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人的資本経営におけるIT・AIを活用したエンゲージメント向上策とは?(Vol.62)

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人的資本経営で注目すべき分野のひとつに「エンゲージメント」があります。本記事ではエンゲージメント向上の取り組み例や推進時の課題、制度設計の要点等をご紹介します。さらに、取り組みを支えるIT・AIソリューション適用例も解説しています。

人的資本経営とは?注目すべき7分野

人的資本経営とは、資本である人材の価値を最大限まで高め、中長期的な企業価値の向上を目指す経営です。人的資本経営は、持続的な企業価値向上につながる点、人的資本をはじめとする「無形資産」の重要度が高まっている点、*HR Techツールが急成長している点などから、近年重要性が高まっています。

2023年3月以降からは、上場企業の人的資本の情報開示義務化も始まっています。また、内閣官房は2022年8月に「人的資本可視化指針」を策定し、開示が望ましい7分野19項目を定めました。7分野の内容は以下の通りです。

  • 人材育成
  • エンゲージメント
  • 流動性
  • ダイバーシティ
  • 健康・安全
  • 労働慣行
  • コンプライアンス

人的資本の情報開示は、企業の将来性を判断する上で投資家が注目しているポイントであり、戦略的な開示により、企業成長に繋がるフィードバックを得ることが可能です。しかし、開示項目が多岐にわたるため、何から手を付けていいか分からない、といった企業も少なくないと思われます。
*Human Resourceの略

第一に始めるべきエンゲージメント向上の取り組み例

本記事では、7分野のうちエンゲージメント分野についてピックアップし、人的資本の情報開示を見据え、どのような制度設計が効果的かを解説します。従業員エンゲージメントとは「企業理念や目指すビジョンに理解や共感を示し、自発的に貢献する意思」のことです。従業員エンゲージメント向上により、離職率低下や生産性向上、顧客満足度(CS)向上といった効果が期待できます。

人材版伊藤レポート2.0では、エンゲージメント向上の取り組み例として以下5つが挙げられています。

  1. 社員のエンゲージメントレベルの把握
  2. エンゲージメントレベルに応じたストレッチアサインメント
  3. 社内の出来るだけ広いポジションの公募制化
  4. 副業・兼業等の多様な働き方の促進
  5. 健康経営への投資とWell-beingの視点の取り込み

上記の中でも、「1.」のエンゲージメントの現状把握、具体的には社内アンケート等の実施を優先して取り組むことが推奨されます。エンゲージメントの現状把握ができない場合、適切なエンゲージメント向上の制度設計が難しいためです。

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制度設計の要点と推進時に発生する課題の解決例

従業員エンゲージメントの状況把握ができた後は、具体的なエンゲージメント向上の取り組みに着手します。働きやすい環境整備や制度改定には、下記が挙げられます。

  • 企業のミッションやビジョンの共有
  • 人事評価制度の見直し
  • ワークライフバランスの改善
  • 社内コミュニケーションの活性化

このような内容を踏まえて設計することが効果的と言えるでしょう。

上記で挙げた施策のうち、IT・AIの力で効率化できるものもあります。特性に応じて分類するのが望ましいです。
人事評価制度の見直しを実施する際には、IT・AIが力を発揮する場面は少ないかもしれません。その一方で、社内コミュニケーションの活発化、効果測定・データ分析といった領域ではIT・AIは力を発揮します。
社内コミュニケーション活発化施策にて、IT・AIを活用した取り組みの具体例を挙げます。
テレワークやキャリア入社が一般化した昨今、コミュニケーション不足に陥る従業員が増えています。
社内ネットワークが乏しい故、社内で馴染めないキャリア入社者や、社内手続きを知らないまま非効率な業務を続けている同僚を見聞きした経験のある方は多いではないでしょうか?

コミュニケーションの不足を解消する取り組みとして、1 on 1や社内報の実施、全社イベントの企画が挙げられます。社内報の送信や全社イベントの周知には、ITツールを使うことで効率化を図れるため、導入を検討すると良いでしょう。
また、改善のサイクルを回すために、取り組みの実施後に社内アンケートを行うことも大切です。

しかしながら、アンケート作成・回答内容精査に時間がかかる、回答率が低く留まっているためにエンゲージメントの可視化・定量化が難しいといった課題が発生しがちです。このような作業を継続的・高頻度に行うとなると、作業負荷の高まりが予想されます。

そのような状況の場合、IT・AIの力を借りることで、より円滑に効果測定をできる場合があります。最近のツールではエンゲージメント向上の責任を負っている人事・経営企画部門以外にも、従業員への直接的なエンゲージメント向上効果を狙ったものも出始めています。
また、近年のHR Techツールやクラウドサービスは、自社にサーバ構築する必要がない SaaS(software as a service) 形式のものも多く、一昔前よりIT・AIサービスを自社内に導入する敷居も下がっています。

エンゲージメント向上の取り組み・仕組みを支えるIT・AIの適用例

従業員エンゲージメント向上の取り組みを支えるHR Techツールやクラウドサービスは多数あり、一例としてMicrosoft Viva製品群をご紹介します。Microsoft Viva製品群は以下のような現状把握のための機能を持っています。

  • 上層部がアンケート実施するための「Viva Glint」
  • 現場マネージャがチームのコンディションを追跡する「Viva Pulse」

また、エンゲージメント向上の取り組みを支える機能もあり、日々機能拡張されています。

  • 社内イベント周知・コミュニケーション改善の「Viva Amplify」
  • 社内質問投稿と、AIによる有識者とのマッチングができる「Answers in Viva」

Microsoft Vivaの製品群はMicrosoft 365上に構築され、予算や機能要求に応じて機能選択が可能です。従って、既にMicrosoft 365を導入済みの企業は導入しやすく、部分的・段階導入も可能といった強みがあります。

前述した中でも「Answers in Viva」は電通総研のソリューション「従業員向けコンシェルジュ」でも基盤技術の1つとして採用しています。「従業員向けコンシェルジュソリューション」も確認ください。また、Viva導入・活用についても電通総研へ気軽にご相談ください。

まとめ

人的資本経営とは、資本である人材の価値を最大限まで高め、中長期的な企業価値向上を目指す経営であり、上場企業では人的資本の情報開示が求められるようになりました。開示項目のうち、本記事ではエンゲージメント分野をピックアップし、施策に取り組む上でのコツを紹介しました。

従業員エンゲージメントの向上には、従業員エンゲージメントの状況把握から始めるのがお勧めです。また、施策の形骸化を防ぐためにも、定期的に従業員エンゲージメント調査を行うことが大切になります。

しかしながら、従業員エンゲージメント状況の定期的な調査実施は、現場の業務負荷が高まりがちです。業務負荷の低下にはIT・AIの活用が効果的であり、負担減を実現するITツールの代表例としてMicrosoft Vivaがあります。

電通総研の「従業員向けコンシェルジュ」でもMicrosoft Vivaの一機能を利用しています。従業員向けコンシェルジュにご興味を持たれましたら製品紹介ページをご覧ください。また、Vivaの導入・活用についても、お気軽に電通総研にご相談いただければ幸いです。

当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。

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