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VOCとは?顧客ニーズをとらえビジネスを成長させるための鍵(Vol.77)

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ビジネスにおいて成果を出すうえで、顧客満足度を上げることは重要なことです。しかし、「商品やサービスを改善しても思うように顧客満足度が上がらない」、「顧客満足度向上のために何か施策を考えろ、と上司から言われているが何をしていいかわからない」といった悩みを持つ企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。これらの悩みの原因は様々でしょうが、顧客のニーズを正確に把握できていないことが原因である可能性は十分に考えられます。そんな中是非覚えていただきたいキーワードが「VOC(Voice of Customer)」という言葉です。VOCは顧客ニーズをより正確に把握するうえで重要な指標となるため、成功を収めている企業の多くがVOCの活用を行っています。
本記事では、VOCについてよく知らない初学者のために、VOCの基本から始まり、その重要性、具体的な収集方法、注意点まで分かりやすく解説します。VOCを上手く事業に活かすことで、あなたのビジネスは新たなステージへと進むことでしょう。

VOCとは?VOCの概念とその重要性

「VOC(Voice of Customer)」とは、文字通り「顧客の声」を指します。VOCには、顧客からの感想、要望、不満といった多くの情報が含まれます。

VOCは、ビジネスにおける顧客満足度の向上とビジネス自体の成長に直接影響を与える極めて重要な要素です。それはなぜでしょうか?それは、VOCがいわば顧客の声そのものであるためです。その企業が提供する製品やサービスが顧客の求めるものとマッチしているか、あるいはそのニーズにどの程度応えているかを評価する貴重な指標となり得るのです。

VOCは、顧客が企業に対して求めるものを明確にする「鏡」の役割を果たします。良い製品やサービスを提供することはもちろん重要ですが、それが顧客の求めるものと合致していなければ、その価値は半減してしまいます。

VOCを適切に利用することで、企業は顧客の期待や要求を正確に把握し、それらを製品開発やサービス改善に反映することが可能となります。これにより、顧客満足度は大きく向上します。

VOCの利点はそれだけではありません。VOCをビジネスの成長戦略に活用することで、企業は長期的な視点での競争優位性を確立できます。製品やサービスが顧客ニーズに合致している限り、顧客はその企業を継続的に利用しますし、新たな顧客を引きつける可能性も高まります。さらに、企業はVOCを基に新たな製品やサービスを開発することで、市場に先駆けることも可能となり、これが企業の成長を促進します。

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VOCの収集方法

VOCの意味と重要性が分かったところで、では実際にどのようにそれを収集するのでしょうか。具体的な収集方法について、代表的なものをいくつかご紹介します。VOCの収集手法は様々あり、対象となる顧客属性や調査の目的によってそれぞれ使い分けることが重要になってきます。

VOCの収集手法の古典的な手法としてはアンケートが挙げられます。顧客に直接問い合わせし、その回答を得ることで、その時点での顧客の本音を比較的ストレートに掴むことができます。アンケートは紙上で行うことも、Web上で行うことも可能であり、VOCを収集するうえで最も簡単な方法の一つと言えるでしょう。

また、インタビュー形式でのフィードバック収集も重要な方法の一つです。これはアンケートとは異なり、より具体的で詳細な顧客の意見や感情を収集することが可能です。インタビューは時間とコストがかかる一面もありますが、その分、深い洞察を得ることができます。

セミナーや展示会などの場でも、顧客からの直接的なフィードバックを得ることが可能です。また、そういった場や環境を意図的に作り出し、顧客参加型のイベントを行うことも有効な手法となります。

さらに、デジタル時代の現在では、SNSやレビューサイトからの情報収集も欠かせません。これらのプラットフォームでは、顧客が自由に意見を述べることが可能となっており、そこからVOCを収集することができます。特にSNSは、企業が直接コントロールを持つわけではないため、生の意見を得るための重要な場となっています。

VOC活用の注意点

VOCはビジネスの成長において非常に重要な要素ですが、その一方で適切な取り扱いがなされないと、誤った判断を引き起こすなどの原因にもなり得ます。以下に、VOCを活用する際の注意点をいくつかご紹介しますので、活用の際の参考にしてください。

①偏りのないサンプルを収集する

VOCの収集において、顧客全体を代表する声を得るためには、偏りのないサンプルを収集することが重要です。特定のグループの顧客からの意見ばかりを集めていては、そのビジネス全体の顧客ニーズや関心を正確に把握することができません。

例えば分かりやすいのは、SNSによるVOCの収集です。SNSのユーザには若年層が多く、サンプルが若年層に偏ってしまうことは容易に想像つきますよね。顧客が若年層に多い場合は問題ないかもしれませんが、そうではない場合は、併せて他の収集方法も検討する等の考慮が必要でしょう。

②量ではなく質に重きを置く

集めた意見の量だけに固執するよりも、それぞれのフィードバックがビジネスにどのような影響を与えるかを深く理解することが重要です。量よりも質を重視し、具体的な改善アイデアや具体的な戦略を生み出すための情報を見つけるべきです。

③ 顧客のニーズに応じてアクションを取る

VOCをただ収集するだけではなく、それらの意見をもとに具体的な行動を起こすことが重要です。VOCを集めた後は、集めた結果から顧客からのフィードバックに対応した製品改善や顧客サービスの強化などを忘れずに行いましょう。
「VOCを収集したはいいけど全然活用できていない・・」という企業は意外と多い印象です。VOCを集めるだけ集めても、肝心のアクションを起こさなければ、VOC収集にかけた時間とお金がもったいないですよね。

④ 定期的なモニタリング

VOCの収集は一回きりの活動ではありません。市場は常に変化しており、顧客のニーズや期待も時と共に進化します。新たな製品やサービスが登場したり、社会的なトレンドが変化したりすることで、顧客の意見や感情、ニーズにも変化が生じます。だからこそ、VOCの定期的なモニタリングが非常に重要となるのです。

アンケート収集の場合、例えば一定の周期でVOCを収集するスケジュールを設けると良いでしょう。あるいはSNS収集であれば、モニタリングツールやカスタマーサポートのデータ分析、オンラインレビューサイトの追跡などを用いて、リアルタイムで顧客の声を追い続けるのも重要です。これにより、顧客の感情や意見の変化、新たなニーズや問題が即座に把握できます。収集した情報を活用しやすいよう、一覧でそれらの内容が確認できるような環境を用意することも欠かせません。

まとめ

本記事では、VOCについて、その意義、収集方法、そして適切な利用法について詳しく解説してまいりました。顧客満足度を向上させ、ビジネスを飛躍的に成長させるためには、積極的にVOCを活用し、これをビジネス戦略の中心に据えていくことが不可欠です。

VOCは顧客のニーズを正確に把握する「鏡」であり、また長期的な競争優位性を確立するための「鍵」ともなります。 しかし、VOC収集の際は、様々な手法を取り入れつつ、偏りのないサンプルを確保しつつ質に重きを置くこと、そして顧客からのフィードバックに対する具体的な行動を忘れず、定期的なモニタリングを実施するなどの注意が必要です。

今回の記事が、VOCを最大限に活用し、そしてその結果としてビジネスに新たな成長機会を生み出す一助となれば幸いです。ビジネス成長のために、VOCの収集と活用を積極的に考えてみてはいかがでしょうか。

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