ブログ

コールセンターでBPOを活用するポイント、メリット・デメリットも解説(Vol.23)

  • 公開日:
  • 最終更新日:

コールセンターのBPOサービスは多くのプレイヤーがそのサービスを提供しており、様々な企業で活用されています。自社のコールセンター業務を今後どのように改革していくべきか、その中でBPOを活用する場合にはどのような事を考えればよいのでしょうか。コールセンターでBPOを活用する際のポイントやメリットとデメリットと、どのようなポイントに注意すればよいのかを解説していきます。

コールセンターBPOの現状

BPOの意味はBusiness Process Outsourcingの略称で、特定された業務をアウトソーシングするサービスのことです。よく似たアウトソーシングとは何が違うのでしょうか。アウトソーシングが業務の一部分を切り出してそのまま社外に出すことで、BPOが業務改革を伴って業務全体を社外に出すように説明されるケースがあります。しかし、必ずしもそのように使われていることばかりではありません。したがって本記事ではそれらをBPOとひとつのサービスにまとめて考えていきます。

一般社団法人日本コールセンター協会によると、会員企業277社 (2022年8月9日 現在)
の中でコールセンター・エージェンシーとしてコールセンター業務の受託・代行を主たる事業としている企業は102社存在しています。日本コールセンター協会では毎年会員企業へのアンケート調査を実施しており、その調査結果が公開されています。

その資料によると、2020年度と2021年度で回答のあった比較可能な28社の2021年度売上の合計は1兆1591億38百万円で、2020年度より約646億75百万円(5.9%)の増加となっています。

コールセンターのBPOが堅調に伸長していることが分かります。人事給与や経理においても定型処理や記帳など、コア業務以外の業務をBPOとして外部に出す動きは以前から進んでいました。コールセンターの業務でも委託をする企業が増え、同様の動きになっていると考えられます。

参考:2021年度コールセンター企業実態調査
   https://ccaj.or.jp/telemarketing/doc/outsourcing_research_2021.pdf

コールセンターBPOサービスの種類とメリット・デメリット

コールセンターのBPOの利用にはいくつかの種類が有ります。

【コールセンターBPO の種類】

1.自社保有コールセンターの運営を外部に委託する方法
自社が保有する既存のコールセンター設備を活用し、そのコールセンターの運営だけを外部委託するケースです。コールセンターの運営をオペレーターの採用から教育、体制まで専門家にまとめて委託します。 すでに自社のコールセンターを保有していて、日々の運用やスタッフの離職に対する採用・教育について苦労している場合には有効な対応になります。

2.コールセンターの設備から運用までをすべて外部委託する方法
BPO業者が保有するコールセンター設備とオペレーターをまとめて活用できます。自社でコールセンター設備を構築する必要が無く、初期投資費用を抑えることが期待できます。
新規でコールセンターを構築したり、増設を検討したりする場合に対して、有効な選択肢の一つになります。コールセンターの新規構築や増設には時間がかかりますが、BPOのサービスを活用すれば比較的短い時間でのサービスインが可能になります。負荷の高い繁忙期と低い閑散期でコールセンターの規模を柔軟に調整することもできるので、時期による業務量の変動が大きい場合にも有効です。

自社コールセンターの業務のすべてをBPO業者に外部委託することもできますし、一部分だけを外部委託することもできます。業務の種類や内容の難易度によってBPOで委託する業務を切り分けたり、BPOへの移行を順次行ったりするように柔軟な対応も可能です。この先、将来的にその業務の内でどこまでをBPOに委託をするのか、移行のスケジュールはどのように進めるのかを考えた上で計画を策定しましょう。

BPOの活用をすればコールセンターの運営や構築を自社で行う必要が有りません。社員のリソースを他の業務に使うことができます。BPOの活用はコストや、人材リソース的にはメリットが大きいですが、顧客接点に関するノウハウや顧客の声が自社に蓄積しづらいのがデメリットです。BPOへの移行時にはこの対策を考慮するも忘れてはなりません。

クラウド化・効率化を考える第一歩目にピッタリ
コンタクトセンターソリューション基本ガイドブック

コールセンターBPOを検討するときのポイント

コールセンターは重要な顧客接点の一つです。顧客との良好な関係を継続することができるかどうかはビジネスの継続性に大きな影響を与える可能性が有ります。お客様との応対のやりかたやその品質は重要な要素です。

目先のコストダウンや運営工数の削減だけにとらわれることなく、自社の顧客接点をどのように改革・構築していくかを考えてみてはいかがでしょうか。業務効率化と顧客満足度の向上を両立させることが基本になります。顧客が商品やサービスを購入する前の検討段階から購入まで、そして購入後に活用している状況から再度購入をするという一連のデマンドチェーンの顧客接点全体の中で、コールセンターが担うべき領域を定義できます。その上で、現在のコールセンターの課題や今後のあるべき姿を描き、必要に応じてBPOの活用を考えましょう。

また、顧客のデジタル化はどんどん進み、情報収集や問い合わせ、購入の行動はメール、チャット、SNS、スマホアプリ等、電話だけではないマルチチャネルになっています。このような状況に合わせ、昨今ではコールセンターからコンタクトセンターへと、より高度なマルチチャネルの顧客窓口へと変革を進めている企業が有ります。顧客のサポートだけではなく、マーケティングの支援など、より上流での活用も増えています。

現状の業務を外部へ出すだけで良いのか、自社の顧客接点戦略を確認してそのありかたをどのように設計するのかを改めて考える必要があるのはないでしょうか。

コンタクトセンターのクラウド化の課題解決に
Amazon Connect機能と新テクノロジーがわかるガイドブック

まとめ

「コールセンターでBPOを活用するポイント、メリット・デメリットも解説」と題しまして、ご説明してまいりました。コールセンターBPOサービスは、他の一般的なBPOサービス同様に多くの企業で活用されているようです。少子化の進む日本に於いては今後もこの流れは止まらないのではないのではないでしょうか。コールセンターの生産性を向上させる方法の一つとしてBPOを検討してみましょう。

しかし、顧客接点を考えたときのコールセンターの位置付けは単なるコストセンターで良いわけではありません。コールセンターBPOの活用の前に、より良い顧客接点DXを進めるためのコールセンターの有り方や、一歩進んだコンタクトセンター化を考えてみてはいかがでしょうか。弊社ではコンタクトセンターの構築支援やBPOを含むハイブリッド型のご紹介も可能ですので、ご検討の際はぜひご相談ください。

当サイトでは、コールセンター/コンタクトセンターの作り方や、アマゾンコネクトなどの最新のIT活用を学びたい方へ、ダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。

関連記事

最新記事

全社的なDX推進や顧客接点の最適化、エンゲージメントの強化など
お困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

これからの新しいコンタクトセンター の作り方ガイド ~音声テキスト化(VOC)ノンボイス対応、 在宅コンタクトセンター~
資料ダウンロードはこちら