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フィールドサービスCRM導入がもたらす顧客接点改革とその効果とは?(Vol.53)

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顧客要求の多様化・複雑化する市場において、製造業では更なる事業成長や競合他社との差別化施策として「顧客接点改革」を打ち出す企業が増えてきています。それはなぜでしょうか?
また、顧客接点改革によってどんな効果が期待できるのでしょう?そこでフィールドサービスCRMと顧客接点改革の関係性について解説いたします。

顧客接点(タッチポイント)とは?

顧客接点とは企業や店舗が顧客と接する一連の機会のことで、マーケティング用語でタッチポイントとも呼ばれます。BtoCビジネスでは店舗での商品販売であり、BtoBなら営業やフィールドサービス等でしょう。

しかし、顧客接点はそれだけではありません。例えば顧客になりうるユーザーが街で目にする広告や、自社サイトへのアクセスがあればそれも顧客接点です。その他、テレビCM、DM、代理店、展示会、コールセンターの応対、メルマガ、SNSでの情報発信によるユーザーとのコミュニケーション等、顧客と企業が接する機会は顧客接点となります。

今回はフィールドサービス領域における顧客接点課題や問題点について説明していきたいと思います。

フィールドサービスにおける現状の課題

フィールドサービスはさまざまな業界で展開されるサービスです。最近のフィールドサービスではトラブル対応や定期メンテナンスを超えて多種多様なサービスを提供しています。

日本の人口減少という大きな問題を背景に、フィールドサービスを展開している企業では人手不足が深刻化しており、早期の生産性向上や業務効率化が求められています。では次に、人手不足以外にもフィールドサービスが抱える現状の課題をご紹介していきます。

1.トラブル対応のスピードが遅くなりがち

顧客からの依頼は、最初にコールセンターや営業部門が窓口として受け、フィールドサービス要員に作業を依頼するという流れが一般的です。しかしコールセンターや営業窓口では、フィールドサービス要員のスキルやスケジュールをリアルタイムに把握できていないことがほとんどです。

その結果、現地に赴く要因を即座にアサインできないことが多く即時対応できないケースが生じます。トラブルの内容によっては時間の経過とともに製品の症状が悪化していくことも考えられ、如何に現場到着の時間を短縮できるかが課題として掲げられます。

2. 問題が初回訪問後しか把握できず、再訪問の手間が生じてしまう

顧客からトラブル対応依頼が来た際まずは症状を聞き出し、症状に応じて必要な道具(部品)等を準備し現場に向かうことになります。しかしフィールドサービスでは、現場で症状を確認した結果、想定とは異なる原因で問題発生していたというケースが多く、準備していた道具(部品)では問題を解決できず再度訪問する必要が出てきます。

これは現場で多くの担当者が抱えている課題のひとつではないでしょうか。勿論、担当者によってスキルや経験が異なる為、準備内容は属人的であるといえます。しかし、初回訪問解決率を上げる方が顧客&業者にとっても良いため、この様な非効率な課題は解消したいところです。

3.訪問の際に必要資料や部品などの荷物がかさばる

フィールドサービスが現場に赴く際には、どうしても荷物が多くなってしまう傾向が強いです。たとえば顧客情報に関する資料や設計書、技術書類など紙媒体資料、修理に必要な数多くの部品を持ち運ぶことになります。荷物が多いと作業者の体力的負担になることや、資料を探しにくいことなどの問題が発生します。作業者の負担軽減のためにも極力荷物が少なくなるような工夫をしたいところです。

4.日報の記録が不正確でタイムリーな状況把握ができない

基本的にフィールドサービスの作業内容は日報に書き起こすことになっています。日報はサービス改善に活用できる分析材料としても重要であり正確な記録が必要です。一方で、作業者1日あたりのスケジュールは詰め込まれているため、次の現場へ移動するまでの時間が限られていることが多いです。

そうなると1日の終わりに、まとめてすべての現場での記録を書くことになってしまいます。1度にまとめて日報を書くとなると、作業内容をしっかり覚えていない、または疲労した状態で書いているため煩雑になるなどの懸念があります。よって、すべての作業者が日報を正確に書く事ができる体制を整える必要があるといえるでしょう。

このような諸課題を解決するためにはフィールドサービス業務のDX化が必要だといえます。

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フィールドサービス業務のDX化と顧客満足度向上とは?

デジタル技術を活用することで企業の生産性向上や業務効率化につなげる事です。フィールドサービス領域での具体的なDX化の施策として、タブレットをはじめとするIT機器の導入やCRM(顧客管理システム)の導入等が挙げられます。

タブレットの導入により、これまで持ち運んでいた紙媒体の資料が必要なくなりタブレット1つでマニュアルや顧客情報を確認できるようになります。

フィールドサービス要員や顧客のリアルタイム情報が一元的に管理され、いつでもどこでも入手できるようになるシステムがCRMです。CRMシステムにより部門間の連携が上手くいくようになり、作業員の早期アサインを実現、トラブルへの即時対応が可能となり顧客満足度向上が期待できます。

上記の様な課題を解決していく事で生産性向上や業務効率化が見込め、人員不足という課題に対し向き合えるようになるでしょう。

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フィールドサービスCRM導入による顧客接点改革

これまでフィールドサービスにおけるDX化による生産性向上や業務効率化といった自社内での効果についてお話させて頂きました。ここでは企業にとって近年求められるサービス業務がどのように変わり、どのように期待されているのかを見ていきましょう。

近年、企業にとってのフィールドサービスは「顧客との接点のある重要な業務」としての意識が高まっています。これまで「製品が壊れたら修理に向かう」受け身であったフィールドサービスが「顧客をつかむための機会」として多くの企業で期待されつつあります。またアフターサービスのみならず、顧客要望を製品企画や開発など関連部門へフィードバックすることも業務の一環として期待する企業も存在しています。

また、フィールサービスが重要視されている背景には、顧客が求める「モノ」に深い関わりがあります。顧客は高い品質を期待するのと同時に、長期的に安心安全に使えるモノを求めています。費用対効果を考えても、壊れてもすぐ修理に駆けつけてくれる、あるいは定期メンテナンスをしてくれるフィールドサービスは、顧客にとってなくてはならないサービスと言えるでしょう。

このような進化したフィールドサービスによる顧客接点改革の実現には、迅速な対応のみならず、より高品質な業務サービスが求められます。顧客接点改革の実現のために企業は自社に見合う環境やシステムを取り入れていかなければなりません。それらをどう実行実施していくかが、これからの重要な課題になるといえるでしょう。

まとめ

これまで「フィールドサービスCRM導入がもたらす顧客接点改革とその効果とは?」と題しまして、ご説明してまいりました。近年、多くの製造業では更なる事業成長・競合差別化へ「顧客接点改革」に向けた施策のひとつとして「進化したフィールドサービス」を掲げられております。単なるサポート業務ではなく、ビジネスをドライブする要素としてのフィールドサービスを考えてみましょう。

本施策の実現へ向けて、自社の目的に見合うCRMシステムの導入による生産性向上&業務効率化と合わせて、更なる顧客満足度向上を目指してみませんか?

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