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コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは? 仕事内容や役割、必要なスキルや企業がSV育成するポイントまでを徹底解説(Vol.128)

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コールセンターでは生産性や応対品質の向上など、多くの役割をSV(スーパーバイザー)が担っています。求人でも目にすることが多く、興味を持った人もいるでしょう。

この記事ではSVを目指す人向けにコールセンターの組織の仕組みやSVの役割、仕事内容、SVが管理するKPIなど、まとめて徹底解説します。

目次から興味のある情報を検索していただき、今後のキャリアの参考にしてください。

コールセンターの組織図と役割 センター長、SV(スーパーバイザー)、オペレーターなど

組織図とは企業や部署など組織の構造を一覧にして可視化したものです。コールセンターにおいても組織図は、指揮命令系統やひとりひとりの役割、機能、権限を明確にする上でとても重要なものとなっています。

コールセンターでの指揮命令系統や権限構造が明確でなければ、誰の指示を仰ぎ、誰に指示を出すのかが曖昧になります。そして、業務を遂行する上で大きな支障をきたしてしまいます。

たとえば、生産性を向上させるための新たな施策を打とうとしても、組織図が不明確であれば、予算や施策実行の承認を誰から得ればよいのかわかりません。よって生産性向上どころではなくなってしまうのです。

したがって、組織図を見ればコールセンターがどのような業務を行い、チームやひとりひとりがどんな役割や責任を担っているかを理解できます。

スピード感のある意思決定や確実な情報伝達を行うためにも組織図は欠かせないツールとなります。

一般的なコールセンターの組織図と役割の概要を次に記載します。

★既存図

コールセンターの業務内容や規模により役職(名称)は異なりますが、センター長、マネージャー、SV(スーパーバイザー)、リーダー、オペレーターやサポート部門で構成されているのが一般的です。

センター長

コールセンター全体を統括する責任者です。コールセンターの運営、体制、管理全般について最終的な責任を負います。コールセンター内だけでなく、コールセンター外部の関連部門や部署との連携を担当します。

センター長がオペレーターとなって、電話で顧客に直接対応することはほとんどありません。オペレーターの生産性や顧客満足度に繋がる電話対応の品質などのさまざまな経営目標をオペレーション部門に指示を出します。

マネージャー(役席)

センター長直下のオペレーション部門のトップの役席です。複数のSV(スーパーバイザー)をまとめ、センター長が掲げる経営目標を達成するために、具体的な生産性や品質などの目標設定を行い、施策の計画やSV(スーパーバイザー)を指揮・管理し業務を実行します。もちろん、目標を達成するための施策の進捗確認やセンター長への報告も重要な役割です。

マネージャーが電話対応を直接することはありませんが、顧客のクレームなどの対応時は、電話対応をするケースもあります。小中規模なコールセンターでは、マネージャー(役席)とSV(スーパーバイザー)を兼任することが多いです。

SV(スーパーバイザー)

マネージャーの指示のもと、オペレーター10〜20名で構成されるチームの管理・教育を行い、コールセンターのインバウンド業務やアウトバウンドの業務を遂行します。センター長やマネージャーとは異なり、オペレーターからエスカレーションされた場合やオペレーターが不足しているときなどに電話での対応も行います。SVの詳しい仕事内容については次の章で解説します。

リーダー

オペレーター5~10人を束ねるリーダーです。SV(スーパーバイザー)の仕事の補佐を行いますが、オペレーターと同じように電話での応対も行います。将来的には現場での経験とスキルを身に着け、SV(スーパーバイザー)に昇格する候補生です。

オペレーター

電話、チャット、メールやSNSなど様々なチャネルで、実際の顧客との応対を行うスタッフです。コミュニケーターやCSRとよばれることもあります。

サポート部門

品質管理担当や研修、教育担当、システム担当など、実際の顧客対応ではなく、その他の特定の業務を専門に実施する部門です。SV(スーパーバイザー)やマネージャーが兼務することもまれにあります。コールセンターの規模により様々な役割が細分化される傾向にあります。

コールセンターのSV(スーパーバイザー)の仕事内容、求められる役割を徹底解説

SV(スーパーバイザー)は、センター長やマネージャーに比べて、より現場のオペレーターに近い立場で業務を遂行します。ここではSVの仕事内容や求められる役割について具体的に解説します。

オペレーターの育成・フォロー

オペレーターの育成やフォローは、SVの業務のなかで大きな割合を占めます。新人のオペレーターに研修・OJTの講師として育成を担当したり、個別面談やミーティングで指導を行ったりといった業務です。特に個別面談はトーク品質の改善のためのフィードバックや職場での人間関係の悩み事や困り事の相談など多岐にわたります。コールセンターによっては別の教育担当者やQA(クオリティアシュアランス)が担当するケースもあります。

