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進捗管理を見える化する目的・メリットとは? ツール利用など見える化の方法も解説(Vol.113)

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進捗管理の見える化は締切・納期に向けた円滑な業務の遂行、商談の成立・予算達成に向けた取り組みに欠かせないポイントです。現在では、適切な進捗管理を行うために見える化が欠かせない状況になっているといえるでしょう。

この記事では、進捗管理の見える化について、目的やメリット、方法などを紹介・解説します。見出しを目次に見立ててぜひ、気になる情報からご覧ください。

進捗管理を見える化する目的

見える化!の文字を指す差し棒の指

まずは進捗管理を見える化する主な目的について解説します。

業務の安定的な進行を確保する

進捗管理を見える化する主な目的は、業務・プロジェクトの進捗状況を組織的に、かつ適切に把握することで安定的な進行を確保することにあります。見える化を実行することで、その先にある、業務・プロジェクトの目的達成のために必要な進捗管理を効率よく行うことが可能です。

そもそも進捗管理の見える化とは

そもそも進捗管理の見える化は、業務の進捗度合い、進行状況が誰の目にも明らかにわかるように可視化することであり、ひと目で把握できるようにするための試み、仕掛けです。どの工程で誰がどこまでやっているか、チーム全体でも個別でも確認できるようにすることで、報告や確認の手間や時間を省けると同時に、チェック漏れを防ぐことができます。

進捗管理の見える化が必要となった理由

進捗管理は元来、どのような企業であっても比較的見えにくい部分があったといえるでしょう。とくに営業マンの活動は個人で動くことが多く、周囲からは進捗が見えにくいものです。それでもチームのメンバーが近くにいれば、手間はかかるものの個別に直接確認することは可能です。しかし、働き方の多様化の影響もあり、直接相手に確認する機会が減ってしまうなど、進捗状況の共有が困難な状況は拡大しています。

そのために生じる不具合を回避し、計画通りの商談、業務遂行、プロジェクトの完成を目指すための手段として、進捗管理を見える化する必要が生まれたといえます。

さらに、従来の進捗管理では、管理する方法が企業や部署によって、場合によっては人によって異なることがあります。情報の更新頻度もそれぞれとなれば、いつ誰がどこまで終わらせているのか、現時点で何をやっているのかがわからないといった事態が生じても不思議ではありません。そもそも把握できている進捗状況が現実と一致しているかどうかもわからないなどという事態も生じ得ます。

また、進捗が見えていないと計画通り終わるのか、ずれが生じるとすればどの程度なのか、カバーするにはどこを変える必要があるのかといった対策も打てません。このような理由が重なり、進捗管理の見える化が必要となっています。

営業活動における商談の進捗管理でいえば、細分化された営業プロセスのどこまで進んでいるのか、滞っているとすれば何が原因なのかといった状況の見える化が重要です。

進捗管理を見える化するメリット

MERITの文字パーツ

進捗管理を見える化すると具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

進行状況の正確な把握・情報共有によりトラブル回避や問題の早期発見ができる

進捗管理を見える化することで、正しい現状認識が容易になります。チームの管理職だけでなく、他のメンバーにも情報が共有されるため、作業の抜けやトラブル要因の早期発見が可能です。問題が生じた際に素早い対処ができる、全員で解決策を考えることができるなど、その場その場で必要なことがわかり、仕事が進めやすくなります。

優先順位が明確になる

たとえば完全に個人プレーで行われる営業活動は別にして、チームで動いている営業やプロジェクトにおいては、作業によって遅れているものもあれば進んでいるものもあるといった状況が生まれる可能性が低くないでしょう。

進捗管理の見える化によって、進行ペースに乱れが生じたときでも、しっかりと状況を把握することが可能です。その結果、優先順位が明確になり、進んでいる作業から遅れている作業にメンバーを振るといった挽回策につながります。また、遅れてはいないものの、いまやるべきではない作業が優先されていないかといった点もチェック可能です。無駄がなく効率のよい営業活動につながる点は大きなメリットだといえます。

リソースを有効活用できる

進捗管理を見える化しておけば、念のための確認や共有するための時間や手間(コミュニケーションコスト)を削減できます。また、現時点の状況だけでなく、この先の予測もしやすいことから、リソースを投入すべきタイミングを外さない効率のよい業務実現が可能です。さらに、優先順位にも関係していますが、現時点では遅れていなかったとしても、この先で遅れが生じそうなところや、手が足りていないところに手すきの人材を回すといった調整が可能になります。

