Salesforce(セールスフォース)製品を導入したメリットはあったが、何かもっと活かせる方法はないかというお悩みをお持ちではないでしょうか。SalesforceというとSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)のような社内向けの業務領域に強みがあるというイメージをお持ちかと思います。実は、Salesforceは、 ウェブサイトを活用した社外向け(B to C)の領域も得意としているのです。
Salesforceでのサイトの構築には、Experience Cloudを使用します。本記事では、 Salesforce Experience Cloudの機能紹介、注意点、活用例を解説いたします。Salesforceを「有効活用したい」方や、「導入してみたいが最初にSFAやCRMを導入するのは、ハードルが高いな…」とお悩みの方の助けになる情報をお届けします。
目次
Salesforce Experience Cloud とは、株式会社セールスフォース・ジャパン(Salesforce Japan Co., Ltd.)が提供しているSalesforceのデータベース(CRM機能)を活用したWebサイト、Webポータル、Webアプリケーション等を素早く構築できる機能です。
Experience Cloudの強みは、以下のような点が挙げられます。
Experience Cloud を活用することで、Salesforceが標準機能として提供しているテンプレートを用いた簡単かつスピーディーなWebサイトの構築ができます。また「独自にカスタマイズを施した理想のWebサイトを構築が可能です。
Experience Cloudは、Sales Cloudのように価格・料金は公開されていません。案件別のそれぞれの規模に応じた個別の見積もりが必要ですので、料金・価格につきましては本サイトより、お気軽にお問い合わせください。
Experience Cloudが提供している機能について説明します。また、構築時の注意点も併せて説明します。
Salesforce側で既にデザインされているテンプレートに沿って、見やすいサイトを構築できます。テーマカラーの設定やイメージ画像の設定など誰でも簡単に行うことができます。
図1:テンプレートの一例(カスタマー取引先ポータル)
標準で提供されている「エクスペリエンスビルダー」を利用してサイトを作成します。ほとんどの操作がドラッグ&ドロップで完結します。サイトの骨格が完成した後は、表示したい文言をテキストボックスで調整するのみです。
図2:エクスペリエンスビルダー
Webサイト上での行動に応じた複雑な処理の自動化(業務プロセス自動化)も、標準で提供されている「フロービルダー」を用いて構築することができます。
(例):申込サイトの例 顧客からの申込がWebサイト上で完了したタイミングと同時に、社内の申込受付担当者にメールを送信する。
図3:フロービルダー
従来のサイト構築ですと新たな機能をリリースするにあたり、期間を調整して、開発環境でテストをして・・・といったように様々なタスクが発生します。Experience Cloudでは、標準機能としてプレビュー機能を備えているため、開発担当者の負担を軽減しつつ、新たな機能をリリースすることができます。
▼注意すべきポイント
標準機能だからと言って、セキュリティ対策の十分な注意を怠ってはいけません。適切な権限設定が施すことがExperience Cloudを用いたWebサイト構築における失敗を防ぐカギとなります。適切な権限設定が施されているか確認できるツール・機能もSalesforceから提供されております。
また、Experience Cloudの標準機能は未だ発展途上であり、今後様々な機能がリリースされていくでしょう。現状でもかなり多くの機能が提供されており、とても使い勝手の良い状態となってきております。
とは言え、標準機能のみでサイトを構築するとなると提供したい機能をすべて実現できないケースもあります。「標準機能でできること / カスタマイズが必要となること」を見極める作業が重要です。
Experience Cloudの標準機能できないような機能要件が発生した場合、カスタマイズで独自の機能を提供することができます。その際のカスタマイズ手段をいくつかご紹介します。どの手段を選択するかは、構築したいシステム要件とプロジェクトの背景によります。
従来のWebサイト構築でいう「HTML」に当たる機能です。従来のWebサイト構築と同様に、独自のデザインを適用したり、独自の機能を提供したりすることが可能です。(Apexと対になる機能です。)
従来のサイトでいうロジック部分(コントローラ)に当たる機能です。Salesforce独自の言語(Javaに似ている言語)で、Salesforceデータベースとの複雑なやり取りや、様々な複雑な処理を実現できます。従来のWebサイト構築で実現できることは、概ね実現可能です。(Visualforceページと対になる機能です。)
