製造業はデジタルトランスフォーメーション(DX)の波に乗り、効率化、品質向上、顧客満足度の向上を目指しています。その中で、PLM(Product Lifecycle Management)とCRM(Customer Relationship Management)の連携は、競争力を高めるために不可欠です。
我々は日々、製造現場で様々なプロセスが進行していることを知っています。機械の音、作業員の忙しさ、原材料の流れ、製品の組み立て…これらは製造業の日常です。しかし、その裏側には複雑な調整、計画、データのやり取りが行われています。PLMは製品ライフサイクル全体を管理し、設計から製造、保守までのプロセスを統合します。一方、CRMは顧客との関係を強化し、ニーズを把握し、サービスを提供します。両者を連携させることで、製造業は次のステップに進むことができます。
本記事では、CRMとPLMの連携による具体的なユースケースや生産現場・製品企画部・品質保証部の連携を探求し、製造業DXの成功に向けた戦略を考察します。さあ、連携の可能性を探っていきましょう!製造現場の舞台裏に迫ります。
目次
生産管理現場と営業現場は異なる視点を持ち、情報共有が不足しています。生産計画や在庫状況、受注状況などの情報が十分に共有されていないため、生産スケジュールの調整や顧客対応に遅れが生じています。
生産現場: 生産計画や在庫状況を把握し、効率的に生産を進めたい。 営業現場: 顧客の要望や受注状況を正確に把握し、顧客対応をスムーズに行いたい。
CRMとPLMを連携させることで、生産管理現場と営業現場の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。
このような連携により、生産管理現場と営業現場はスムーズにコミュニケーションを取り、顧客対応を向上させることができます。
フィールドサービスソリューション IoTガイドブック ~IoTを活用してフィールドサービス業務の効率化を実現~
サービス現場と開発現場は異なるタイミングで情報を必要としています。サービス現場は顧客からのトラブルや保守要件を迅速に対応する必要があり、開発現場は新製品の情報や改善案を共有したいと考えています。
サービス現場: 顧客からのトラブルや保守要件を適切に処理するために、開発現場の情報が必要。 開発現場: 新製品の情報や改善案をサービス現場に共有し、顧客対応を向上させたい。
CRMとPLMを連携させることで、サービス現場と開発現場の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。
このような連携により、サービス現場と開発現場はスムーズにコミュニケーションを取り、顧客対応を向上させることができます。
フィールドサービスソリューション ARガイドブック ~ARを活用してフィールドサービス業務の効率化を実現~
製品企画部と品質保証部は異なる目的を持ち、コミュニケーションが不足しています。製品の仕様や品質基準を一貫して管理し、品質向上を図るためには連携が必要です。
製品企画部: 新製品の仕様や設計を管理し、市場ニーズに合った製品を開発したい。 品質保証部: 製品の品質基準を把握し、品質向上のための改善案を提案したい。
CRMとPLMを連携させることで、製品企画部と品質保証部の情報共有を強化します。具体的なデータとして、以下のような連携が行われます。
①最終的な仕様・規格の情報 製品の設計仕様や機能要件に関する品質情報。例: 材料の種類、サイズ、形状、機能、性能など。
②製造工程の構築・確認 製造工程の手順やプロセスに関する品質情報。例: 材料の加工、組み立て、検査、梱包など。
③製品の品質チェック 製品の検査やテストに関する品質情報。例: 寸法測定、材料強度試験、機能テストなど。
④トラブル対応・顧客へのヒアリング 製品の不具合やクレームに関する品質情報や機能改善依頼。
⑤品質データの追跡とフィードバック 品質保証部はPLMやCRMを活用し製品の品質データを追跡し、製品企画部にフィードバックを提供します。 製品企画部は品質向上のための改善案や設計変更依頼の起票を検討し、品質保証部に共有します。
メリット 一貫した製品仕様と品質基準により、製品の品質向上が実現されます。 コミュニケーションの改善により、製品開発プロセス全体での一体感が生まれ、効率が向上します。 このような連携により、製品の品質向上と一貫性を実現できます。
電通総研ではCRMやPLMの導入にすでに取り組んでおられる企業様に向け、さらなる効果を求めたステップアップの取り組みに対する支援実績が豊富にございます。 また、多くのお客様にCRM-PLMの導入実績があり、連携やデータ循環に関するノウハウ、業務効率に繋がるベストプラクティスがご提供できます。
ダウンロード資料はこちらにあります。
製造業のDXに欠かせないPLMとCRMとのデータ循環のしくみ ~ユースケースを交えこれからの取組みを解
これまで、PLMとCRM連携の重要性について具体例を挙げながら解説してきました。 企業における顧客接点改革のポイント(価値)が、皆さんのこれからの取り組みに役立ちますでしょうか。企業が目指す顧客との接点のあり方は、今後もさらに多様化してくるでしょう。
従来の「情報」の活用方法から、近未来の「理想となる情報循環」を創造し、新たな価値を提供するためのデジタルトランスフォーメーションを検討されてはいかがでしょうか。
当サイトでは、本記事に記載された顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
2024年12月09日
MA導入成功への第一歩:IP Warm-Upの成功の鍵となる方法と注意点(Vol.90)
2024年12月02日
MuleSoft Anypoint PlatformをCDPの連携基盤として活用しよう(Vol.89)
2024年11月18日
どうする?Marketing Cloud EngagementとLINE連携(Vol.88)
2024年11月05日
コンタクトセンターのノンボイス化のメリット/デメリット、ノンボイス化のポイントを解説(Vol.87)
2024年10月21日
Marketing Cloudの連絡禁止リスト・初心者向け解説(Vol.86)
2024年10月15日
データドリブン企業になるための第一歩:Salesforce Data Cloud トライアルパッケージ(POC)のポイント(Vol.85)
全社的なDX推進や顧客接点の最適化、エンゲージメントの強化などお困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。