デジタルマーケティングの分野で、“Marketing Cloud Engagement”という言葉を聞かない日はありません。そして、私たちの身近な存在である“LINE”,これら二つを連携させることで、より強力なマーケティング活動が実現できます。しかし、連携する際には“プロビジョニング”設定が必要です。今回はMarketing Cloud EngagementとLINEの連携方法と注意点を見ていきましょう。
目次
Marketing Cloud Engagementは、Salesforceが提供するデジタルマーケティングツールであり、顧客との1対1の関係性を強化し顧客に寄り添った情報提供を行います。これはOne to Oneマーケティングと呼ばれ、各顧客の行動や好み、意図に基づき適切な情報を自動的に提供することを目指します。 B to Cのビジネスモデルでは、One to Oneマーケティングは必要不可欠です。消費者のニーズと嗜好は多岐に渡るため、顧客に合った適切なメッセージは、より最適な情報を消費者に提供し、商品や企業への愛着を深めます。 基本的な使い方としては、まずは消費者のデータを蓄積します。消費者の購買履歴、閲覧履歴、お気に入りの追加など、その行動を把握します。これらのデータを利用し、Marketing Cloud Engagementは独自のAIを使用して個々の消費者に最適な情報を自動的に提供します。 ただし、Marketing Cloud Engagementを利用するにあたりマーケティング戦略や消費者に基づく適切な設定が求められます。
Marketing Cloud EngagementとLINEの連携により、企業はLINE上で顧客と直接対話し、さらにOne to Oneマーケティング活動の管理が可能となります。顧客からの問い合わせに即座に対応することは、満足度を高め、ブランドへの信頼を強化します。Marketing Cloud Engagementは各顧客に適した自動返信機能を提供し、これにより企業は業務を効率化できます。 以下にMarketing Cloud EngagementとLINEを活用した具体的な例を3つ紹介します。
Marketing Cloud Engagementを活用し、消費者の購買履歴を基に、新製品の発売を直接LINEで告知します。この活用例では、適切なターゲティングにより、宣伝の効果を最大化できます。
商品やサービスの購入後のフィードバックやサポートも重要なポイントです。Marketing Cloud EngagementとLINEの連携により、商品の使用感についての問い合わせや、購入物の評価を求めるなどの自動化も可能です。
重要なイベント(例えば誕生日など)に基づいて、特別な割引や販売促進活動が可能です。これにより、消費者はより商品やブランドに親しみを抱き、再度購入したいと意欲がまします。
Salesforce Data Cloudトライアルパッケージガイドブック 1ヶ月でわかる!データクラウドの可能性
Marketing Cloud EngagementとLINEの連携を最大限に引き出すためには3つの注意点があります。
パーミッション設定は、Marketing Cloud EngagementとLINEが適切に連携し、正しくデータをやりとりするための設定となります。 最初に確認するべきは、LINEのアカウント設定です。適切な連携のためには、「Line Developers」に登録し、開発者としてのパーミッションを取得する必要があります。
参考➀:Line Developersの操作画面
さらに、「Messaging API設定」で「アクセストークンの発行」を行い、「LINE Login設定」で「チャネルID」と「チャネルシークレット」を取得する必要があります。
参考➁:Line Developersの操作画面
次に、Marketing Cloud Engagementのパーミッション設定を見直します。具体的には、「接続」メニューから「新規APIインテグレーション」を作成し、適切なパーミッションを設定します。
参考➀:Marketing Cloud Engagementの操作画面
参考➁:Marketing Cloud Engagementの操作画面
Marketing Cloud EngagementとLINEのパーミッション設定後、LINE側で友達登録が行われると、Marketing Cloud Engagementに匿名のコンタクトデータが作成されてしまいます。この時コンタクトキーはランダムな値となります。Contact Import for LINE機能でMarketing Cloud Engagementに存在するコンタクトキーとUIDの紐づけが必要です。この時に、旧コンタクトキーは不要なデータになるので、Mobile Line Orphan Contact Viewを確認して、定期的なコンタクト削除が必要です。また、LINEにて友達追加後ブロックされたコンタクトのUIDとChannel IDは空になります。運用にてLINE関連のコンタクト削除ルールを決めることを推奨します。LINE友達追加、解除は数分でMarketing Cloud Engagementに反映されます。
Marketing Cloud EngagementとLINEの連携によりデータを基に適切なメッセージを送ることが可能となります。しかし、これらのメッセージは消費者にとって過剰と感じる事もあります。したがって、消費者の反応を見極めながら適度な頻度と内容の発信を心掛ける必要があります。
これらの注意点を把握することで、Marketing Cloud EngagementとLINEの連携は効果的なマーケティングツールになります。
「どうする?Marketing Cloud EngagementとLINE連携」と題しまして、ご説明してまいりました。 Marketing Cloud EngagementとLINEの連携の効果をフルに発揮するためには、様々な考慮が必須となります。これらを踏まえた上で、Marketing Cloud EngagementとLINEの連携することにより、有効なデジタルマーケティング施策を実施することができます。 当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
2024年11月05日
コンタクトセンターのノンボイス化のメリット/デメリット、ノンボイス化のポイントを解説(Vol.87)
2024年10月21日
Marketing Cloudの連絡禁止リスト・初心者向け解説(Vol.86)
2024年10月15日
データドリブン企業になるための第一歩:Salesforce Data Cloud トライアルパッケージ(POC)のポイント(Vol.85)
2024年09月30日
顧客情報の部門横断活用 BtoB製造業での3つのポイント(Vol.84)
2024年09月24日
PIM-PLM-CRMのデータ連携 製造業DX 3つの要素で顧客満足を勝ち取ろう(Vol.83)
2024年09月17日
顧客ロイヤルティ向上に効く!MA活用の実践テクニック(Vol.82)
全社的なDX推進や顧客接点の最適化、エンゲージメントの強化などお困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。