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コールセンターCRMのひとつ チャット・ボットによるノンボイスサービス(Vol.16)

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皆様の会社でもオペレーターによるチャット対応やボットによる自動応答を既に採用されており、お客様満足度の更なる向上を目指していると思います。本記事ではチャットの仕組みや運用方法を詳しく解説するのではありません。コールセンターCRMは、ボイスサービスとチャットによるノンボイスサービスの連携により、活用方法が広がります。お客様とのコンタクト機会を逃さないコールセンターのあり方についても合わせて、ご紹介させていただきます。

繋がらないコールセンターの理由

コールセンターでお客様の対応をしていて、話の冒頭から『全然、繋がらない』『繋がるまでずいぶん待った』といったお客様の声はありませんか?

電話によるボイスサービスは1対1の対応のため、オペレーターが対応中や事後処理中の場合、ACD(着信呼制御)の機能により着信は制御されます。そして、お客様は自動音声のお待たせガイダンスを聞き続けることとなります。

最近ではスマートフォンの保有率の増加により、手軽にWEBやチャットによる問合せ・確認が可能となりました。しかし、電話による問い合わせでサポートを希望するお客様も一定数存在しています。お客様の中には『待ちきれない!!』と電話を切ってしまい、結果、放棄呼が増加しる為、SVはオペレーターの配置やスキルの変更などの苦労をしています。こうなっていては業務効率化どころの話ではありません。

未だ、多くの企業のコールセンターでは電話のみでのお客様対応を行っています。チャットは導入しているものの、独立したサービスとなっているケースは多いでしょう。
このように電話とチャットが連携されていないことが、コールセンターに繋がらない理由のひとつなのです。

電話によるボイスサービスとチャットによるノンボイスサービスの連携により、オペレーターの負荷軽減と業務効率化、お客様対応コストの軽減を目指せます。次項ではこの連携を活用した、コールセンターCRMのサービスレベルの維持と、コンタクト機会の損失を防ぐ方法をご紹介します。

サービスレベルを維持するためのチャット・ノンボイスサービス テキスト化もできる

チャットには 有人チャットとボットに大きく分かれます。有人チャットはオペレーターが対応します。電話との違いは複数のお客様を同時に対応できることです。多くのチャットサービスはオペレーターのスキルに応じて同時対応人数の上限を設定できますので、オペレーターのスキルに応じて設定しましょう。

ボットはシステムがオペレーターに代わって対応します。ボットもシナリオ型、AI型の2種類に分類されます。シナリオ型はルールベース型とも呼ばれ、事前に設定されたシナリオの選択肢を選ぶことにより正しい回答へ導いてくれます。重要なポイントは常にシナリオを精緻化しておくこととなります。

AI型はお客様が入力するキーワード、文書を機械学習したデータに基づき回答してくれるものです。AI型でのサービスを開始するまでにどれだけ多くの過去の問合せを機械学習されるかによって回答の精度が左右されます。

いずれにせよ、ボットによって回答が得られない場合は有人チャットへ誘導するための手段を設けておくことが必要となります。

但し、ボットの最後で解決できない場合に、有人チャットへの導線が設定されていると、お客様は自身の問合せしたい内容が見つからないとしてチャットより離脱してしまう場合があります。常にボットでのお客様の行動を分析し、PDCAを回す努力を怠らないようにしましょう。

電話が込み合っている場合、電話チャネルだけではサービスレベルを維持するのは限界があります。そこでチャットによるノンボイスサービスと連携することによりコールセンターCRMのサービスレベルの維持を目指しませんか?主にお電話を利用されるお客様にはチャットという新しい体験を提供できるのではないでしょうか?

電話での対応は事後処理にてオペレーターがコンタクト履歴を登録します。更に、音声認識システムを利用することにより、会話内容をテキスト化し、要約した内容を自動登録できます。チャットに関してはお客様とオペレーターのメッセージをテキストとして、コールセンターCRMシステムへ登録することも可能です。

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ノンボイスサービスへ誘導する導線

前述の通り、電話が込み合っている場合、お客様は自動音声のお待たせガイダンスを聞き続けることになります。お客様のストレス軽減や顧客満足度の低下を防ぐために何ができるでしょうか?

  • 予測待ち時間(EWT:Expected Wait Time)をアナウンス
  • 待ち人数をアナウンスする
  • 音声応答による電話予約(コールセンターより折り返しの電話)
  • ボイスメール(コールセンターより折り返しの電話)

他にも手段はあるかもしれませんが ここではノンボイスサービスへの誘導について紹介します。

多くのコールセンターのシステムではお客様の電話番号を認識できます。(非通知通話は除く)
お客様の発信者番号が携帯電話番号の場合、無人音声応答により次のようなガイダンスをアナウンスします。

誘導ガイダンス:“大変お待たせして申し訳ありません。携帯電話、スマートフォンよりおかけになっているお客様へはFAQサイトやチャットサービスをショートメールにてご案内しております。よろしければ1を押してくだい。オペレーターへご相談が必要な方はこのまま、お待ちください。”

お客様が承諾いただきましたら次のようなアナウンスを行い、システムは電話を切ります。

SMS送信ガイダンス:“FAQサイト、チャットサービスを開始するURLのショートメールを送信しました。URLをクリックしてFAQサイト、チャットサービスにてご不明点の確認をお願いします。本日はご利用ありがとうございました。”

ノンボイスサービスへの誘導フローの例

お客様はショートメールのURLへアクセスし、お客様自身にあった手段により疑問を解消できます。どうしてもチャットでメッセージを入力することが不慣れなお客様には、WEB問合せサイトへ誘導しましょう。そしてシナリオ型ボットによりオペレーターからの電話予約を受け付けるようなシナリオを作成しても良いでしょう。

今回は着信した電話をノンボイスサービスへ誘導する方法を紹介いたしましたが、コールセンター業界ではVisual IVRという機能も登場しています。これはIVRの操作に対する不満解消や待ち時間の解消のために生まれた、無人音声応答(IVR)のメニューをビジュアル化した機能です。ノンボイスサービスへの導線の見直しにも有益な機能と言えるでしょう。

お急ぎでないお客様であればWEBの問合せフォームへ誘導する方法も良いかと思います。
オペレーターはサービス時間外にメールにて回答することにより、サービス時間中の業務負荷を軽減できます。

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まとめ

「コールセンターCRMのひとつ チャット・ボットによるノンボイスサービス」と題しましてコールセンターの永久のテーマである『コンタクト機会の損失』についてご説明しました。そしてノンボイスサービスのチャットにより解消する手段について紹介させていただきました。

電話だけでなく、チャットやWEBなど多くのチャネルによる顧客体験を提供する時代です。チャネルを増やしてもそれぞれが独立したサービスであれば宝の持ち腐れです。複数のチャネルで蓄積されたコンタクト履歴、トランスクリプトなどのテキスト情報をコールセンターCRMで顧客情報と紐づけて一元管理しましょう。そしてチャネルを横断してお客様を全方向から理解できる、オムニチャネルコンタクトセンターを検討してみてはいかがでしょうか?顧客との最適なつながりを構築することはビジネス上、大きなメリットになるはずです。

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