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製造業DX 生産現場・製品企画部・品質保証部の橋渡しが鍵を握る(Vol.79)

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製造業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の波に乗り、効率化、品質向上、顧客満足度の向上を目指しています。その中で、PLM(Product Lifecycle Management)とCRM(Customer Relationship Management)の連携は、競争力を高めるために不可欠です。

我々は日々、製造現場で様々なプロセスが進行していることを知っています。機械の音、作業員の忙しさ、原材料の流れ、製品の組み立て…これらは製造業の日常です。しかし、その裏側には複雑な調整、計画、データのやり取りが行われています。PLMは製品ライフサイクル全体を管理し、設計から製造、保守までのプロセスを統合します。一方、CRMは顧客との関係を強化し、ニーズを把握し、サービスを提供します。両者を連携させることで、製造業は次のステップに進むことができます。

本記事では、CRMとPLMの連携による具体的なユースケースや生産現場・製品企画部・品質保証部の連携を探求し、製造業DXの成功に向けた戦略を考察します。さあ、連携の可能性を探っていきましょう!製造現場の舞台裏に迫ります。

生産管理現場と営業現場の橋渡し

課題

生産管理現場と営業現場は異なる視点を持ち、情報共有が不足しています。生産計画や在庫状況、受注状況などの情報が十分に共有されていないため、生産スケジュールの調整や顧客対応に遅れが生じています。

問題

生産現場: 生産計画や在庫状況を把握し、効率的に生産を進めたい。
営業現場: 顧客の要望や受注状況を正確に把握し、顧客対応をスムーズに行いたい。

解決策

CRMとPLMを連携させることで、生産管理現場と営業現場の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。

①生産計画と受注情報の連携

  • 生産計画はPLMで管理され、営業現場はCRMで受注情報を入力します。
  • CRMとPLMを連携させることで、生産計画と受注情報をリアルタイムで共有できます。
  • 例えば生産計画に基づいて受注を優先的に処理するための情報を提供できると生産現場としては生産計画見直しのタイミングを最適化できます。
    同時に営業現場は売れ筋機種が把握し、納期を加味した商談の進行を行い顧客からの信頼を獲得できます。

②在庫状況の共有

  • 生産現場の在庫状況はPLMで管理され、営業現場はCRMで顧客に在庫の有無を伝えます。
  • 在庫不足や過剰在庫を防ぐために、在庫情報を共有します。
  • 例えば営業現場が顧客に「在庫あり」または「在庫切れ」を正確に伝えるための情報を提供します。

このような連携により、生産管理現場と営業現場はスムーズにコミュニケーションを取り、顧客対応を向上させることができます。

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課題

サービス現場と開発現場は異なるタイミングで情報を必要としています。サービス現場は顧客からのトラブルや保守要件を迅速に対応する必要があり、開発現場は新製品の情報や改善案を共有したいと考えています。

問題

サービス現場: 顧客からのトラブルや保守要件を適切に処理するために、開発現場の情報が必要。
開発現場: 新製品の情報や改善案をサービス現場に共有し、顧客対応を向上させたい。

解決策

CRMとPLMを連携させることで、サービス現場と開発現場の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。

①サービスリクエストとトラブル情報の連携

  • サービス現場はCRMで顧客からのトラブル情報を受け取ります。
  • 開発現場はPLMで新製品の情報や改善案を管理しています。
  • CRMとPLMを連携させることで、サービスリクエストに対する適切な修正や改善案を開発現場が提供できます。

②新製品情報の共有

  • 開発現場が新製品の設計や仕様をPLMで管理し、サービス現場に共有します。
  • サービス現場は顧客に正確な情報を提供するために、新製品の仕様や機能を把握します。

このような連携により、サービス現場と開発現場はスムーズにコミュニケーションを取り、顧客対応を向上させることができます。

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製品企画部と品質保証部の橋渡し

課題

製品企画部と品質保証部は異なる目的を持ち、コミュニケーションが不足しています。製品の仕様や品質基準を一貫して管理し、品質向上を図るためには連携が必要です。

問題

製品企画部: 新製品の仕様や設計を管理し、市場ニーズに合った製品を開発したい。
品質保証部: 製品の品質基準を把握し、品質向上のための改善案を提案したい。

解決策

CRMとPLMを連携させることで、製品企画部と品質保証部の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。

製品仕様と品質基準の共有

  • 製品企画部が新製品の仕様や設計をPLMで管理し、品質保証部に共有します。
  • 品質保証部は顧客やサービス現場から日々報告される情報から品質基準を把握し、製品企画側に改善案を提案します。
    例: 品質保証部が製品の不具合を特定し、製品企画部に改善案を提供。

①最終的な仕様・規格の情報
製品の設計仕様や機能要件に関する品質情報。例: 材料の種類、サイズ、形状、機能、性能など。

②製造工程の構築・確認
製造工程の手順やプロセスに関する品質情報。例: 材料の加工、組み立て、検査、梱包など。

③製品の品質チェック
製品の検査やテストに関する品質情報。例: 寸法測定、材料強度試験、機能テストなど。

④トラブル対応・顧客へのヒアリング
製品の不具合やクレームに関する品質情報や機能改善依頼。

⑤品質データの追跡とフィードバック
品質保証部はPLMやCRMを活用し製品の品質データを追跡し、製品企画部にフィードバックを提供します。
製品企画部は品質向上のための改善案や設計変更依頼の起票を検討し、品質保証部に共有します。

メリット
一貫した製品仕様と品質基準により、製品の品質向上が実現されます。
コミュニケーションの改善により、製品開発プロセス全体での一体感が生まれ、効率が向上します。
このような連携により、製品の品質向上と一貫性を実現できます。

電通総研ではCRMやPLMの導入にすでに取り組んでおられる企業様に向け、さらなる効果を求めたステップアップの取り組みに対する支援実績が豊富にございます。
また、多くのお客様にCRM-PLMの導入実績があり、連携やデータ循環に関するノウハウ、業務効率に繋がるベストプラクティスがご提供できます。

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まとめ

これまで、PLMとCRM連携の重要性について具体例を挙げながら解説してきました。
企業における顧客接点改革のポイント(価値)が、皆さんのこれからの取り組みに役立ちますでしょうか。企業が目指す顧客との接点のあり方は、今後もさらに多様化してくるでしょう。

従来の「情報」の活用方法から、近未来の「理想となる情報循環」を創造し、新たな価値を提供するためのデジタルトランスフォーメーションを検討されてはいかがでしょうか。

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