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SalesforceとGoogle Analyticsの統合が引き出すマーケティング効果の最大化(Vol.99)

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デジタルマーケティングの分野では、顧客のWeb行動を正確に捉え、それに基づいてパーソナライズされたコンテンツを提供することが求められています。これを実現するためには、Salesforce Marketing Cloud EngagementとGoogle Analytics(GA)の連携が極めて重要です。Salesforceは顧客データの管理とマーケティングの自動化を強力にサポートし、GAはWeb行動データを収集・分析するためのツールです。この2つを組み合わせることで、顧客のWeb行動を詳細に把握し、適切なタイミングで最適なコンテンツを提供することが可能となります。本記事では、SalesforceとGAの統合によるデジタルマーケティング効果の最大化について詳しく解説します。これにより、より精度の高いマーケティング施策を実現し、顧客エンゲージメントを高める方法をご紹介します。

1st Partyクッキーを利用した顧客行動データの収集

デジタルマーケティングの効果を最大化するためには、顧客のWeb行動を正確に把握することが重要です。ここで鍵となるのが1st Partyクッキーです。以前は3rd Partyクッキーを利用して顧客の行動データを収集していましたが、最近のプライバシー規制により、その利用が制限されるようになりました。この規制により、従来の手法ではWeb行動データの収集が困難となりました。

しかし、GAは1st Partyクッキーを利用しているため、依然として顧客のWeb行動を効果的に収集できます。1st Partyクッキーは、訪問者の同意を得た上で利用されるため、プライバシー保護の観点からも優れています。このクッキーを利用することで、ユーザーの行動を詳細に追跡し、データを収集することが可能です。

具体的には、GAのユーザーID機能を活用して、顧客IDを設定します。これにより、各ユーザーのWeb行動が一元管理され、詳細な分析が可能となります。例えば、特定のページへの訪問頻度や滞在時間、購入履歴などを追跡し、顧客の興味や関心を把握することができます。

Salesforce Marketing Cloud Engagementと連携することで、収集したデータをマーケティング施策に活用できます。顧客IDをキーにしてWeb行動データを管理し、誰がどのような行動をとったのかを正確に把握できます。これにより、顧客の興味や関心に基づいて、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで配信することが可能となります。

例えば、ある顧客が特定の商品に何度も訪問している場合、その商品に関する特別なオファーや関連情報を迅速に提供できます。このようにして、顧客の行動データを活用し、効果的なマーケティング施策を実現することができます。

Salesforce Marketing Cloud EngagementとGoogle Analytics(GA)の統合方法

デジタルマーケティングにおいては顧客のWeb行動データを収集し施策に活用していくことが成功の鍵となります。Salesforce Marketing Cloud EngagementとGAを組み合わせることで、これを実現することができます。この章では具体的な統合方法について説明します。

まず、GAのユーザーID機能を設定します。これは、顧客IDをWeb行動データに紐づけるための重要なステップです。WebサイトにGAタグを設置し、ユーザーIDを設定することで、各顧客の行動を一元管理できます。これにより、GA上で顧客の詳細なWeb行動データを収集・分析することが可能となります。実際にはユーザーIDはGAにあらかじめ用意された項目ですが、値が入っていません。ここに例えばログインした際の顧客IDをセットしておくことで、顧客行動を特定していくことができます。

次に、収集したデータをGoogle Cloud Platformのサービスの1つであるBigQueryに連携します。GAのデータをBigQueryに渡すことで、大量のデータを効率的に分析できるようになります。
※BigQueryは、高速かつスケーラブルなデータ処理を可能にし、複雑なクエリも迅速に実行できます。またGAのデータを正確にローデータとして蓄積することが可能です。

さらに、必要に応じてGoogle Cloud StorageにCSVファイルとしてデータを保存し、バックアップを確保します。

続いて、これらのデータをSalesforce Marketing Cloud Engagementに差分連携します。具体的には、1時間ごとにデータを更新し、Engagement側に反映させます。このプロセスにより、顧客の最新のWeb行動データを常に保持し、マーケティング施策に迅速に反映できます。

Salesforce Marketing Cloud Engagement側では、顧客IDをキーにして顧客情報を管理します。これにより、Web行動データがどの顧客のものであるかを特定でき、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで提供することが可能となります。例えば、特定の商品に関心を示した顧客に対して、関連する情報やプロモーションを即座に配信することができます。

SalesforceとGAの統合により、デジタルマーケティングの精度と効果が飛躍的に向上します。顧客の行動データを詳細に分析し、それに基づいて適切なコンテンツを提供することで、顧客エンゲージメントを高め、売上の向上につなげることができます。

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収集した顧客行動データを活用したパーソナライズドマーケティングの実現

デジタルマーケティングにおいて、顧客行動データを活用することは、顧客体験を向上させ、エンゲージメントを高めるために非常に重要です。Salesforce Marketing Cloud EngagementとGAを統合することで、収集した顧客行動データを効果的に活用し、パーソナライズドマーケティングを実現する方法を説明します。

  • パーソナライズされたコンテンツ配信
    顧客行動データを活用して、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで配信することが可能になります。例えば、特定の商品に関心を示した顧客に対して、その商品に関する詳細情報やプロモーションをメールやSMSで配信することができます。これにより、顧客の関心を引き続け、購買意欲を高めることができます。また、過去の購入履歴やWebサイトの閲覧履歴に基づいて、関連商品やサービスを提案することも効果的です。
  • Salesforce CRMとの連携
    Salesforce sales cloudやservice cloudといったCRMとEngagementを連携させることで、顧客の属性データや過去の取引履歴を利用して、さらに高度なセグメントを作成することができます。例えば、高価な商品を頻繁に購入する顧客を特定し、その顧客に対して特別なオファーを提供することができます。また、顧客のライフサイクルに応じたマーケティング施策を展開することも可能です。例えば、新規顧客にはウェルカムメッセージを送信し、リピーターにはロイヤリティプログラムの案内を行うといった施策が考えられます。
  • デジタルマーケティングの最適化
    このようにして収集・統合されたデータを活用することで、デジタルマーケティングの施策を最適化し、効果を最大化することができます。顧客一人ひとりの行動パターンやニーズを理解し、それに応じたコミュニケーションを取ることで、顧客体験を向上させることができます。さらに、リアルタイムでデータを更新し続けることで、常に最新の情報に基づいた施策を実行することが可能です。

まとめ

「SalesforceとGoogle Analyticsの統合が引き出すマーケティング効果の最大化」というお題で、Salesforce Marketing Cloud EngagementとGAの統合によるデジタルマーケティングの効果を最大化する方法について説明してきました。1st Partyクッキーを利用して顧客行動データを正確に収集し、BigQueryを通じてデータを一元管理することで、顧客の行動パターンを詳細に把握できます。これにより、顧客IDをキーにしてパーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで提供し、顧客エンゲージメントを高めることが可能です。また、Salesforce CRMとの連携により、属性データを活用してさらに高度なセグメントを作成し、精度の高いマーケティング施策を実現できます。
今後の展望としてAIや機械学習を活用してリアルタイムでデータを分析し、オンラインとオフラインのデータを統合することで、全チャネルで一貫した顧客体験を提供することが期待されます。このように、SalesforceとGoogle Analyticsの統合は、デジタルマーケティングの新たな可能性を切り開くものであり、ビジネスの成長を加速させるために効果的な施策となります。ぜひ、この統合を活用し、顧客体験の向上と売上の最大化を目指してみてはいかがでしょうか。

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