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コンタクトセンター向けCRMの基礎┃導入メリット・比較ポイント・選び方を解説 (Vol.132)

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コンタクトセンターの現場で、このような課題を抱えていないでしょうか。

「同じ質問への対応が何度も繰り返され、オペレーターが疲弊している」
「過去のやり取りが分からず、顧客から『また一から説明しなきゃいけないの?』と不満の声が上がる」
「オペレーターによって対応品質にばらつきがあり、クレームの原因になることもある」

こうした課題の多くは、情報の分散と属人的な対応に起因します。

特に、電話・メール・チャットなど複数チャネルに対応する必要がある現代のコンタクトセンターにおいて、「誰が、どの顧客に、いつ、どのような対応をしたか」が一目で分からない状態は、大きなボトルネックになります。

加えて、CRMをすでに導入していても、「オペレーターに使いこなされていない」「CTIと連携設定ができていない」「十分な効果を感じられていない」という声も少なくありません。ツールそのものが悪いのではなく、選び方や活用方法が適切でなければ、期待された成果を上げることは困難です。

では、コンタクトセンター業務に本当におすすめなCRMとは何か。どう選べばオペレーターの業務効率を高め、顧客満足度を向上させられるのか。そもそもCRMは、どのような役割を担っているのか。

本記事では、コンタクトセンター向けCRMの定義から主要機能、導入のメリット・デメリット、選定の比較ポイント、さらにはCTIとの違いや連携による効果まで、幅広くかつ具体的に解説していきます。

コンタクトセンター向けCRMとは

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、顧客との関係を管理・強化するためのシステムです。単なる顧客名簿ではなく、顧客の基本情報、過去の対応履歴、購買履歴、問い合わせ内容、対応したオペレーターの情報まで一元的に蓄積・活用できるプラットフォームとして機能します。

コンタクトセンターにおいては、CRMの存在がコミュニケーションの質とスピードを大きく左右します。

たとえば、あるお客様から電話があった際、オペレーターが瞬時に「過去に何を問い合わせたか」「どんなクレームがあったか」「最近どの製品を購入したか」を把握できれば、より的確かつ丁寧な応対が可能になります。結果として、顧客の満足度が高まり、企業への信頼やリピート率向上にもつながるでしょう。

逆にCRMがない、あるいは使いこなせていない環境では、オペレーターは逐一情報を別のシステムで探し回る必要があり、対応時間が長引く、ミスが発生する、対応にムラが出るといったリスクが高まります。

さらに、問い合わせ内容がチーム内で共有されていなければ、同じ質問が繰り返されたり、トラブルの火種になったりするリスクも生じるでしょう。

コンタクトセンター向けCRMの主な機能

コンタクトセンターにおけるCRMは、顧客情報の管理ツールにとどまらず、現場の業務効率と対応品質を大きく左右する中枢システムです。ここでは、CRMに搭載されている主要な機能について見ていきましょう。

顧客情報の一元管理

CRMの中核を成すのが、顧客情報の一元管理機能です。顧客の氏名、連絡先、購入履歴、過去の問い合わせ内容、対応履歴などを一つの画面に集約することで、オペレーターは着信時や問い合わせ時に「相手が誰で、どんな経緯を持った顧客か」を瞬時に参考・把握できます。

たとえば、「以前にも同様のトラブルで連絡してきた顧客」が再び電話をかけてきた場合、CRM上でその履歴がすぐに確認できれば、「前回の件ですね。対応が遅れてしまい申し訳ありません」といった、文脈を踏まえた対応が可能になります。

また、複数チャネルでやり取りが発生しても、それらの情報を紐づけて一つの顧客履歴に集約できるため、情報の散在や対応漏れのリスクも軽減されます。

CTI連携

CRMとCTI(Computer Telephony Integration:電話システム)を連携させることで、着信と同時に顧客情報をポップアップ表示させたり、通話ログを自動的に記録したりすることができます。ここでは簡単な紹介にとどめますが、CRMとCTIを組み合わせることで得られるメリットは、後ほど詳しく解説します。

ここで押さえておきたいのは、CRM単体では得られない「リアルタイムな電話対応支援」がCTI連携によって実現するという点です。過去のクレーム対応中の顧客から着信があった場合、事前にその内容が表示されていれば、トーンを調整しながら対応し、適切な対応を行えます。