その他、トークスクリプトを始めとするオペレーター向けのマニュアルの整備などもSVの業務に含まれます。法改正や企業ルールの変更、新サービスのリリースなどがあった場合は、速やかに応対に反映できるようマニュアルの見直しが必要です。

チームリーダーの指導・フォロー

チームリーダーは将来的にはSVに昇格する可能性があるため、オペレーターに適切に指導できるように教育するのも大切な仕事です。例えばオペレーターからのエスカレーションがあったときの対応方法などを指導します。また、多数のオペレーターを束ねるチームリーダーに対して、ストレスなく仕事がしやすい環境を整えるフォロー業務も必須です。

エスカレーションを受けての上席コール対応

通常、オペレーターからのエスカレーションはチームリーダーが対応します。しかし、オペレーターのミスやシステム上、顧客の要望に応えられなかった時などには重大なクレームに発展して、チームリーダーでは対応しきれないことがあります。そのような時には「上の人を電話に出してほしい」と要求されることが多く、SVが対応を代わります。

なぜクレームに発展したのかを引き継ぎの時に聞き、顧客の怒りがしずまるよう丁寧に対応します。オペレーターやリーダーではできなかったイレギュラーな対応も、ある程度権限を持って可能であるため、事態の収束に努めましょう。顧客からクレームや意見を聞いた際には「貴重なご意見」として受け付け、電話終了後に役席に報告します。

オペレーター採用業務・チーム配属業務など

運営会社によっては、人事担当者が行うオペレーターの採用業務やチーム配属業務を担う場合があります。採用では採用担当者や役席と同席して面接を行うことが多いです。採用後の業務内容や必要な適性は自分が管理して深く関わっている業務のため、他の担当者よりも分かりやすく説明できるでしょう。

シフト作成・勤怠管理など

オペレーターやリーダーのシフト作成、勤怠管理はある程度まとまった人材を必要とするコールセンターでは重要な業務です。繁忙期のある業種では特にオペレーターの確保は重要です。休みが集中しないよう早い段階でシフトの希望を聞いておくと調整しやすくなるでしょう。リーダーが数名いる場合、リーダーの休みも重複しないよう注意が必要です。

センターの生産性向上・品質改善のための立案や管理など

生産性向上と応対品質の改善は多くのセンターで課題とされています。これらの課題解決のための立案や管理業務は現場をよく知るSVが適任といえるでしょう。1本のコールを終えた後、速やかに次のコールに出られる業務プロセスの見直しだけでも生産性は格段にアップします。

また、応対品質の改善にはQAと協力しつつ、定期的にコールのフィードバックを行うとよいでしょう。オペレーターが案内しやすいマニュアルの整備も有効な手段です。

社内他部署との連携

直接お客様と関わるコールセンターでは社内他部署との連携が欠かせません。営業やマーケティング部門などと密に情報共有を行い、正確な情報を顧客に伝える必要があるためです。できればプレスリリースの前にはSVがミーティングなどに参加して、商品やサービスへの理解を深めましょう。

クライアントサイドへの対応

マネージャーレベルの業務を兼任している場合、個々の営業担当者と顧客対応に関するすり合わせが必要です。顧客にとっては営業担当者もセンターも同じ企業であり、対応に違いがあれば問題です。トラブルになりやすい部分は特に慎重に協議しましょう。

センターのパフォーマンス分析・KPI管理・業務成果報告など

現場の管理者としてパフォーマンス分析やKPI管理、業務成果報告なども業務のひとつです。センターの方針や目標を正確に把握して、現場を動かしていくスキルが必要とされます。KPIについては詳しくは次章でご紹介します。

コールセンターのSV(スーパーバイザー)が管理・分析する「KPI」とは?

コールセンター業務の生産性を向上させる施策として、主に以下の4つがあげられます。

  • システムの導入や活用(自動音声応答(IVR)のCTI機能)

  • 職場環境や働き方を改善する

  • 人員配置やシフトを最適化する(WFM)

  • KPIを分析する

ここでは、コールセンター業務の生産性を向上するためのKPIを分析する施策について、SV(スーパーバイザー)が分析すべきポイントを解説します。

生産性と品質双方の向上

コールセンターにおける生産性向上のポイントは、ズバリ、生産性と応対品質の両面で考えるということです。コールセンターの生産性を向上させたければ、コールセンターのサービスである顧客対応の品質向上も不可欠となります。一般的には生産性と品質はトレードオフの関係であり、両立するのは難しいと考えがちです。実際には生産性と品質を両立させて、改善する必要があるのです。

