製造業の現場サポートであるフィールドサービス業務において、課題解決に頭を悩ますシステム部門の方も多いのではないでしょうか。フィールドサービスは顧客との接点であるため、サービス品質を上げることで顧客満足度を高めることができます。
本記事では、フィールドサービスの現場サポート業務効率化を検討する企業担当者の方に向けて、クラウド化の重要性や自社にとって最適なシステムを選ぶポイントなどについて解説します。
目次
顧客の現場に直接出向き、アフターサービスから関連する営業活動までを行うフィールドサービス。それを担うフィールドエンジニアのさまざまな業務にITを活用する現場サポートシステムは、「フィールドサービス管理システム」と呼ばれています。
フィールドサービス管理システムは、フィールドエンジニアの業務とバックオフィス業務を合わせて効率化する仕組みです。具体的には、スケジュール管理や顧客対応のほか、在庫管理、報告書作成などをクラウドの活用で一元化・自動化します。
顧客ごとのアフターサービス情報の一元化に特化したタイプや、フィールドエンジニアの活動支援機能に特化したタイプなど、その機能はシステムによって異なります。特に、求める機能を組み合わせて導入されるカスタマイズ性の高い製品では、多角的な業務効率化の実現が可能です。フィールドサービス管理システムは、医療機器、産業機械、OA・PC周辺機器、建設現場の設備工事などの分野で活用されています。
フィールドサービス管理システムは、フィールドサービス領域の課題解決を目的として導入されるシステムです。フィールドサービス担当者の業務においてよくある課題には、以下のようなものがあります。
実際の現場でこのような課題が解決されることによって業務効率化が進み、生産性も向上します。また、アフターサービス情報の一元化実現によって、 サービスの質の向上やコストの削減も可能です。
課題の解決は顧客満足度に直結し、顧客エンゲージメントを向上させることにつながっていきます。顧客接点であるフィールドサービスの改善から会社全体の収益向上を目指すという目的も持ち合わせているのが、ここで解説するフィールドサービス管理システムです。
フィールドサービス管理システムにはどのような機能があるのか、大きく6つに分けてご紹介します。
フィールドエンジニアのスケジュール管理や進捗管理のほか、技術者スキル管理や時期的な人員需要予測までを行います。また、AIによるスケジュール自動化が可能な場合は、スタッフのスキルや地理的条件を考慮した訪問計画をAIが自動生成します。
人員調整からスケジュール確定までの時間短縮は、顧客の離脱防止に効果的です。顧客の信頼を得ることによる受注率向上だけでなく、1日あたり受注件数やエンジニア1人あたりの処理件数などの増加も期待できます。
フィールドサービス業務に関わるさまざまな情報を一元管理して、蓄積されたナレッジの分析まで可能にする機能です。AIによる機器サービス予測ができると、顧客に対する予防保全の提案を効率的に行うことが可能になります。以前から続いていた事後対応型のサービスを事前予測型に変えることができ、1回の訪問に複数の作業をまとめることが可能です。
紙に印刷していた書類を、ペーパーレス化できます。タブレットやスマホなどのモバイル活用で、現場での音声入力や写真・動画を撮影することによって、リアルタイムで報告書の作成から提出までが可能になる機能です。エンジニアが書類作成・提出をするためにオフィスに戻るという動きが不要になります。
修理用部品の発注管理をする機能です。作業報告と連動したパーツ一覧からの手配や、現場到着時の部品不足を避けるための事前出荷処理ができます。原価計算との連携や、協力業者発注の仕入れから支払いまでの管理、関連する電子帳票の作成なども可能です。
製品の販売にともなう見積、受注、請求、回収まで管理します。営業活動における各種帳票の発行や承認はもちろんのこと、前述の部品在庫管理や協力業者発注などの調達管理までも含めた全体の入出金管理が可能です。
顧客からカスタマーセンターに届く問い合わせや修理依頼連絡などの情報のインシデント管理と、一元化された案件情報や顧客情報とを連携します。顧客対応状況の見える化で、フィールドエンジニアの初回訪問解決率を向上させることが可能です。このようなカスタマーサービスの最適化は、顧客満足度や顧客エンゲージメントの向上に直結する重要なポイントとなります。