問い合わせ管理

CRMには、問い合わせ内容をチケットとして管理できる機能が搭載されています。このチケット機能により、問い合わせの受付から解決、クローズまでのフローを可視化し、対応漏れや二重対応を防止することが可能です。

たとえば、複数のオペレーターが在籍する環境では、「誰がどの問い合わせに対応しているか」を瞬時に把握できるかどうかが顧客体験に大きな影響を与えます。CRMのチケットには顧客情報だけでなく、対応履歴、現在のステータス(対応中・保留・完了)なども記録できるため、引き継ぎもスムーズに行うことが可能です。

また、問い合わせ内容の分類やタグ付けもできるため、「よくある質問」や「特定商品のトラブル傾向」といった傾向分析にも役立てられます。

スクリプト管理・ナレッジ共有

対応品質の均一化と業務効率化を実現するうえで欠かせないのが、スクリプト管理とナレッジ共有機能です。

あらかじめCRMに問い合わせ対応用のスクリプトを登録しておけば、オペレーターは対応中にその内容を参照しながら、迷うことなく顧客に説明できます。

特に新人オペレーターにとっては、経験が浅くても一定水準の応対が可能になる点が大きなメリットです。さらに、よくある問い合わせへの回答テンプレートや過去の事例集などをナレッジベースとして蓄積することで、属人化を防ぎ、全体の応対力を底上げできます。

レポート機能

CRMのレポート機能は、単なる数字の集計にとどまらず、顧客との接点から業務の改善ポイントを見つけるための分析ツールとしても活用できます。

問い合わせの件数、対応時間、解決率、クレーム発生率などを可視化することで、「どの時間帯に問い合わせが集中しているか」「どのカテゴリの問い合わせが解決に時間を要しているか」などのボトルネックを把握できるでしょう。

さらに、ダッシュボードでリアルタイムに進捗を確認できれば、現場のマネージャーが即座に対応策を講じられます。BIツールと連携すれば、より高度な分析や他部門との連携にも役立ちます。

なぜコンタクトセンターにCRMが重要なのか?

現代の顧客は、商品やサービスの質だけでなく、体験価値に重きを置いています。

たとえば、ある顧客が製品の不具合について問い合わせた際に、「お名前を伺えますか?」「いつご購入されましたか?」とゼロからやり取りを繰り返す対応と、「○○様ですね。先日××の件でご連絡いただいておりましたね」とスムーズに会話が始まる対応。

どちらが信頼感を得られるでしょうか。

実際にマッキンゼーの調査でも、消費者の71%がパーソナライズ体験を望み、76%がパーソナライズ体験されていなければがっかりすると回答しています。

CRMがあれば、過去のやり取りや購入履歴などを即座に確認し、まるで担当者が顧客のすべてを把握しているような応対が可能になります。これが「自身のことを深く理解されている体験」となり、LTV(顧客生涯価値)の向上や口コミによる新規獲得にもつながるのです。

CRMが重要であるもう一つの理由は、コンタクトセンターに蓄積される顧客の生の声が、他部門の施策に大きな示唆を与えるためです。

  • 「同じ質問が何度も来ている」 → マニュアルや製品説明の改善点
  • 「ある商品の返品が多い」 → 商品開発や品質管理へのフィードバック
  • 「特定地域の問い合わせが急増」 → 地域別のプロモーション検討

こうした情報は、営業活動の商談資料やマーケティング部門の施策立案にとって価値のある一次データです。CRMを通じて情報を蓄積・共有することで、企業全体の意思決定が顧客起点で行えるようになります。

かつてのコンタクトセンターシステムは、オンプレミス型で構築されることが一般的でした。そのため、新たな拠点を立ち上げるたびにサーバーを増設し、初期費用も数百万円単位でかかるのが当たり前でした。加えて、運用面でも専任のシステム担当者が必要になり、コストと手間の両面でハードルが高いものでした。

しかし、近年はクラウド型のCRMが主流となっており、必要な機能を必要な分だけ使える「従量課金制」が採用されています。これにより、小規模なセンターからでも導入しやすくなり、拡張や縮小も容易。さらに、インターネット環境さえあれば在宅オペレーションにも対応でき、多様な働き方にも柔軟に適応可能です。