コールセンターに着信のあった顧客の課題や問題を的確に把握し、かつ迅速に解決できると、コールセンターの応対品質は向上します。そのため、同時に1件あたりの顧客対応にかかる時間も短くなり、稼働率やコスト・パー・コール(CPC)などの生産性も向上するのです。また、顧客からのクレーム対応にかかる時間も減り、コールセンターが本来提供すべきサービスに注力ができます。結果として更に生産性も向上するという良いサイクルが生まれます。

生産性について、オペレーターのみならずコールセンター全体で分析するのも重要です。例えば、コールセンターの生産性の1つである平均通話時間(ATT)をオペレーターだけで見てしまうと、通話を早く終わらせて通話時間を短くしてコール数を稼ぐといったオペレーターも出てくるかも知れません。しかしこうなると顧客対応の品質は低下し、顧客満足度も低下してしまいます。どれだけ生産性を向上させたところで品質低下や顧客満足度の低下を招いてしまっては意味がありません。この例からも、コールセンター全体で生産性と対応品質の両面で考えることがポイントとなります。

コールセンターシステムの活用

とは言え、SV(スーパーバイザー)の役割は多岐にわたり、やりがいが大きい反面、業務が多くて多忙です。定期的にコールセンターのKPIを収集・分析して生産性向上の施策に充分な時間を確保できていない、手が回っていないのが実状ではないかと感じる場面が多いです。

コールセンターのKPIは多種多様です。多くのデータや情報を手作業で収集し、生産性に関する課題を分析するのには限界があります。また、手作業による曖昧なデータをもとに、的確な改善施策を立案するのはとても難しいことです。

そこで、SV(スーパーバイザー)が集計・分析する上際にポイントとなることがあります。コールセンターシステムを活用して、コールセンターのKPIを自動で収集し、集計したデータをグラフ化する手法です。コールセンターの生産性などを可視化するレポート機能を活用するのです。コールセンターのKPIを、オペレーター単位や月単位などグラフ化し、現状の把握と問題点や課題の抽出を、時間をかけずに実施するのがとても重要です。

具体的な活用方法としては、ダッシュボードなどにリアルタイムな稼働率などのパフォーマンスをグラフで表示させます。そして、あらかじめ設定した基準値を下回った場合にアラートを発報するようにしておけば、SV(スーパーバイザー)は運用状況に応じた対策を即時に打つことができますのでおすすめです。

オペレーターへのフォロー

また、オペレーターにパフォーマンスの低下が見られた場合、その場でSV(スーパーバイザー)が通話のモニタリングを開始したり、ウィスパリングでオペレーターに指示を与えたりします。そうすれば、オペレーターへのヘルプがタイミングよく可能となり、顧客対応の品質も向上する効果もあります。

SVの役割としてセンターの生産性と顧客対応品質の向上を目指すには、システムの高度化が必須

ここまで解説したように、コールセンターの運用クオリティを上げていくためには、生産性と応対品質の両面で考えることがとても大切です。
着信時から、迅速に且つ正確に顧客の基本情報やこれまでの問い合わせ履歴、契約中のサービスなどをオペレーターが把握できれば、齟齬や案内漏れ、無駄な質問や再確認などのない、センターとして統一した対応を行え、応対品質を向上できます。
そして一つひとつの着信に対してすべてのオペレーターが上質な対応を行えれば、CX(顧客体験)が向上し、クレームや案内ミスによる時間的ロスを減らすこともできます。
稼働率やコスト・パー・コール(CPC)に反映され、生産性向上へもつながるでしょう。

SVがセンターのこのような状態を目指すにあたっては、オペレーターやチームリーダーとの良好なコミュニケーション、信頼しあえる関係づくりなどの他に、「システムの高度化」も必須です。

例えばクラウド型コンタクトセンター「Amazon Connect」を導入すると、音声の自動応答で顧客の目的ごとに最適な部署へ着信させるIVR、着信と顧客情報表示を連動させるCTI、待ち呼の処理を最適化するACDといった機能をすべて、クラウドサービスでの統合されたシステムとして導入できます。

コンタクトセンターのクラウド化の課題解決に
Amazon Connect機能と新テクノロジーがわかるガイドブック

コールセンターSVのキャリアパス|どうやってスーパーバイザーになっている人が多い?

