次に、ジャーニービルダーがどのような構成になっているのか説明します。 大きく分類して、ジャーニービルダーは次の3つで構成されています。
詳細について、1のエントリソースからご説明します。 エントリソースとは、ジャーニービルダーの対象となる(エントリ)、顧客はどれか(ソース)を指定するものです。 特に利用する頻度が最も高いものが「データエクステンション」(Salesforce Marketing Cloud上のテーブル)であるため、最初はエントリソースにはデータエクステンションを設定すればよい、と考えていただければ問題ないです。
次に、2のメッセージについてご説明します。こちらは名前の通り、どのチャネルでメッセージを送るのか、を選択します。ジャーニービルダーの特徴として、さまざまなチャネルを活用できると先ほどお伝えしました。まさにそのチャネルを選択できるのが2のメッセージです。LINE、SMS、プッシュ通知、メール等があり、顧客の好みのチャネルに合わせた配信が行えます。
最後に3のフローコントロールについてご説明します。こちらはジャーニービルダーの中で複数のパターンを作成するときに活用できます。 例として、代表的なユースケースとして挙げた3つ目「誕生日が近い顧客に対して、特別割引のクーポンコードをメールで送信する」を取り上げて考えてみましょう。同じクーポンコードを送るとしても、顧客によって割引率を変える必要があるかもしれません。長い間お付き合いのある顧客と、先日顧客になった方で割引率を変えるようなことも考えられますよね。その時に使用するのがフローコントロールの中の「判断分岐」です。顧客のランクによって異なる分岐を作成することで、同じジャーニービルダーの中でも別のメッセージを飛ばすことが可能になり、顧客の体験価値の向上に寄与します。
これまでジャーニーの基本的な機能やユースケースについて説明してきました。 次に、ジャーニーを運用する上でのよくある課題について、お伝えします。
Marketing Cloudのジャーニービルダーを運用していく上で、よくある課題を3つあげます。
1つずつ解説していきます。
まず、1の「配信に必要なデータが不足している」、について。ジャーニービルダーの説明の中で、メールやSMSを送れる、とお伝えしました。ですが、当然のようにメールを送りたい場合はメールアドレスが必要で、SMSの場合は電話番号が必要です。また、社内にはそういったデータは存在しているのに、Marketing Cloudにはデータが届いていない、というケースも考えられます。
次に、2の「社内のリソース不足により、運用がうまく回っていない」について解説します。 社内のシステム部や経営層から言われたようにMarketing Cloudを導入したものの、実際に運用する人はマーケターであるケースが多いと思います。その場合、あまりシステムについては詳しくないものです。そういった方は、じゃああとはMarketing Cloudを運用しといてね!と言われても、あまり上手くできるものではないかと思います。
最後に3の「顧客の好みがよくわからない」という点について、ご説明します。 今の時代の顧客は、一斉配信のようなメールをあまり期待していません。そのため、顧客ごとの好みにあった内容で、メッセージを発信していく必要があります。 例えばアウトドア用のシューズをオススメする場合も、趣味が登山の方には登山用シューズを、ランニングが趣味の方にはランニングシューズを訴求した方が、当然顧客の反応もよくなりますよね。このような体験を実現させるためにも、顧客の好みをしっかりと把握する必要があります。
ここまでジャーニーを運用する上でのよくある課題をお伝えしました。 続いて、それに対する解決策をご説明します。
Salesforce Marketing Cloud Engagement運用ガイドブック 効率的なライセンスの使い方
これからお伝えする対応により、ジャーニーを運用する上での問題点を解決することが可能です。解決策を3つご紹介します。
1つずつ、解説していきます。
まず1の「他システムと連携する」について。Marketing Cloudにはテーブル構造があるため、顧客データをシステム上に保存することが可能です。社内の他システム、例えばCRM(顧客関係管理)システムやSFA(営業支援)システムが社内に存在するという企業は多いのではないでしょうか?その場合はCRMやSFAといったシステムとMarketing Cloudを連携させる、ということを考えてみてもよいかもしれません。特に、CRMやSFAシステムに同じSalesforce社製品の「Sales Cloud」や「Service Cloud」を活用していた際は、Marketing Cloud Connectというシステム連結ツールを使用することで、比較的容易に連携することが可能です。Salesforce社の製品を使っていない場合でも、Marketing CloudはSFTP連携やAPI連携にも対応していますので、システム同士を連携することは可能です。社内の他システムと連携することで、Marketing Cloudに今までは存在していなかったデータが入ってくるようになります。
次に2の「外部ベンダーに運用を依頼する」について解説します。ジャーニーを運用する上での課題、の箇所で「実際に運用する人はマーケターであり、システムにはあまり詳しくない方が多いこともある」とお伝えしました。そういった方に、他の業務もある中でMarketing Cloudについての知識もつけてもらう、というのはあまり現実的ではないかもしれません。また、もしある程度のスキルを習得した場合であっても、その方の転職や異動によってまた振り出しに戻ってしまう可能性だってありますよね。そういった点を考えると、外部ベンダーに運用を依頼するという解決策もよいかもしれません。Marketing Cloudに詳しいベンダーにシステム運用を依頼することで、マーケターの方はシステム運用より上流の戦略策定やコンテンツ作成にリソースを割くことができますよね。また、システム運用だけでなく戦略立案のノウハウも持っているベンダーを選ぶことができると、その分野でも協力してマーケティングを効率よく推進できます。
最後に3の「キャンペーンサイト等を作成し、顧客情報を集める」についてお伝えします。1のように他システムと連携をしても顧客情報が不足していた場合、何らの方法で顧客情報を収集する必要がありますよね。そういったケースで考えられるのが、キャンペーンサイト作成です。キャンペーンサイトには名前、メールアドレス、趣味等の企業側が欲しい情報の項目を準備します。そして、顧客に情報を入力してもいいよと思ってもらえるような報酬を用意し、実際にサイトを公開してみましょう。そうすることで、今まで顧客として認知できなかった方々を捉えることができ、より良いマーケティングが可能になります。
関連ブログ: セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)の成り立ち
ここまでMarketing Cloudのジャーニーの基本的な運用についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?顧客の企業側への期待度もますます上がっており、顧客はよりパーソナライズされたメッセージを企業側に求めております。Marketing Cloudはうまく活用することで、その期待にしっかりと応えることができるシステムです。近年Marketing Cloudの導入は増加傾向にあるものの、今回あげた課題に限らず色々な問題があるかと思います。そんな中で、こちらの記事が少しでもMarketing Cloudの運用担当者のみなさまのお力になれればうれしい限りです。
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