コンタクトセンターにCRMを導入するメリット

CRMをコンタクトセンターに導入することで得られるメリットは多岐にわたります。ここでは、代表的な5つの導入メリットについて詳しく解説します。

顧客対応の質が向上

CRMの導入最大のメリットは、対応品質の劇的な改善でしょう。

顧客の過去の問い合わせ履歴や通話内容、購入履歴、対応者情報などが一元化されていれば、オペレーターは迅速かつ的確な対応ができます。

たとえば、同じクレームが過去に発生していた場合、初回対応時の解決方法や顧客の反応を事前に確認したうえでの再対応が可能となり、不要な誤解や不信感を防げます。さらに、顧客ごとの興味関心や購入傾向を踏まえたパーソナライズドな応対も実現すれば、競合との差別化にもつながるでしょう。

オペレーターの負担を軽減

CRMは、オペレーターの業務負荷を軽減するツールとしても有効です。特にCTIと連携している場合、着信と同時に顧客情報が自動的にポップアップ表示されるため、「顧客名を確認して、情報を別システムから検索して…」という一連の作業が不要になります。

また、FAQやテンプレートによる自動応答機能を活用すれば、定型的な問い合わせに対する対応は自動化され、人が介入すべき問い合わせに集中できるようになるでしょう。これにより、業務の集中力が高まり、ストレス軽減や離職率低下にもつながる可能性があります。

応対品質の均一化と標準化

コンタクトセンターでは、ベテランと新人の間で対応スキルに差が出やすいという課題があります。CRMを導入すれば、対応スクリプトやナレッジベースをあらかじめ登録し、オペレーター全員が同じ情報・手順をもとに対応できる運営環境を整えられます。

新人オペレーターでも、システム上のスクリプトに従って案内することで、一定水準以上の対応を実現可能です。こうした標準化は、クレームリスクの低減だけでなく、顧客に「どの担当者でも安心できる対応をしてくれる」という印象を与える点でも効果的です。

顧客満足度とLTVの向上

迅速で適切な対応は、顧客の満足度を高めるだけでなく、長期的なロイヤルティや再購入にも直結します。たとえば、トラブルに対するフォローアップがCRM上で自動化されていれば、適切なタイミングで「その後いかがでしょうか?」と連絡を入れることが可能になります。

また、CRMを活用してリピート傾向のある顧客やハイバリュー顧客を特定し、優先対応や特別なオファーを提供し、LTVの最大化を図れるでしょう。その場しのぎの顧客対応から、企業成長を支える資産としての顧客管理へと視点が変わるのです。

他部門との情報共有がスムーズになる

CRMは、コンタクトセンター単体のためのツールではありません。営業やマーケティング、開発など、他部門と顧客情報を連携することで、部門横断的な顧客対応を実現します。

たとえば、カスタマーサポートに頻繁に問い合わせる顧客は、営業にとってはフォローのチャンスでもありますし、特定商品の不具合情報は、マーケティングや開発チームにとって貴重なフィードバックです。

CRMを通じて情報が共有されれば、部門間での連携が促進され、企業全体としてのカスタマーエクスペリエンス強化にもつながります。

コンタクトセンターにCRMを導入するデメリット

CRMは有用なツールである一方、導入すれば必ず成功するとは限りません。ここでは、コンタクトセンターにCRMを導入する際に企業が直面しやすいデメリットを整理します。

導入・運用コストがかかる

CRMの導入には、初期費用だけでなく月額利用料、カスタマイズ費用、オプション機能の利用料など、さまざまなコストが発生します。特にCTI連携や外部システムとのAPI接続が必要な場合、開発工数や外部ベンダーへの依頼費が増えることもあります。

また、クラウド型であってもライセンス数に応じた従量課金制が採用されているケースが多く、オペレーター数が多い企業では月々の運用費が予想以上に膨らむリスクもあるため注意が必要です。

定着・活用には教育が必要

CRMを導入しただけでは、現場に定着しません。オペレーターのITリテラシーにばらつきがあるコンタクトセンターでは、誰もが使いこなせるようにするための初期教育やマニュアル整備が必要です。

教育体制が不十分な場合、「結局Excelやメモで個別管理してしまう」「検索の仕方がわからずに無駄な時間が発生する」といった非効率な状況が起きかねません。システムを使いこなすには、定期的な社内研修や現場サポートが不可欠です。

