2004年にエリック・ストルターマン教授が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を提唱して以来、ここ数年間、国内でも〇〇DXという言葉が流行し、企業ではさまざまなトランスフォーメーションが行われています。営業部門の現場でも「営業DX」が進んでいるのではないでしょうか。そんな中、営業のデジタルトランスフォーメーションの中核としてSFAが改めて注目されております。本記事ではSFAの機能や効果、活用の方法を分かりやすくおさらいし、当社が提供するソリューションの概要もご紹介いたします。
目次
SFAとはSales Force Automationの頭文字をとった略称です。日本語に翻訳するときには、営業支援システムと呼ばれます。1990年代に米国から取り込まれた概念で、従来の「勘と経験と度胸」の俗人的な営業スタイルを可視化して、データに基づいた科学的・自動的な営業スタイルへの変革を目指しました。日本に持ち込まれた当初は、日本とアメリカの営業スタイルの違いで、導入に失敗したり、定着に苦労する場面もよく見られました。
ITシステムとしてのSFAはCRM(Customer Relationship Management、顧客管理)システムの一部として提供されることが多いです。これは顧客の情報を管理するCRMと、その顧客へのアプローチ・営業を管理するSFAをシームレスに連動するためです。
SFAは営業社員の日々の営業活動をサポートして効率化することを目的に、さまざまな機能をそなえています。主な機能と導入効果には次のようなものがあります。以下に列挙します。
顧客管理の機能では、お客さま毎に会社名や担当者の氏名や住所、部署名、役職、電話番号、メールアドレスなどの顧客情報を管理します。営業社員がコンタクトをしたお客さまの情報を一元で管理でき、組織内で活発な情報共有を実現します。
商談管理の機能では、商品のセールスに関するあらゆる情報を管理します。見込み顧客の管理からスタートし、セールスや商談の内容の段階の見える化、次の営業活動のアドバイス、停滞している行動の有無など進捗状況をシステム上で分かりやすく示します。その結果、案件の受注までのプロセスを見える化し、営業社員が自律的に次のアクションをとることを促します。過去の商談情報なども履歴で保持しているため、担当営業が変更となる場合の情報引継ぎも抜け漏れなく効率的にできるようになります。
行動管理の機能では、営業活動の様々なメトリクス(指標)を記録します。テレマーケティングの電話回数や、お客様への訪問数、ダイレクトメールの開封率などの基礎的な数値から成約率まで数値化して管理することが特徴です。行動のデータを可視化し、優秀な営業社員の活動の特徴やノウハウを組織内で共有でき、ブラックボックス化を解消します。この情報を人材の育成などに活用することで営業活動の底上げに関するヒントを得ることができます。
営業社員の個人やチームとしてのスケジュール管理を実現できます。営業社員が自身のために利用する以外にも、例えばマーケティング部門が見出した見込み顧客のリストに基づいて、チームでアタックするといった戦略的なタスク管理も実現可能です。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスの分業を推進し、活動を調整する時間を解消して業務の効率化に役立ちます。
売上予測・予実管理の機能では、蓄積した様々な数値データに基づき集計ツールや分析ツールなどのレポートを通して、営業活動のKPIを見える化を行います。システムの利用者が簡単な操作で自らレポートを作ることもできます。レポートを組み合わせて、組織専用の営業ダッシュボードを構築でき、組織の状況を大局的に捉えることが可能です。マネージャーは各チームや担当者の状況を一覧で確認することができ、それぞれに必要なサポートやアドバイスを適切なタイミングで行うことができます。
パフォーマンス測定は、営業社員の活動と結果を可視化し、評価するための重要な機能です。特に、個々の営業社員の行動や成果を具体的な数字で把握することで、その活動の改善点を明確化し、組織全体の営業力強化に繋がります。フィードバックを定期的に提供することで、営業社員は自分のパフォーマンスを客観的に理解し、自己改善につなげられます。
営業自動化機能は、繰り返しのタスクや手間を取る作業を自動化することで、営業社員の生産性を大幅に向上させるための機能です。例えば、各種データの入力、メールの一斉送信、リマインダーの設定など、手作業で行うと非効率なタスクを自動化することで、営業社員はより価値の高い営業活動、例えば新規顧客の開拓や既存顧客との深耕に専念できます。これにより、営業の効率性と結果の質を大きく向上させることができます。
今後は営業支援の領域でも生成AIの活用が期待されています。AIは大量の顧客データ処理と分析を迅速に対応し、戦略的な洞察を生み出すことが可能です。これにより営業の効率を大幅に向上させ、顧客体験のパーソナライゼーションを実現します。また、AIチャットボットの利用により、自動で24時間/365日の顧客サポートを提供し、営業社員フォローし業務負担を軽減します。こういったAIの活用は組織の売上向上と競争優位性獲得に非常に有益です。本記事では説明しませんがAIはMA(マーケティングオートメーション)と連携しての活用で大きな効果が期待できます。
営業を見える化・導く・やるべきことがわかる組織にする 営業支援ソリューション 基本ガイドブック
SFAはシステムとして利用しますが、現在はパッケージソフトウェア型だけではなくSaaS型やクラウド型の製品も増えてきています。国内で多く利用されているSFAシステムには次のようなものがあります。
セールスフォース(Salesforce, Inc)社が提供するSaaS型のソフトウェアです。 世界No.1の実績を持つSFAシステムで、デジタルマーケティングやカスタマーサービス等の様々な機能を有しており高い拡張性を持っています。
マイクロソフト(Microsoft Corporation)社が提供するSaaS型のソフトウェアです。 Office製品との連携が容易に可能なことが特徴です。ユーザーインターフェイスが通常使用しているWindowsやOffice製品と類 似していることもメリットです。
またSFAには、業界に特化したシステムも存在します。金融業界向けの例を挙げます。
セールスフォース社が提供するSales Cloudを拡張したサービスです。金融業界特有の金融口座や顧客家族のリレーション情報など金融業界に特化したデータを管理する機能が用意されています。
当社が提供するソフトウェアで地域金融機関向けの営業力強化を目指したシステムです。 訪問計画策定から日報などの報告までの日常定型業務の重複作業を排除し、簡易かつモレなく行うことが可能です。 詳細はこちら BANK・R 営業支援 | ソリューション | 電通総研 (dentsusoken.com)
当社が提供する営業支援ソリューションについても簡単にご紹介します。
当社の営業支援ソリューションは営業社員が向かうべきゴールへのナビゲーションをご提供することを目指しています。ゴールに対する現在のポジションはどこか、最適な活動は何か、解決すべき課題は何か、注意すべきことは何か、を考えて、「次の行動」をご提案いたします。営業活動への「次の行動」を指し示すことを営業支援活動へのナビゲーションと呼び、当社の営業支援ソリューションは「営業の目指すゴールに最適な行動をナビゲーションする」ことを実現いたします。ぜひ営業支援ソリューションのご紹介ページもご参考にしてください。
「営業支援ソリューションのページ」
「SFA(営業支援システム)とは?」をタイトルに説明してまいりました。SFAとはなにか、SFAが持つ機能や導入効果についてご理解いただけたかと思います。SFAについては導入したが定着や運用に課題を抱えるケースも散見されています。弊社では導入だけではなく、その活用や体制づくり、利用範囲の拡大などの支援も多数実施しております。SFAについてのご検討の際は是非ご相談ください。また、当サイトのブログ記事ではSFAに関連する記事を引き続きご提供する予定です。ぜひお楽しみにしてください。
当サイトでは、顧客接点DXソリューションに関するダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひダウンロードいただき、資料をご活用ください。
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