進捗管理が見える化されていない場合、状況を把握している人間が限られることとなり、このような対応も上からの指示を待って行われることになりがちです。しかし、見える化が進むことで、進捗状況を共有したメンバー間での臨機応変な応援・サポートが期待できるようになります。

進捗に対する意識づけ

進捗管理の見える化では、業務全体の進捗状況に加え、個々の進捗もオープンになります。自分の作業が進んでいない、予定よりも遅れているといった事実が他のメンバーに知られることになるため、一種の危機感を持たせることが可能です。進捗に対する意識の向上につながり、遅れずかつ正確に業務を遂行することが当たり前になるでしょう。営業現場では、進捗の遅れは顧客を逃してしまうことにもなりかねないため、意識づけのメリットは大きいといえます。

属人化の防止

業務の属人化は営業においても懸念されている事柄です。進捗管理を特定の担当者に任せていると、担当者がいないと進捗状況がわからないといった属人化が進んでしまいます。また、個々の営業マンの自己管理に任せていると、報告がない限り誰にも進捗がわからないといった状況に陥りかねません。属人化が進むと管理担当者や営業マン本人以外は進捗に無関心・無責任になりがちですが、見える化によって属人化を防げます。

教育・研修や適所配置の判断材料になる

進捗管理を見える化すれば、進捗が遅れているメンバーについて、タイムリーにその原因を探ることが可能です。原因がわかれば、教育・研修による能力アップの必要性や適所配置、担当業務量の調整といった判断材料になります。

生産性が向上する

進捗管理の見える化のメリットであるトラブルを防ぐためのリソース調整や優先順位の明確化、トラブルの早期発見と早期解決や進捗意識の向上などは、そのどれもが結果として生産性を向上させることにつながります。営業活動、商談における進捗管理の見える化で生産性が向上すれば、受注率や受注件数、受注金額のアップが期待できるでしょう。進捗管理を見える化する真の目的は、ここにあるといっても過言ではないといえます。

進捗管理を見える化する方法

HOW TOと書かれたキューブ

進捗管理の見える化を推し進める際の、大まかな手順をご紹介します。

課題・タスクの洗い出しと整理

進捗管理の見える化は、現状の把握から始めます。メンバーが抱えている課題やタスクを一覧できるようにすべて洗い出し、見える化すべき対象を整理することが重要です。見える化が不要または対応しきれないケースがあることを念頭に、優先順位をつけて整理します。この過程でいままでは気づかなかったタスクの重複や、不要なタスクの存在が明らかになることもあり、業務の効率化が捗るでしょう。

進捗管理の仕組みを決める

洗い出しと整理がすめば、進捗管理の仕組みを決めます。具体的な項目は下記のとおりです。

  • リーダーとなる担当者の選任

進捗管理の見える化は、管理職以下メンバー全員が情報共有できることが前提ですが、それぞれがばらばらに動いていたのでは効果的な見える化ができません。リーダーとなる担当者を選任して、見える化の指揮・管理を行います。簡単にいえば音頭をとる人の選任です。

  • リアルタイム更新の仕組み構築

進捗管理の見える化が役立つのは、リアルタイムで状況を確認できる点にあります。したがって、リアルタイム更新でデータの登録が可能な仕組みを作ることが重要です。タスク管理ツールやSFAなどの活用が望ましいといえます。更新担当者を置いて報告が上がったものを反映させるようではタイムラグが生じるだけでなく、見える化の意味が曖昧になってしまうでしょう。

  • 工数と時間の予測

それぞれのタスクにどの程度の工数が必要で、どれくらいの時間がかかるのかを予測します。全体のスケジュール上、無理のない範囲で設定を考えるためです。工数や時間がわからないままでは、そもそも段階を追って結果に導く進捗の管理ができません。

  • KPI設定

進捗を見るうえで、KPI(重要業績評価指標)の設定は重要です。KPIを設定し、途中経過としての進捗達成度合いを見ることで、効率のよい業務推進を目指せます。売上獲得を目指す営業のプロセスでは、商談数や受注率などがKPIになり得るでしょう。インサイドセールスであれば、コネクト数やコネクト率、商談化件数や商談化率などが考えられます。