Lightning Web コンポーネント(以降、『LWC』と略す)とは、「HTML, CSS, JavaScript, XML」を使用して作成されるコンポーネントです。作成したLWC同士を組み合わせて独自のサイトを構築することができます。
カスタマイズ(コーディング)による機能を提供する際も、セキュリティ対策に注意する必要があります。Salesforce上での適切な権限設定はもちろんのこと、コーディングにおける十分なセキュリティ知識が必要となります。
Salesforce Experience Cloud製品ガイド Salesforceのデータベース(CRM機能)を活用したWebサイトを素早く効率的に構築
次に、Experience Cloudを活用したWebサイト構築例をご紹介します。
Experience Cloud は、Salesforceで管理しているナレッジやFAQを外部に公開することに優れています。これまで有効活用できていなかった情報を顧客に共有すれば、新たな顧客獲得へ繋がる機会を作ることや、問い合わせの件数を軽減(業務負荷の軽減)できます。
図4:情報共有サイト例(ナレッジページ)
また、Experience Cloud は情報を公開するだけでなく、新たな情報を入手することにも優れています。例えば、問い合わせ受付用サイトをExperience Cloudを用いて構築すれば、顧客との接点を増やすこともできるでしょう。
図5:問い合わせ受付サイト例(質問ページ)
ログイン機能を具備した適切なライセンスを使用し、Salesforce上で管理している「取引先」や「商談」などの機密性の高い情報をExperience Cloud上に公開できます。Salesforceの標準「取引先」画面等では、情報量が多く業務効率が悪くなってしまっているケースなどに有効です。
ログイン機能を具備した適切なライセンス(コミュニティユーザライセンス)を使用し、ユーザ1人1人に適切な情報を提供するサイトを構築することができます。
(例)Web面談予約サイト
予約の申込から、担当者との個別のやり取り、当日のWeb面談に関するご案内 等、1人1人に寄り添ったセキュアなサイトを構築できます。
(例)口座開設申込サイト
口座開設の申込から、追加資料のアップロード依頼、契約内容のご確認 等の重要な個人情報を取り扱うサイトも構築可能です。セキュリティ面を十分に考慮し、安心・安全なサイトを構築することが可能です。
「Salesforce Experience Cloudとは?実は ウェブサイトも構築できるのです」と題しまして、ご説明してまいりました。Salesforceは、SFA(営業支援)やCRM(顧客管理)だけでなく、 ウェブサイトの構築も得意としております。Experience Cloud標準機能を用いた簡単かつスピーディーなサイト構築だけでなく、ご要望に合わせた独自の機能を備えたセキュアな ウェブサイトの構築も可能です。
また、Salesforce内で完結するサイトを構築するだけでなく、他システムとのデータ連携(ファイル連携やAPI連携)を考慮したサイトの提供も可能です。
電通総研では、様々な業界・業種向けにWebサイトを構築してきた実績が多数ございます。Salesforce Experience Cloudを用いたWebサイト構築に関するご相談はもちろんのこと、Salesforce 自体の導入検討をご検討されている方、Salesforceの活用方法に悩んでいる方もぜひ弊社にご相談ください。
当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
2024年11月18日
どうする?Marketing Cloud EngagementとLINE連携(Vol.88)
2024年11月05日
コンタクトセンターのノンボイス化のメリット/デメリット、ノンボイス化のポイントを解説(Vol.87)
2024年10月21日
Marketing Cloudの連絡禁止リスト・初心者向け解説(Vol.86)
2024年10月15日
データドリブン企業になるための第一歩:Salesforce Data Cloud トライアルパッケージ(POC)のポイント(Vol.85)
2024年09月30日
顧客情報の部門横断活用 BtoB製造業での3つのポイント(Vol.84)
2024年09月24日
PIM-PLM-CRMのデータ連携 製造業DX 3つの要素で顧客満足を勝ち取ろう(Vol.83)
全社的なDX推進や顧客接点の最適化、エンゲージメントの強化などお困りごとやお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。