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20240610CDP対決:Salesforce (DataCloud)とTreasureDataとGoogle Cloud Platformの比較分析(Vol.73)

デジタルマーケティングにおいて、顧客データの統合と分析は非常に重要です。Customer Data Platform(CDP)は、蓄積された顧客に関するさまざまなデータを一元化し、360度の顧客ビューを提供することで、効果的なマーケティング戦略の策定を可能にします。本記事では、CDPの役割と主要なCDPプラットフォームの特徴や違い、機能、適用範囲について詳しく解説します。

なぜCDPが重要か:デジタルマーケティングの観点から

デジタルマーケティングの世界は、膨大なデータとその分析に支えられています。MA(マーケティングオートメーション)を活用する上でも顧客に関するデータが大変重要となります。ここで、Customer Data Platform(CDP)の重要性が浮き彫りになります。CDPは、異なるソースから収集された顧客データを集めて統合し、一元化するシステムです。この統合プロセスにより、企業は顧客に関する360度のビューを得ることができ、より効果的なマーケティング戦略の策定が可能になります。

CDPの核心的な機能は、自社が持っている断片化された顧客データを集め一つのプラットフォームで統合し、意味のある形に整え、分析することです。これにより、企業は顧客の行動パターン、嗜好、購買履歴などを深く理解し、個々の顧客に合わせたパーソナライズされたマーケティングメッセージを設計し提供できます。たとえば、過去の購買データやオンラインでの行動履歴をもとに、顧客に最適な商品やサービスを提案することができるのです。

また、CDPはマーケティングキャンペーンの効果を最大化するためにも不可欠です。顧客データの詳細な分析を通じて、どのようなメッセージがどの顧客セグメントに最も効果的かを特定し、マーケティングキャンペーンを最適化できます。これにより、リソースの無駄遣いを防ぎ、ROI(投資対効果)を高めることが可能になります。

さらに、CDPは顧客エンゲージメントとロイヤルティの向上にも寄与します。顧客一人ひとりに合わせたコミュニケーションは、顧客体験を向上させ、長期的な顧客関係の構築につながります。例えば、顧客の好みや関心に基づいたカスタマイズされたメールマーケティングは、顧客の関心を高め、リピート購入やブランドへの熱心な支持を促進します。

CDPは、データ主導型のマーケティング戦略を実行する上で不可欠なツールです。顧客データを効果的に活用し、顧客体験を向上させることで、企業は競争優位を確立し、ビジネス成長を加速させることができます。このように、CDPはデジタルマーケティングにおいて重要な役割を果たし、企業の成功に不可欠な存在となっています。

Salesforce Data Cloudを動かすための設定方法を動画でご紹介
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各CDPのユニークな特徴と機能

それぞれのCDPのユニークな特徴と機能について解説していきたいと思います。

Salesforce CDP(Data Cloud)

Salesforce CDPは、顧客データをすべてのソースから収集し、包括的で統一された顧客プロファイルを作成するパッケージソフトウェアソリューションです。主な機能としては、顧客の詳細な行動パターンの統合、多次元メトリクスの定義と計算、高度なセグメンテーション機能があります。これには地理的、人口統計学的、心理的、行動的な要素が含まれます。Salesforce製品とのシームレスな統合が大きなメリットで、AWSクラウドとの連携、リアルタイムのデータ更新なども特徴です。データモデルに必要なデータをセットした後は、SQLを記述することなく、GUIでテーブル作成ができることも魅力の一つで、IT技術がさほど高くないマーケティング担当者でも扱えるツールになっています。

Treasure Data CDP

Treasure DataのCustomer Data Cloudは、企業内の顧客データを統合し、リアルタイムの行動とAIに基づく予測を利用して顧客像を提供するCDPソリューションです。顧客の購買段階や将来のニーズを理解し、堅牢なデータガバナンスを提供します。これにより、営業やマーケティングチームが顧客との接点を強化し、LTV(生涯顧客価値)を向上させることが可能です。また、Treasure Data CDPはエンタープライズクラスの拡張性を備えており、膨大な量の顧客データを収集、統合、分析する能力を持っています。

Google Cloud Platform CDP

Google Cloud Platform(GCP)は、CDPとして中央集中型の顧客データ管理、統合された顧客プロファイルの作成、リアルタイムデータ処理、AIによる洞察生成などの機能を提供します。また、ビッグデータを利用して消費者の行動を予測し、パーソナライズされたエクスペリエンスを提供するためのAI/ML機能を持っています。その例として、商品やコンテンツのパーソナライズされた推薦を行うRecommendations AIや、BigQuery MLを利用したMLモデルの作成があります。Google Cloud CDPは、オープンかつ拡張可能なプラットフォームであり、ビッグデータの分析や、データセットにアクセスするための統一インターフェイスを提供するBigQuery Omniのようなツールも備えています。

