生成AIの活用は、もはや一部の先進企業だけの取り組みではなく、あらゆる業種・業務に広がりを見せています。特に、日々の業務の中で何度もアクセスし、膨大な情報の中から必要なデータを探し出す作業が発生する営業やカスタマーサービスの領域では、その効果が顕著に表れてきます。
前回のブログでは「活用頻度 × 1件あたりの効果」という視点から、Copilotを利用する業務シーン選びやCopilot for Sales/Serviceを活用事例についてお話しました。 ・Copilot for Sales/Serviceを活用した生産性向上(Vol.111) https://crm.dentsusoken.com/blog/copilot-vol111/
今回はさらに営業担当者やカスタマーサービス担当者が頻繁に利用するDynamics 365 Sales/ServiceのおけるCopilot機能「Copilot in Dynamics 365 Sales/Service」をどのように活用すれば、生産性と顧客体験を同時に高められるのかをご紹介します。
目次
Microsoft 365上で働くCopilot for Sales/Serviceと異なり、Copilot in Dynamics 365 Sales/ServiceはDynamics 365 Sales/Serviceの画面に組み込まれています。
Dynamics 365 Sales/Serviceは営業やカスタマーサービスの現場において、毎日必ずアクセスする場所です。 したがって、活用頻度の高いCopilot in Dynamics 365 Sales/Serviceを使いこなすことはCopilotの効果を最大限に引き出すためのキーとなります。
本稿ではCopilot for Sales/Service との違いを踏まえながら、Copilot in Dynamics 365 Sales/Serviceを活用して生産性を向上させるための方法を掘り下げていきます。
Copilot for Sales/Service との違いは以下のような観点でまとめることができます。
*1 利用可能なプランなど、ライセンスの詳細は公式FAQ・ライセンス情報を参照してください。
上記をまとめると、製品ごとに以下のような役割分担ができています。 Copilot for Sales/Service:Outlook/TeamsでSFA/CRMに蓄積したデータを利用してコミュニケーションのスピードアップ
Copilot in Dynamics 365 Sales/Service:Dynamics 365という顧客接点情報基盤の中で、業務遂行とデータの蓄積・活用をサポート
営業担当者は日々の活動で得た案件やその経緯を部内で共有するために資料を作成します。案件の情報量は顧客との商談期間に比例して増えるため、営業担当者はその整理に多くの時間を要します。
Copilotは営業案件のレコードを開いたときに、情報を自動的に要約して表示してくれます。 営業担当者はその情報をもとに内容を素早く把握できます。
(レコードの要約)
(タイムラインの要約)
また、営業担当者は受注が近づいている案件や逆に遅延している案件について、部内で共有して対策を打ち出すため、欲しい情報を素早く取得する必要があります。 埋め込まれたCopilotのチャット機能を利用することで、必要な営業案件情報を表示できます。
営業担当者やサービス担当者は日々多くの情報を入力します。入力漏れや入力ミスを減らしてスムーズに手続きを進めることで、より正確なデータの蓄積に繋がり、データ活用がしやすくなります。 Copilotはフォーム画面でクリップボードやファイルを読み込んで、各列への入力値を自動的に提案します。 以下はクリップボードから読み込んだ場合の例を紹介します。
まず、Excelなどの情報をクリップボードに読み込みます。
フォーム画面でクリップボードからの読み込みボタンを押すと自動的に入力値を提案します。 提案を受け入れることで自動的に値が列へ入力されます。
Copilot in Dynamics 365 Sales/Serviceは、SFA/CRMという日常業務の中心にCopilotを直接組み込むことで、「情報を探す」「整理する」「次の一手を考える」という一連の流れを大幅に短縮します。営業担当者は、商談や顧客との対話により多くの時間を割けるようになり、カスタマーサービス担当者は回答品質とスピードを両立させながら顧客満足度を高め、「活用頻度」と「1件あたりの効果」の両面から生産性を向上させることができます。
さらに、Copilot for Sales/ServiceとCopilot in Dynamics 365 Sales/Serviceを組み合わせることで、社内外のコミュニケーションと業務データ蓄積・活用がシームレスにつながります。 これは単なる業務効率化ではなく、組織がデータの蓄積から活用までのサイクルを回し続けるための基盤づくりとも言えるのです。 Dynamics 365とCopilotを組み合わせることで、担当者がより付加価値の高いサービス提供を行える環境づくりをしていきましょう。
電通総研では、Microsoft Copilotの導入、活用支援のコンサルメニューを用意しています。Copilot活用をご検討時は気軽にお声かけください。
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