  • フォーマットの統一

フォーマットが統一されていないと、人によって異なるフォーマットが使用されることがあり、使い勝手が悪くなります。フォーマットの統一は外せない条件だといえるでしょう。

  • フィードバックやコミュニケーション方法の設定、確認

フィードバックやコミュニケーションの方法はさまざまですが、やりとりが円滑に行えるように簡単に使えるコミュニケーションツールの利用が考えられます。コミュニケーション方法を設定したら、メンバー全員が使えるように周知、確認することが重要です。

  • 利用する手段の決定

進捗管理の見える化に使用する手段を決めます。主な手段として、カレンダーや後述するホワイトボードやガントチャート、エクセルや進捗管理ツールなどがあります。

進捗管理を見える化する主な手段

PCでガントチャートを操作する手

一般的に、進捗管理を見える化する手段としてはいくつかの選択肢があります。
代表的な手段のいくつかを、注意点や特徴とともにご紹介します。

ホワイトボード

ホワイトボードは伝統的な進捗管理手段のひとつであり、大型のものを使えば見える化に役立ちます。会社として自由にフォーマットを設定でき、誰でも記入や修正・削除が容易です。

ただし、ホワイトボードは一枚の物体であり、置いてある場所以外では何もできないしわからないという点が大きなデメリットです。また、案件ごとに使いまわすのが前提であり、記録として残らないため、残したい場合は書き写すなどの作業が発生します。見える化の進め方としてはマッチ度が低いでしょう。

ガントチャート

システム開発の現場でよくみられる進捗管理表は、ガントチャートである場合が多いといえるでしょう。タスクの項目・内容を縦軸に、期日や期間を横軸にした表がガントチャートです。ガントチャート自体はホワイトボードのような物体でもなければ、ソフトウェアでもありません。ホワイトボードに書き出したり貼り出したり、パソコンで作成して管理したりする表形式のデータ・情報です。コツをつかめば見やすくきれいに作れるでしょう。

大まかな項目としての進捗は見える化できますが、それ以上の細かい内容はスペースの問題で見える化に向いていないといえます。

エクセル

統合型スプレッドシートであるマイクロソフト社のエクセルを使って表組みすることで、手軽に進捗管理表ができあがります。Web上で無料テンプレートが手に入ることもあり、ガントチャートをエクセルで作るケースも少なくないようです。エクセルは着手が容易なだけでなくさまざまな関数が使え、マクロを組むこともできるため、かなり手の込んだ進捗管理ができます。しかし、詳細な管理にはカスタマイズや操作についての知識が必要です。また、手間もかかり、使い勝手の面などからリアルタイム更新にも限度があるといえるでしょう。

進捗管理ツール

進捗管理が可能なITツールを活用すれば、リアルタイムで簡単に使え、ストレスのない進捗管理が可能になります。進捗管理が可能なITツールには、タスク管理ツールやプロジェクト管理ツール、ワークフロー管理ツールなどがありますが、進捗管理に特化していないITツールにも同様の機能をもったものが少なくありません。

進捗管理ツールとは

属性ノートPCとマウスとスマホ

前項の最後に挙げた「進捗管理ツール」について、更に詳しく解説します。

クラウドの管理ツールなら機動的に使える

前述したように、進捗管理ツールには管理する対象範囲の違いがあるだけでなく、進捗管理以外にも使えるツールもあり、さまざまな選択肢があります。管理内容の違いとは別に注意したいのが、クラウド型とオンプレミス型の違いです。

現在のITツールではクラウド型が主流になっていますが、オンプレミス型がないわけではありません。クラウドサービスで提供されている管理ツールなら、誰でもどこにいても24時間インターネット経由でスムーズなアクセスが可能です。一方、オンプレミス型は自社に設置したシステムを利用するため、初期投資やランニングコストが大きく、ネットワークでの利用もクラウドほど簡単ではありません。営業の商談のように外出先での活動がメインとなるビジネスでは、クラウド型がおすすめです。

SaaSと総称されるクラウドサービスは、月額料金制のサブスクリプション契約が多く、一度に高い費用を負担したくないニーズにも適しています。

ツールによって管理手段が異なる

進捗管理ツールはメーカーが多く、さまざまなタイプがあり、管理する手段、手法もそれぞれです。進捗にしたがってタスクが横に移動するカンバン方式や、前述のガントチャート方式などの違いがあります。また、ツールによっては複数の方式を搭載しているものもあり、選択に迷ってしまうかもしれません。

