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コンタクトセンターIVRを再整理、要員の負荷軽減と顧客満足度の向上を解説 (Vol.22)

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企業のコンタクトセンター運営に使われるIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)は何ができるかご存じでしょうか?IVRはお客様からの入電があると、業務カレンダーと事前に設定されたサービス時間設定から時間外ガイダンスのアナウンスができます。またお客様のボタンのプッシュ操作により目的となるスキルを持った適切なオペレーターへの振り分けや、無人音声応答による受付を365日、営業時間に関係なく自動で行うことが可能です。

しかしながら、業務効率やオペレーターのサポートと負荷軽減を目的としたIVRであっても音声メニューの構成には注意が必要です。長いアナウンスを最後まで聞き続けなければならないといったストレスや、IVR音声メニューで何を選択すべきか判断できないといったお客様は『その他のお問合せ』を選択することが多くなります。着信したオペレーターのスキルアンマッチにより、対応時間を必要以上に要するなど業務負荷も高く、生産性も向上しません。

また、特定のメニューへ呼が集中すれば、お客様はオペレーターへ繋がるまで待たされることも多くなります。よってお客様は離脱し(放棄呼となり)、せっかくのコンタクト機会を失っていることも少なくありません。受付の自動化による業務効率化、オペレーターの負担の軽減を目的にしたIVRが顧客満足度を下げてしまっては元も子もありません。そこで、IVRでできることを整理して紹介し、新しいIVRから見えてきた重要なポイントを解説します。

IVR(自動音声応答)でできることの再整理 ビジュアルIVRとは?

IVRは音声による窓口での応答だけでなく、電話以外のデバイス、チャネルへの連携も可能です。
テレフォニーシステムの最新の機能に関して整理してみましょう。オペレーターの数を簡単に増やすことは難しいですが、仕組みを活用することで応答率を上げられる可能性があります。

1. ビジュアルIVR

ビジュアルIVRでは、スマートフォンとの連携によりお客様をWEBへ誘導し、お客様は視覚的な操作することができる仕組みです。よってお客様自身での課題の解決をサポートします。お客様の発信者番号が携帯電話番号であれば、WEBサイトのURLをお客様の端末へSMS送信します。お客様は自身で目的のメニュー操作やFAQにより課題を解決します。ビジュアルIVRはオペレーターとの会話でのみ解決する課題でない限り、オペレーターの負荷、回線使用率を軽減し、繋がるコールセンターに寄与できるものと考えます。
更にWEBサイトへ誘導することによりお客様自身は新たな課題への気づき、サービスの発見など新しい体験をスタートできます。
FAQでも解決できないような場合は WEB問合せやチャットなど電話以外のチャネルを体験することも可能です。

2.ボイスメール

ボイスメールとは、音声による電子メールです。すなわち留守番電話機能で、電話が込みあってオペレーターに繋がらない場合など、お客様の問合せ内容などを録音する機能となります。オペレーターは順次受け付けたボイスメールを確認し、事前に回答を準備、お客様が指定する時間帯に折り返し、アウトバウンドコールをかけることでお客様の課題解決に寄与できます。ボイスメールを音声認識によりテキスト化し、コンタクト履歴やケースへ自動登録することによりオペレーターのACW(事後処理)作業の軽減が可能になります。また経験の少ないオペレーターであっても事前に回答を準備できることはメリットといえます。

3.ボイスボット

ボイスボットとは、音声認識AIによるボットとの会話機能です。
お客様の発話内容を音声認識AIが判断し、学習した内容やFAQなどから回答例を識別し、音声合成(テキストtoスピーチ)により回答します。お客様の待ち時間の解消が可能です。
バーチャルエージェントが対応することから24時間応対が可能なだけでなく、お客様を待たせず、対応ができます。また、バーチャルエージェントが対応できない内容などはオペレーターへ連携することにより、コールセンター全体の生産性向上につながります。

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IVR音声メニューの構成見直し

現状のメニューの構成は如何でしょうか?構築時の提供サービスやお客様の問合せの動向に変化はないでしょうか?お客様にとって便利で使い勝手が良いIVRのポイントは以下の2つの点といわれています。

1.メニューの階層は浅い方が良い

例えば、お客様の質問を的確なオペレーターへ振り分けるために音声メニューの階層を深くしていると複雑なメニュー構成となります。お客様は目的に合ったメニューをなかなか選択することができない場合が発生してしまうので、改善をしましょう。
多くのサービスを音声メニューによりお客様が選択するばかりでなく、サービスによって電話番号を変えることも場合によっては効果が期待できます。
特に、最後までガイダンスを聞かなければメニューの選択すらできないものはストレスを感じます。ガイダンスごとに先行入力を許可することも有効でおすすめです。

2.ガイダンスは端的に

例えば、メニューの案内の際、複数の条件を含めるとわかりにくくなり混乱を招きます。ガイダンスは端的にできるだけ短く表現するように工夫することが必要です。
ガイダンスが長くなり、音声メニュー等での選択肢が多くなると、よりストレスを感じるお客様も増えてしまい問題です。オペレーターへ繋がるまでの全体の時間を最適化することも併せて検討ください。

メニュー構成も一般的に問合せの多い順、業務プロセス順などといわれています。メニュー構成を変更することによりガイダンスの変更が伴います。事前に録音されたガイダンスを利用している場合はコストの面からも容易に変更できない場合も想定されます。ガイダンスを作成するときにテキストtoスピーチなどの技術を用いて実現しておくことで運用の中で自社で容易に変更でき、コストを抑えられます。但し、事前にイントネーションや抑揚のチューニングを行う必要もありますので事前の確認は忘れずに実施しましょう。

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まとめ

IVRは電話応対業務の効率化のためのシステムです。コールセンターでは長く使われてきた仕組みですが、新しい技術で進化をしています。電話チャネルはお客様の課題が解決するまで担当したオペレーターが1対1で応対しなければならず、人に依存している限りは他のチャネルに比べて生産性は期待できません。

しかし、各社のコールセンターでは人手不足を背景にオペレーターの採用が困難な状況であります。新しいサービスも追加されていく中でオペレーター教育も継続して実施していかなくてはなりません。新しい技術やシステムにより、オペレーターの業務効率の向上とコールセンター運営の生産性向上を目指してみましょう。また、お客様へ新たな体験を提供できるよう本記事でご紹介したIVRの見直しを行いましょう。

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