皆さんはセールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)についてご存知でしょうか?「MAツールなのは分かるけどなにができるの?」や「Salesforce Marketing Cloudの強みはなに?」などMAツール導入の決め手に悩んでおられる方も多いと思います。本記事ではセールスフォースマーケティングクラウドの主要な機能について紹介し、分かりやすく解説していきます。
※セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)は現在、マーケティングクラウドエンゲージメント(Marketing Cloud Engagement)に製品名を変更しております。本記事では、セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)の旧名称を用いて解説していきます。
関連ブログ セールスフォースマーケティングクラウド(Salesforce Marketing Cloud)の成り立ち(Vol.32)
目次
Salesforce Marketing Cloud Engagement(旧:Marketing Cloud)は、セールスフォース社が提供するB to Cに特化したMAツールです。マルチチャネル(メール、SMS、Web広告、LP(ランディングページ)、SNS)かつマルチデバイス(PC、スマートフォン)でOne-to-Oneマーケティングの自動化を実現できます。また、MAの枠組みを超えてデジタルマーケティングを拡張できる機能が多数あります。
Salesforce Marketing Cloud Engagement(旧:Marketing Cloud )の管理画面
セールスフォースドットコム社が提供するMAツールはもう一つあります。B to Bに特化したAccount Engagement(旧:Pardot)です。機能を最小限にし、とてもシンプルで扱いやすくなっております。特徴として、一般的なMAツールにはないレポーティング機能が実装されております。Marketing Cloud Engagement(旧:Marketing Cloud)1つでリード(見込み客)獲得から商談成立までの一連のプロセスのPDCAサイクルを回すことができます。
Marketing Cloud Engagement(旧:Marketing Cloud)とAccount Engagement(旧:Pardot)の違いを以下の比較表にまとめました。
Marketing Cloud Engagement(旧:Marketing Cloud)
Account Engagement(旧:Pardot)
Salesforce Marketing Cloud Engagement運用ガイドブック 効率的なライセンスの使い方
Salesforce Marketing Cloud Engagementの主な機能は以下の6つです。
それぞれの機能について解説していきます。
Email Studioでは、収集した顧客データから属性や行動履歴などでセグメントされた顧客情報を管理します。また、作成したメールを一括送信する設定が簡単にできます。
Mobile Studioでは、SMS、アプリのプッシュ通知、LINEなどから顧客のモバイル端末にメッセージを送信することができます。
Contents Builderでは、メール文面やSMSの文面、ランディングページの作成・管理、画像ファイルなどのコンテンツの管理をおこなえます。
Automation Studioでは、収集した顧客データをSQLやフィルター機能、外部システムとの連携などのアクティビティによって属性や行動履歴などでセグメントやデータテーブル間の結合、加工、CSV形式での抽出等を自動化することができます。Automation Studioでセグメントしたデータを用いてJourney Builderによってメール配信をおこなう流れが一般的です。
Journey Builderでは、Email StudioやMobile Studioなどで設定するあらゆるチャネル(メール、SMS、アプリのプッシュ通知、LINEなど)のフローをドラッグアンドドロップで、いつ、誰に、どのメールやプッシュ通知を顧客に送信するのかマップで視覚的に設定できます。つまり、カスタマージャーニーの自動化を簡単に設定することができます。
Advertisingでは、デジタル広告のキャンペーンを作成して管理をします。 Google広告やFacebook広告などの複数の広告チャネルを一元管理します。また、広告の表示回数、クリック数、コンバージョン数などをリアルタイムで追跡できます。追跡することで、顧客に対して関連度合いの強い広告のみを表示するなど広告におけるOne-to-Oneマーケティングを自動化および強化できます。
Marketing Cloud Connectとは、Sales Cloud や Service Cloud、Experience Cloudといったセールスフォース社が提供するコア製品とMarketing Cloudを連携するコネクタです。 Marketing Cloud Connectを用いることで以下の4つを実現できます。
それぞれ解説していきます。
オブジェクト同期では、Salesforceのコア製品の「取引先責任者」などのオブジェクト項目をMarketing Cloudに連携できます。連携される項目のデータについてBoolean型項目の値によってフィルターを掛けることが可能です。
一括メール配信では、Salesforceのコア製品にてセグメントしたお客さまに対して、Marketing Cloudから一括でメール配信をおこなう様に設定できます。もちろんMarketing Cloud内でセグメントしてメール配信することも可能です。
配信結果連携では、Marketing Cloudにてメール配信した結果をコア製品側のレコード項目に反映できます。
Journey BuilderからSalesforceコア製品レコードの作成/更新では、例えば、Journey Builderのアクティビティからコア製品側の取引先責任者オブジェクトのレコードを作成/更新できます。