進捗管理ツールを使うメリット

進捗管理ツールを使う主なメリットは下記のとおりです。

  • 複雑な操作が不要で誰でも簡単に使える
  • スマホからでも使える
  • 情報共有が簡単にできる機能を持ったツールもある
  • リマインド機能でミスを防げる
  • 自社に適した機能を持ったツールを探せる
  • セキュリティ面で安心

ただし、ツールによって機能が異なるため、導入にあたってはそれぞれの比較検討が重要です。また、営業プロセスにおいては単に進捗管理ができるだけでなく、顧客管理や営業支援を含めたマネジメントにも役立つトータルソリューションがおすすめといえるでしょう。

ツールの種類としては、初回接触や課題のヒアリング、ソリューションの提案、クロージングから受注といった取引先管理、案件管理、商談管理、活動管理などができるCRMやSFAが該当します。

▼たとえば電通総研の営業支援ソリューション導入により、効率のよい進捗管理、見える化が可能です。ぜひご活用ください。

・電通総研の営業支援ソリューション

https://crm.dentsusoken.com/sales-support/

進捗管理の見える化にあたって注意すべき点
ノートPCに三角の注意マーク

進捗管理の見える化にあたって注意すべき点を確認しておきましょう。

社内の風通しをよくする

進捗管理の見える化は社内の風通しがよくなければ絵に描いた餅になってしまうおそれがあります。たとえば、運用が周知されていないためにリアルタイムの更新ができない事態になれば、期待した効果を得られない可能性が高くなるでしょう。また、導入後の情報共有やコミュニケーションが不十分な場合、状況に対するサポートや課題解決が遅れてしまうことも考えられます。

社内の意思統一が前提

新しいやり方への抵抗感や考え方の温度差があると、せっかく見える化を開始しても見えにくいままになってしまう懸念があります。温度差とまではいえなくても、現状の解釈が異なれば結果は同じです。風通しのよさとも関連しますが、リモートワークが増えている環境下では人間関係が希薄になり、意思統一が難しい部分もあるでしょう。だからこそ、進捗管理の見える化を活かすための社内の意思統一、連携が不可欠だといえます。

見える化で見えない部分に注意する

見える化で見えている部分は表示が可能なものに限られるため、実は潜在的な問題があったとしてもわからない点に注意が必要です。また、各自の詳細な状況は本人にしかわからない部分があり、データとして上がっていないと他のメンバーには見えません。見える化に頼り切っていると、見えない部分はないものとして扱われるおそれがあります。

この問題は、見える化が手段ではなくなり、見える化することが目的化してしまうのと同じ結果をもたらしかねません。そのため、カンバンやガントチャートを見るだけでなく、コミュニケーションを密にすることや定期的なミーティングも必要です。

自社に適した管理ツールを選ぶ

前述したように、管理ツールは数多く存在しており、機能やユーザーインターフェース・使い勝手もさまざまです。自社に適したツール、ユーザーフレンドリーなツール選びが重要です。機能や使い勝手に不足があるツールを選んでしまうと、「ちゃんと進捗管理ができない」「見える化が中途半端だ」といったことが起こり得ます。

たとえば、プロジェクトの進捗管理をしたいのにタスク管理ツールを選んでしまう、モバイル端末から操作したいのに、パソコン重視のツールを選んでしまうといったケースです。

PDCAを回す

進捗管理の見える化やツールは、導入・稼働して完了するのではなく、PDCAを回すことが重要です。キチンと効果が出ているのか、よりよい結果を出すための改善策は何かといった分析や検討を続けることで、常に最適な状態を確保し、最大限の効果を追求します。

進捗管理の適切な見える化で生産性の向上と品質アップを実現しよう

進捗管理の見える化は、営業活動における商談などの業務が予定通り進んでいるか、問題が生じていないかを確認し、必要な対処をするために欠かせない取り組みです。進捗管理を適切に行うためには、SFAのようにさまざまな営業支援ができるITツールの利用が役立ちます。自社の状況に合わせてITツールを選択し、進捗管理の適切な見える化で生産性と品質の向上を実現しましょう。

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