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セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)の成り立ち(Vol.32)

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セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)はセールスフォース社が提供する、マーケティングプラットフォームです。元々はマーケティングのキャンペーンを自動化するマーケティングオートメーションを主とした、クラウドサービスでした。しかし度重なる買収を経て、巨大なデジタルマーケティング基盤へと成長していきました。
セールスフォースといえばSFA(セールスフォースオートメーション、営業支援システム)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)が有名ですが、これらとは成り立ちが異なります。
どのようにしてセールスフォースマーケティングクラウドが誕生し、成長したのかを紹介していきます。

セールスフォースってどんな会社?

セールスフォースは、1999年にマーク・ベニオフによって設立された、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くソフトウェア企業です。現在はクラウドコンピューティングを中心としたアプリケーションを提供しており、主に顧客管理、営業、マーケティング、顧客エンゲージメントなどの分野で活躍しています。
2004年にはSalesforce CRMをリリースしました。この製品は顧客データや顧客関係を一元管理し、顧客とのコミュニケーションや営業プロセスを改善することを目的としています。
セールスフォースのクラウドベースのソフトウェアソリューションは、世界中の多くの企業や組織、業界で活用されています。また同社は、顧客体験を重視するビジネスモデルを提唱しており、従業員や顧客、社会に対する責任を果たすための様々な取り組みを進めています。

セールスフォースマーケティングクラウドの成り立ち

当初はCRMを中心としたソリューションであったセールスフォースが、なぜマーケティングプラットフォームソリューションを推し進めたでしょうか。
その理由と成り立ちを説明していきます。

セールスフォースがマーケティングクラウドを作った理由は、企業が顧客との接触ポイントを増やし、顧客との関係を深めるためでした。
顧客との接触ポイントが増えることで、企業はより多くのデータを収集し、CRMデータと結びつけることでより効果的なマーケティング活動を行うことができると考えました。

セールスフォースマーケティングクラウドは、セールスフォース社が提供するマーケティングオートメーションプラットフォームの1つです。顧客データの収集・分析や、メールマーケティング、ソーシャルメディア広告、Webパーソナライゼーションなど、多様なマーケティングチャネルを一元管理することができます。ユーザーが業務で必要とされる様々なレポートも必要なタイミングで一覧で確認することができます。

セールスフォースマーケティングクラウドの成り立ちには、その歴史的にいくつかの重要な要素があります。
以下に、それぞれの要素を解説していきます。

  1. ExactTargetの買収
  2. Kruxの買収
  3. AI技術の導入

1. ExactTargetの買収

セールスフォースマーケティングクラウドの成り立ちには、ExactTargetの買収が大きく関わっています。ExactTargetは、電子メールマーケティングのプラットフォームを提供する企業であり、2013年にセールスフォース社が買収しました。この買収により、セールスフォース社は、ExactTarget社の優れたマーケティング技術や、大量のデータを取り扱う能力を手に入れました。

2. Kruxの買収

Kruxは、データマネジメントプラットフォームを提供する企業であり、2016年にセールスフォース社が買収しました。Kruxの買収により、セールスフォース社は、データ管理や分析の技術を強化することができました。

3. AI技術の導入

セールスフォースマーケティングクラウドには、AI技術が導入されています。AI技術を活用することで、高度なターゲティングやパーソナライゼーションの自動化が可能になり、より効率的なマーケティング施策を自動で展開することが可能になりました。

以上のように、セールスフォースマーケティングクラウドの成り立ちには、ExactTarget、Krux、AI技術の導入が深く関わっています。そして現在ではMA(マーケティングオートメーション)としてもSalesforceソリューションは中心的な存在です。
セールスフォースマーケティングクラウドは基本的にはB2Cマーケティングツールとして活用されるシーンが多く、B2B向けのマーケティングツールとしてはPardotが存在しています。こちらは2013年にPardot社をセールスフォース社が買収し、B2Bマーケティング分野における強みを手に入れました。

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次世代のマーケティングクラウドとは何か?

マーケティングクラウドは2022年4月に各種デジタルマーケティング関連プロダクトの名称を変更しました。
マーケティングクラウド、という名称自体はデジタルマーケティング基盤を示すグループ名称となり、そのグループの配下に各プロダクトが属する形になりました。
具体的には以下の通りとなります。
※参考https://www.salesforce.com/jp/blog/2022/04/next-gen-marketingcloud-vision-product-names.html

  • Customer Data Platform(旧 Salesforce CDP)は、唯一の信頼できる情報源を作成することで、お客様を理解し、関連性のあるエンゲージメントを実現します。
  • Personalization(旧 Interaction Studio)は、顧客や見込み客一人ひとりに合わせたパーソナライズを行い、リアルタイムのレコメンデーション、コンテンツ、オファー、体験を提供し、顧客にとって関連性の高い体験を実現するのに役立ちます。
  • Engagement(旧 Messaging/Journeys、旧Marketing Cloud)はメール、モバイル、広告、ジャーニービルダー用の製品で構成され、統合されたデータとAIを活用して、お客様が選択したチャネルで、設定したカスタマージャーニーに従って自動的にお客様とのつながりを深める活動ができます。主にB2Cマーケティングツールとして活用されています。
  • Account Engagement (旧 Pardot)は、リード、バイヤー、アカウントを中心にマーケティングとセールスを連携させ、より迅速に取引を成立させることを支援します。主にB2Bマーケティングツールとして活用されています。
  • Intelligence(旧 Datorama)は、アナリティクスを統合し、AIインサイトを活用して、顧客価値と成長を向上させる成果を継続的に最適化することを支援します。

実際にはまだ旧式名称を活用して会話をすることも多々ありますので、新旧の名称をしっかりと抑えて意思疎通ができるようにしておきたいですね。

まとめ

「セールスフォースマーケティングクラウドの成り立ち」と題しまして、ご説明してまいりました。IT業界はDX対応の流れが加速度的に高まってきています。一昔前のオンプレミスなシステム基盤構築ではコストも期間もかかるため、セールスフォースのようなクラウド型アプリケーションサービスを活用したシステム構築が主流となってきています。なかでもセールスフォースは日本においても導入実績が豊富であり、DX化をすすめる企業にとっては安心して利用できるクラウドサービスではないでしょうか。そのクラウドサービスの成り立ちを理解することで、構築したいシステム基盤イメージの解像度を高めていくことができるのではないでしょうか。ビジネスの成長のためにデジタルマーケティングの活用を改めて考えてみましょう。

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