コールセンターでSV(スーパーバイザー)になるには、どのようなキャリアを積めばよいのでしょうか?一般的なケースをご紹介します。

【パターン1】同じコールセンター内でオペレーターからステップアップ

最初にオペレーターとして採用され、実務経験を積んでチームリーダーからSVにステップアップするケースが最も一般的です。人事評価で顧客対応力や応対品質、勤怠など多角的に評価が行われ、適性があればキャリアアップができます。

【パターン2】コールセンター実務経験の後、SV職の求人に応募する

SVとして一定の実務経験を積めば、SV職の求人に応募ができます。業種によって業務範囲に多少の違いはありますが、SVとしての役割や業務を理解しており、センター運営の知識があれば転職の際の強みになるでしょう。

実務経験なしでいきなりSV就任というケースは少ない

実務経験の全くない人がいきなりSVで採用というケースは少ないです。コールセンターという業務の特性や現場の実状を理解・把握していなければ、SVとして業務をこなすのは難しいためです。

別業種でのマネジメント経験があったとしても、コールオペレーションの特性などに通じていないとなかなか難しいため、未経験からのSV登用というケースはあまり見られません。

特別な資格などは不要

SVとしてひと通りの実務経験があれば、特別な資格などは不要です。求人では「管理業務経験」「研修・教育経験」などが歓迎要件とされていることが多いため、実績を詳細にアピールするとよいでしょう。

コールセンターSVは女性も多く活躍している職種のひとつ

コールセンタースタッフは女性が多く活躍できる職種のひとつと言われています。センターの規模によりますが、オペレーターの人数が確保されており、シフトも比較的自由に決められるケースが多いです。そのため、時短勤務でも働けるところが多く、産休・育休明けの社会復帰の場としても注目されています。

コールセンターSVに向いているのはどんな人? 未経験でもなれる? 求められる資質や能力

SV(スーパーバイザー)は、未経験でもなれますが、ある程度の能力やオペレーターとしての経験が必要です。ここではSVに必要な資質や能力をご紹介します。

業務遂行能力・責任感

SVが顧客と話すのは、エスカレーション対応やクレーム対応の時が多いです。そのため、通常のコールよりも難易度が高く、通話時間も長くなります。どのようなケースでも顧客に納得してクロージングまで進められる業務遂行能力、途中で投げ出さない責任感が必要とされます。

マネジメント能力

SVにはオペレーターの応対品質向上やKPI達成、人材育成などのマネジメント能力も必要です。新人には分かりやすく丁寧に研修を行い、既存オペレーターには応対品質向上のサポートをします。いわば人材を適正に管理する能力が問われるのです。スタッフが皆気持ちよく働ける環境づくりにも目を配らなくてはなりません。離職率をできるだけ低くするのもSVの役割のひとつです。

リーダーシップ・指導力

オペレーターとリーダーをまとめる役割を持つSVには、リーダーとしての指導力が不可欠です。一人ひとりの個性を理解し、全員が仕事に意欲的に取り組めるよう指揮を上げていきます。オペレーターがミスをした時の対応も重要です。ミスを叱責するのではなく、本人のフォローをしつつ同じミスを繰り返さない方法を親身になって一緒に考えていきましょう。

コミュニケーション能力

SVには、オペレーターやリーダーとのコミュニケーション、および顧客とのコール対応のコミュニケーション能力の両方が求められます。エスカレーションがあった時は顧客を待たせることなく、的確なアドバイスをしなくてはなりません。時には隣でモニタリングを行い、サポートを行います。日頃からスタッフと円滑なコミュニケーションをとっておくと、個性に応じたサポートができるでしょう。

オペレーター以上の電話対応能力

SVは当然のことながら、オペレーター以上の電話対応能力を有している必要があります。顧客のニーズを素早く理解し、トラブルに発展した時も顧客の怒りや不安をしずめ、解決に導く能力です。

状況把握・分析できる力

エスカレーションがあった時やクレーム対応を代わった時、即座に状況を把握・分析する能力が必要です。例えばクレーム対応では「顧客はなぜ怒っているのか」「どうすれば怒りをしずめられるか」「どうやって問題を解決するか」などを即座に判断しなくてはなりません。広い視野を持って物事をとらえる能力が不可欠です。

コールセンターSVの時給や年収はどのくらい? 将来性は?