ツール選定ミスのリスクがある

CRMには多くの製品があり、それぞれ特徴や得意領域が異なります。もし自社の業務に合っていないCRMを導入してしまった場合、「欲しい機能がない」「操作が複雑すぎて現場で使われない」といった問題に直面する可能性があります。

また、必要以上に多機能なツールを選ぶと、逆に操作が煩雑になり、「導入したけれど使われない」という事態にも陥りがちです。現場のニーズと運用環境を正しく把握したうえで、要件定義を明確に行い、慎重に選定する必要があります。

社内文化とのギャップにより浸透しないことがある

CRMは情報の集約・共有を前提としたシステムであるため、属人的な業務が常態化している組織や情報を共有しない文化が根付いている職場では、導入効果が限定的になります。

たとえば、「この問い合わせは自分が担当だから」「前回の対応履歴は口頭で伝えればいい」といった意識が残っていると、CRMへの入力が徹底されず、データの空白や誤りが生じます。システム導入と同時に、企業風土や業務の在り方を見直すことも求められます。

情報入力の負担が現場にのしかかる

CRMを機能させるには、正確で詳細な情報の入力が欠かせません。しかしその一方で、現場のオペレーターにとっては「通話後の記録入力」や「タグ付け作業」が新たな負担になる場合もあります。

とくに対応件数の多いセンターでは、「忙しすぎて正しく記録する余裕がない」「入力作業に追われて本来の対応品質が落ちてしまう」といった本末転倒な状況も起こり得ます。この課題を緩和するためには、入力を自動化する仕組みや最低限の記録ルールの整備が必要です。

自社に最適なコンタクトセンター向けCRMを選定する比較ポイント

CRMツールは多種多様であり、その選定が導入後の成果を左右します。「機能が多ければ良い」「価格が安ければ安心」といった短絡的な視点で選ぶと、現場で活用されずに失敗するケースも少なくありません。

自社のコンタクトセンターに最適なCRMを選ぶには、以下の観点から慎重に比較・検討することが重要です。

自社に必要な機能が備わっているか

まず確認すべきは、自社の業務に本当に必要な機能が搭載されているかです。

CRMはAIやマーケティング効率化など多機能である一方、実際には全ての機能を使いこなす必要はありません。むしろ「問い合わせ管理」「通話履歴の記録」「ナレッジ共有」など、日々の運用で確実に使う機能が使いやすく設計されていることのほうが重要です。

たとえば、複数商材を扱っており、製品ごとに問い合わせ内容が異なる場合は、タグ管理やテンプレート登録機能が役立ちます。FAQやスクリプトを活用して応対を標準化したい場合は、ナレッジベース機能が有効です。

過不足のない機能構成かどうか、まずは業務フローと照らし合わせて確認しましょう。

他システムとの連携は可能か

CTIやSFA、MAツール、チャットツール、BIツールなど、他システムとの充実した連携・関連性も重要な判断ポイントです。

CRMが単体で完結しないケースがほとんどであり、情報の連携がスムーズに行えるかが業務効率を左右します。

たとえば、顧客からの電話着信時に自動で顧客情報が表示される「CTIポップアップ」や、Slack・Teamsとの連携による社内通知など、他ツールとの連動でCRMの価値は大きく広がります。

API連携の柔軟性やノーコードでの連携対応可否も確認しておくと安心でしょう。

直感的に操作できるか

どれだけ機能が豊富でも、現場のオペレーターが日常的に使いこなせなければ意味がありません。コンタクトセンターは、業務のスピードと正確性が求められるため、複雑な操作や階層構造が多いUIでは業務効率を損なう恐れがあります。

ベンダーによってはトライアル環境を提供している場合もあるため、実際にオペレーターやスーパーバイザーに操作してもらい、「迷わずに使えるか」「必要な情報にすぐたどり着けるか」といった視点で確認しましょう。

導入前に現場の声を反映することが、定着率とROIの最大化につながります。

オムニチャネル対応か

現代のコンタクトセンターでは、電話だけでなく、メール、チャット、LINE、SNSなど複数のチャネルから問い合わせが寄せられます。それぞれのチャネルで別々に対応するのではなく、CRM上で一元管理できるオムニチャネル対応は、今や必須の要件と言えるでしょう。