これらのCDPは、それぞれに独自の特徴と強みを持ち、デジタルマーケティングの異なる側面に対応しています。Salesforce CDPは、その多次元のセグメンテーション機能とシームレスなSalesforce製品との統合によって際立っています。Treasure Data CDPは、その堅牢なデータガバナンスと高度な顧客理解能力に焦点を当てています。そして、Google Cloud CDPは、そのAIとML機能、BigQueryなどの強力な分析ツール、そしてオープンなプラットフォームによって特徴づけられます。これらの特徴は、各プラットフォームがターゲットとするユーザーと用途に直接関連しています。

Salesforce Marketing Cloud Engagement運用ガイドブック
効率的なライセンスの使い方

比較表を用いた詳細分析

以下の評価軸で、各CDPの特長をとらえると以下のようになります。

特徴 Salesforce Data Cloud Treasure Data Google Cloud Platform
機能 任意のキーを主とした顧客IDの統合
データモデルを利用したユーザーフレンドリーな顧客セグメンテーション
オンライン・オフラインの顧客データの獲得
Salesforce Einstein AIエンジンによる洞察提供
独自の統合IDをキーとしたID統合
インプットデータをベースとした顧客セグメンテーション
オンライン・オフラインの顧客データの獲得
機械学習によるデータ分析
Googleアカウントに紐づく顧客データ統合
SQLを駆使したセグメンテーション
オンライン・オフラインの顧客データの獲得
AIによる洞察提供
オープンで拡張可能なプラットフォーム
パフォーマンス IoTデバイスなどからの大量のリアルタイムデータ処理には不向き 大量データ処理は可能だが、バッチデータ処理 リアルタイムデータ処理とAI/ML機能を活用した
予測エンゲージメントの高速処理が可能
コスト Salesforce エコシステム内での利用を想定した価格設定
この3つのCDPの中では中間価格
価格情報は公開されていない。この3つのCDPの中では高価格 サービス利用に応じた課金で、他のプロバイダー(AWS、Digital Ocean、Microsoft Azure)と比較して低コスト
この3つのCDPの中では低価格
ユーザーインターフェース Salesforce製品とのシームレスな統合が特徴
ユーザーフレンドリーなインターフェース
シンプルなコンソールインターフェースを提供
CUIを活用する部分が一定存在
様々なクラウドサービスとの接続などはGUIベースで対応可能だが、セグメントテーションはSQLが必要
統合の容易さ MuleSoftを通じた広範囲な統合機能を提供だがDataCloudだけではコネクタがが限定的 100以上の統合を提供し、様々なプラットフォームと連携が可能 様々なプラットフォームと連携が可能なうえに、Google Marketing Platform,Google Ads,You TubeなどGoogle関連サービスとのデータ連携が容易

Salesforce Data Cloud

Salesforce Data Cloudは、既存のSalesforceエコシステム内での統合が重要な企業に最適です。高度なオーディエンスセグメンテーション、パーソナライズされたエンゲージメント機能が強みで、Salesforce製品とのシームレスな統合を活用することで、効果的な顧客エンゲージメントを実現できます。しかし、IoTデバイスからの大量のリアルタイムデータ処理には苦戦する可能性があり、この点を考慮する必要があります。CRMに重点を置く企業や、Salesforceの既存の顧客データ管理技術を活用したい企業には最適な選択です。

Treasure Data

Treasure Dataは、オンラインとオフラインの顧客データを統合し、AIに基づく深い分析を行う能力を持っています。これにより、顧客セグメントの精密な作成とターゲティングが可能となります。シンプルなコンソールインターフェースと効果的なワークフロー機能があり、データ統合と分析に重点を置く企業に適しています。特に、大量の顧客データを管理し、それを活用してマーケティングの施策やセールス戦略を最適化したい企業に最適な選択肢と言えます。

Google Cloud Platform CDP

Google Cloud Platform CDPは、リアルタイムデータ処理とAI/ML機能を活用した予測エンゲージメントを強化する企業に適しています。一元化された顧客データ管理、統一された顧客プロファイルの作成、オープンで拡張可能なプラットフォームが特長で、高度なデータ分析と機械学習に基づく洞察を提供します。大量のデータと複雑なデータ分析を要求する企業や、AIによるパーソナライズされた顧客体験の提供を目指す企業に適しています。また、低コストでサービス利用が可能で、拡張性と柔軟性が求められる状況にも適応します。

これらのCDPはそれぞれ特有の強みと特徴を持っており、企業のニーズや戦略に合わせて適切な選択が可能です。Salesforce GenieはSalesforceエコシステムを最大限に活用したい企業、Treasure Dataは複雑な顧客データの統合と分析を重視する企業、Google Cloudは高度なAI/ML機能とリアルタイムデータ処理を要求する企業にそれぞれ最適です。

まとめ

「CDP対決:Salesforce (DataCloud)とTreasureDataとGoogle Cloud Platformの比較分析」と題し、各CDPの特徴と機能を詳細に解説しました。Salesforce CDPはSalesforceエコシステムとのシームレスな統合が際立ち、Treasure Dataはデータ統合と分析の精度に優れています。Google Cloud Platformはリアルタイムデータ処理とAI/ML機能に特化しています。これらのCDPは、それぞれ特定のニーズに応じて選ばれるべきです。適切なCDPの選択と活用により、顧客体験を向上させ、ビジネス成長を促進してみませんか。

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