SV(スーパーバイザー)としてキャリアを積む上で気になるのは収入や将来性でしょう。ここでは一般的な収入や将来性についてご紹介します。

コールセンターSVで期待できる時給や年収

コールセンターの運営規模、クライアント数、SVが任される業務範囲、勤務地域などによって期待できる時給や年収は異なります。一般的にアルバイトや派遣スタッフの場合は関東で時給が1,400円〜2,000円ほどが目安です。年収では350万円〜700万円とややバラつきがあります。

国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査」(※1)によると、平均年収が460万円となっており、平均よりも低い会社があることが分かります。ただ、マネージャーや役席になると平均よりも年収が高い傾向にあるため、順調にキャリアアップしていけば希望に近い年収が期待できるでしょう。

※1 出典:国税庁 長官官房 企画課「令和5年分 民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_001.pdf

コールセンターSVの将来性

コールセンターはやや特殊な職種に考えられがちですが、業界を問わず多くのビジネスで必要とされるスキルが磨ける場です。チャットボットや自動音声、FAQがどんなに充実していても、人間のオペレーションでしか実現できないことがあります。人間を相手にする以上、相手の感情に寄り添った柔軟で丁寧な応対が求められるためです。感情の機微などを理解できる熟練したスキルが必要です。

さらにSVとしてキャリアを積めば、センターのクライアントが変わってもそのままSV職として次の案件を担当できます。将来はLSVやマネージャー、センター長への昇格もあり得るでしょう。異業種への転職を検討する際にも、マネジメントスキルや顧客対応力を持つとみなされるため、有利といえます。接客業の店長や営業職、事務管理職など、多くの選択肢があります。

企業がコールセンターSVを育成する場合のポイント

SV(スーパーバイザー)は本人の適性ももちろん必要ですが、企業側のSVを育成する体制や仕組みも成長に大きく関わります。有能な人材を逃さないためにも育成に力を入れたいものです。ここではSVを育成する際のポイントについて解説します。

職務定義の明確化

SVはいわば中間管理職で、オペレーターやリーダーの育成、マネージャーの補佐、各種管理業務などを担うことが多いです。こなさなければならない業務は多方面に及ぶため「大変」「きつい」という理由で、なりたがる人材がいないセンターもあるでしょう。そこでSVが担う仕事や役割、権限を正確に決めて、負担を軽減する仕組みをつくることが大切です。

SV研修の体制づくり

SV研修の体制づくりは非常に重要です。単に有能なオペレーターをリーダーに昇格して、次にSVに、という仕組みでは不十分といえるでしょう。実績を積むのは大切なことですが、SVとして管理業務をこなすための研修も必要です。マネージャーや研修の専従者が研修を行い、管理手法などをレクチャーするのが理想的です。

マネージャーによるSVフォロー

マネージャーによるSVフォローはセンターを円滑に運営していくために欠かせない事項です。マネージャーは目標達成や応対品質向上のためにSVに指示出しをして監督する立場ですが、センターによっては現場のことはSVに任せきりということも少なくありません。SVが本来の業務に専念できるよう、マネージャーによる適切なフォローが求められます。

ITシステムによるSV業務の効率化

オペレーター指導やエスカレーション対応など、人間にしかできないことに注力してもらうためにも、ITシステムを利用して業務改善をはかるのもよいでしょう。コストはかかりますが、生産性も向上して業務の効率化に直結します。現場で活用できるITシステムについては次章で詳しく解説します。

コールセンターSVが現場で活用するITシステム

コールセンターにマッチしたITシステムを活用すれば、SV(スーパーバイザー)の業務負担は大きく減らせ、効率化に役立ちます。ここではSVがどのような場面で活用できるのか例を挙げて解説します。

CRM

CRM(顧客管理システム)は、顧客との電話応対で得られた情報を一元管理できるツールです。例えば既存顧客から問い合わせの電話が入った時、オペレーターはその顧客の問い合わせや購買の履歴やその他の情報を画面上ですぐに確認できます。顧客のニーズが分かりにくい、案内が長くなるといった課題をクリアでき、オペレーターの負担が減らせます。顧客も毎回同じ説明をする必要がなく、スピーディーに問題が解決でき、トラブルに発展しにくくなるでしょう。

コールセンターシステム

コールセンターシステムには、Amazon Connectなどがあります。オペレーターもシステムを通してコール対応をしますが、SVは稼働状況の把握、センター全体の俯瞰、KPI分析などが可能です。リアルタイムであらゆるデータを把握できるため、KPI達成のための対策も素早くとれます。

コールセンターSV(スーパーバイザー)はシステムで業務効率化しつつ、スキルを発揮できる役割に集中することが大切

コールセンターのSVは人材育成したり目標を達成したりといった非常にやりがいのある仕事です。その反面、業務の範囲が多種多様で責任とプレッシャーを伴うものが多いのも現状です。しかし現在はコールセンター業務を大幅に効率化できる便利なシステムやツールがあります。こうしたシステムを有効活用しつつ、自らのスキルを発揮できる環境をつくりましょう。コールセンターに興味がある人はサイトマップを参考に他の記事もぜひご覧ください。

 

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