チャネルごとの対応履歴が顧客単位で統合されていれば、前回はメール、今回は電話といったケースでも「一貫した対応」が可能になります。これは顧客満足度の向上だけでなく、応対ミスや対応の重複防止にもつながります。

セキュリティとサポートの体制が整っているか

CRMには機密性の高い顧客情報が蓄積されるため、セキュリティ体制の確認は必須です。

通信の暗号化、アクセス権限の管理、IP制限、多要素認証などが備わっているかをチェックしましょう。

また、いざというときのベンダーサポート体制も重要です。「導入後すぐにサポートが受けられるか」「日本語対応はあるか」「ナレッジベースやFAQは整っているか」などを事前に確認することで、導入後のトラブルを未然に防げます。

コンタクトセンター向けCRMとCTIを連携するメリット

CRMとCTIを組み合わせることで、コンタクトセンターの業務はさらに高度化・効率化されます。CRM単体では実現が難しいリアルタイムな電話対応支援やオペレーター業務の自動化といったメリットが得られるため、多くの企業がCRMとCTIの連携を導入しています。

この項では、代表的な4つのメリットについて具体的に解説します。

顧客対応の迅速化

CRMとCTIが連携されていると、電話の着信と同時にその顧客の情報がCRM画面に自動で表示されます。これにより、オペレーターは「どの顧客が電話してきたか」「過去にどのような対応を行ったか」「現在どのような状況か」を瞬時に把握でき、無駄な確認やヒアリングを省くことが可能です。

たとえば、製品の不具合に関する問い合わせを受けた際、過去の対応履歴をすぐに参照できれば、「前回の対応を踏まえた上で、より適切な案内」を行えます。これにより、初回解決率の向上やクレームの未然防止にもつながります。

オペレーターの業務効率向上

CTI連携により、オペレーターの業務は大幅に自動化・効率化されます。代表的な連携機能には以下のようなものがあります。

  • ワンクリック発信(クリック・トゥ・コール):CRMに登録された番号へ、ボタン1つで発信可能
  • 通話録音の自動保存:音声データが顧客情報と紐づけて自動保存され、後から確認可能
  • ステータス連動:通話中、離席中、対応可能など、リアルタイムでオペレーターの状態を共有可能

これらの機能により、電話番号を手入力する手間、通話内容の記録ミス、対応履歴の記載漏れといった人的ミスが減り、結果として業務全体の生産性が向上します。

コスト削減

CRMとCTIの連携は、業務効率化を通じて人的・時間的コストの削減にもつながります。たとえば、着信時の顧客情報ポップアップによって、平均応答時間が短縮されれば、1件あたりの対応時間が減り、1日の対応件数が増加します。

また、通話履歴やスクリプトを自動でCRMに記録できるようになれば、入力作業や記録確認の手間が減り、オペレーター1人あたりの処理能力が向上するでしょう。そのため、同じ人員数でも多くの問い合わせに対応できるようになり、コンタクトセンター全体のパフォーマンスが向上します。

さらに、教育コストの削減効果も見逃せません。業務がシステム化・標準化されることで、新人オペレーターの立ち上がりが早くなり、現場への即戦力化を図れます。

顧客満足度の向上

CRMとCTI連携による対応の高度化は、顧客満足度にも直結します。顧客は「毎回同じことを聞かれる」「対応のたびに状況を説明し直さなければならない」といった体験にストレスを感じやすいものですが、CTI連携によりそれらの無駄を排除できます。

また、CRMの顧客情報をもとに、属性や対応履歴から最適なオペレーターに自動で振り分ける「ACD(着信自動分配)」を活用すれば、対応の質や顧客との相性まで考慮した応対が可能になります。

結果として、「この会社は自分のことをちゃんと理解してくれている」という信頼感が生まれ、長期的な顧客関係の構築にもつながるのです。

コンタクトセンターにCRMを導入し、生産性と顧客満足度を高めよう

コンタクトセンターの役割は、単なる問い合わせ対応から、企業の顔として「顧客体験を創出する場」へと進化しています。

その中で、CRMは業務の可視化と標準化、ナレッジの蓄積、部門横断での連携を促進するインフラです。CRM導入を成功させるには、ただ機能を追加するのではなく、現場に合ったツールを選び、段階的に業務に組み込んでいく視点が欠かせません。

 

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