Salesforce Marketing Cloud Engagementは、パーソナライズされたそれぞれ各個別の顧客体験を提供するために必要な高度な機能を備えております。特にB2C(Business-To-Consumer)ビジネスにおいてその効果を発揮します。このプラットフォームを利用することにより多くの企業が、顧客とのコミュニケーションをよりよい方向に最適化し、購買率の向上やブランド認知度・ブランド価値の向上に寄与しています。以下のセクションでは、Salesforce Marketing Cloud Engagementを使用した効果的なマーケティング活動について解説します。
Salesforce Marketing Cloud Engagementを利用することにより、顧客の行動や属性に基づいて、モバイルやソーシャルメディア等々の複数のチャネルを使って、最適なタイミングで顧客にとってよりよいメッセージを送信することができます。例えば、Webサイト上での顧客のクリックやアクセス遷移などどのようなアクションを行っているかを把握します。そしてその情報をもとに必要なアクションを予測して、特定のキャンペーンを実施することが可能です。これにより、顧客の満足度が向上し、これにより顧客の購買意欲を高めることができます。
各種レポート機能を駆使することで、マーケティング活動おいて効果的なパフォーマンスを把握することが可能です。例えば、Email StudioやAdvertising機能のキャンペーンを実施完了後、リアルタイムで成果を確認し、その成果をベースに必要に応じてアプローチを改善することができます。これによって、タイムリーに活動を改善し、担当者の人材コスト削減を実現するとともに顧客へのアプローチ方法や活動効果の向上を図ることができます。
Marketing Cloudの自動化機能を利用することで、マーケティングオートメーションが実現し、従来行っていた非効率な手作業による負担を減らすことができます。例を言うと、Automation Studioを使用すれば、蓄積した顧客データを元に自動的にセグメント化(グループ化)し、関連するコンテンツをセグメントに送信するなどの業務を効率的に行うことができます。このようなプロセスを自動化することによいり、マーケティング担当者は雑務から解放して本来一番やらなければいけない重要な活動に集中することができ、時間を大幅に節約できます。重要な活動を実施することにより、人材レベルのアップが見込め、将来AIによる業務の削減が発生しても、重要なマーケターとして存在し続けることができます。
前述でも言及しましたが、Salesforce Marketing Cloud Engagementでは、顧客の行動履歴を基にしたパーソナライズされたサポートが可能です。これにより、顧客満足度向上を常に提供することができ、顧客との関係性が深まり、長期的なパートナーシップを構築することができます。例えば、特定のグループに対して新たな特別なプロモーションを提供することで、注力したい顧客層に向けてブランドロイヤルティを高めることができます。
実際の過去に発生した事例を基づいてマーケティング戦略を設計し、その設計に基づいて適切なアクションを実施することが可能です。過去の活動した利敵やキャンペーンのデータを元に次回の施策を改善し、より効果的なマーケティングを行うことができます。これにより、購買率の向上だけでなく、前述の通り顧客とのコミュニケーションの質も向上します。
このように、Salesforce Marketing Cloud Engagementは、デジタルマーケティング活動における重要なツールと位置付けられており、企業の業務改善にとても役立ちます。マーケティング担当者は、これらの機能を活用し、タイミングよくパーソナライズされたアプローチを実施することで、より効果的に顧客とつながりをもつことができ、企業のブランド価値を向上させ、売上を大幅に上げることも可能です。
「Salesforce Marketing Cloud Engagementとは?主要機能を解説」と題しまして、ご説明してまいりました。Salesforce Marketing Cloud Engagement(セールスフォースマーケティングクラウドエンゲージメント)は、セールスフォース社が提供するB to Cに特化したMAツールです。マルチチャネル(メール、SMS、Web広告、LP(ランディングページ)、SNS)かつマルチデバイス(PC、スマートフォン)でOne-to-Oneマーケティングの自動化を実現できます。また、MAの枠組みを超えてデジタルマーケティングを拡張できる機能が多数あります。
Salesforce Marketing Cloud Engagement(セールスフォースマーケティングクラウドエンゲージメント)の主な機能は以下の6つです。
それぞれの機能を用いることでマルチチャネルに対応した質の高いOne-to-Oneマーケティングを自動化することができます。
Marketing Cloud Connectとは、Sales Cloud や Service Cloud、Experience Cloudといったセールスフォースドットコム社が提供するコア製品とMarketing Cloudを連携するコネクタです。 Marketing Cloud Connectを用いることで以下の4つを実現できます。
ここまで「Salesforce Marketing Cloud Engagementとは?主要機能を解説」と題して解説を進めてきました。電通総研では多くのお客様へのご支援の実績があり、コンサルティングからシステム導入、運用支援までさまざまなご相談に対応可能です。デジタルマーケティングについてご検討の際はご相談下さい。
当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
2025年05月20日
Salesforce Data Cloud Oneで実現する“横断的営業データ統合”(Vol.118)
2025年04月28日
デジタルマーケティングの資格・検定おすすめ12選! 実務に役立つ知識やスキルとは?(Vol.117)
2025年04月24日
マーケティング分析のフレームワークを活用シーンごとに解説!環境分析・顧客分析・戦略策定に適した種類とは(Vol.116)
マーケティングのデータ分析手法10選!成果を出すポイントや分析の流れを解説(Vol.115)
2025年04月23日
見える化と可視化の違いとは? それぞれの定義と目的に加えメリットや事例も解説(Vol.114)
進捗管理を見える化する目的・メリットとは? ツール利用など見える化の方法も解説(Vol.113)
全社的なDX推進や顧客接点の最適化、エンゲージメントの強化などお困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。