フィールドエンジニアの現場サポートから、さらに企業の収益向上につながっていくシステム導入のメリットについて、大きく3つに分けて解説します。
一元化されたさまざまな情報を、現場のモバイル端末を使ってリアルタイムで関連部署の担当者に簡単に共有することができ、一連の業務プロセスの効率化を図れます。従来の業務の流れで生じていたタイムロスがなくなることで、顧客ニーズへの対応スピードを上げることが可能です。
フィールドエンジニアのスケジュール調整が効率化できれば、案件の内容に応じて最適なスタッフを、適切な場所・時間に派遣できるため、リソースの有効活用が可能です。リアルタイムでスタッフの位置情報を地図表示から把握できることで、無駄な待機時間がなくなります。顧客満足度の向上へと直結するサービス品質で信頼を獲得できれば、顧客エンゲージメントの向上も期待できます。
昨今のデジタル技術の進化は、フィールドエンジニアの現場サポートにも直接的なメリットをもたらしています。5G通信の普及で、モバイルアプリによる情報共有だけでなく技術的なリモート支援がますますスムーズになります。また、現場の設備のモニタリングにIoTの活用が進むと、機器に起こり得る故障の予防保全や、データ分析による最適な対策立案を可能にします。
AR(拡張現実)技術が活用されるケースでは、フィールドエンジニアがARスマートグラスを使用して、現場で発生しているトラブルをリアルタイムで関係部署と情報共有できます。これは実際の作業のスピードアップや、的確な判断と所要時間の短縮など、一連の業務効率化に効果的です。
さらに、点検用のドローンや、危険がともなう作業をするロボットなど、フィールドサービスの現場サポートに活用されるデジタル技術は、現場での問題を解決しながら新しいプラス効果を生み出す推進力となっていくことが期待できます。
フィールドエンジニアの現場サポート業務の効率化を目指し、フィールドサービス管理システムの導入を検討する際に押さえておきたいポイントを3つお伝えします。
フィールドサービス管理システムというカテゴリに分類される製品は、アフターサービスのための情報一元化に特化したタイプや、フィールドエンジニアの現場業務サポートに特化したタイプなど、備えている機能が製品ごとに異なります。そのため、自社が抱えている課題を洗い出し、解決の優先順位を考慮して必要な機能を備えた製品を選ぶことが必要です。
フィールドサービス管理システムの導入を検討中の企業では、すでに顧客情報が登録しているCRMや、製品のライフサイクルを管理するPLMなどが稼働していたり、ERPやMESによる進捗管理や業務効率化を進めていたりするケースも多いでしょう。そのような状況では、既存システムとの連携性は不可欠です。
安価なシステムの場合、API統合プラットフォームによる連携構築への対応が難しいケースもあり、カスタマイズ性についてはシステム拡張の可能性も含めて評価することが重要です。
導入初期のサポートはもちろん重要ですが、研修プログラムやオンライン説明会による操作研修や、ヘルプデスクなどによるユーザーサポートが手厚いかどうかということは、ベンダー選びの際に大切なポイントです。社内のIT担当者のリソースを圧迫しないように、システム導入の効果を最大化するためのきめ細かなアフターフォローを期待できるベンダーを選びましょう。
製造業において、納品後のフィールドサービスによる現場サポートの効率化・最適化は、顧客満足度を向上させ、顧客エンゲージメントを高めるために重要なポイントです。顧客との長期的な関係を築くことが、企業の収益向上、経営安定・拡大にもつながっていきます。
現場に残る従来のアナログ手法や、現在利用中のシステムを見直す良い機会として、自社に最適なクラウド型フィールドサービスソリューションを検討してみてはいかがでしょうか。ぜひ、株式会社電通総研のソリューションをご検討ください。
当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
※本記事の内容に関しましては2026年04月09日の情報を基に作成しています。 詳しい内容につきましては各製品・サービス・ソリューションサイトにお問合せください。
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