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PIMとは? 機能や導入が向いている企業、メリット・デメリットを解説(Vol-139)

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数多くの商品を取り扱う企業には、PIM(Product Information Management)の導入がおすすめです。

PIMを活用することで、商品情報を1つのシステムで統合的に管理できます。この記事では、PIMについて詳しく解説します。導入が向いている企業や具体的な機能を紹介するので、ぜひご覧ください。

PIMとは|Product Information Managementの概要

PIM(Product Information Management)とは、商品情報を一元的に管理するシステムです。「商品情報管理」とも言います。PIMは商品の仕様書や画像、価格といった基本情報に加えて、プロモーション情報も収集・管理します。具体的には、商品説明のテキスト、ブランドロゴ、キャッチコピー、マーケティング資料などの幅広いデータです。

個別のツールに点在している商品情報をPIMに集めることで、複数の販売チャネルへ一貫したデータの配信が可能になります。マーケティング活動の正確性を高め、業務の効率化も実現できます。

PIMの代表的な機能

PIMの機能は、製品によって細かな違いがあります。ここでは、以下4つの代表的な機能を紹介します。

商品情報管理

商品情報管理とは、登録した商品のデータを統合管理する機能です。商品名、コード、価格、商品画像、商品説明、取扱説明書といった情報が集約され、カテゴリや属性による階層構造で管理します。類似商品および付属品を紐付けられるため、検索・閲覧した際に1つの商品の関連アイテムを一目で確認できます。

また、PLMやERPなどの既存システムと連携すれば効率的にデータソースを取り込めることから、手作業でデータを登録する手間がかかりません。売上や販売・在庫状況といった他システム上のデータもまとめられます。PIMとPLM・ERPの違いは、次の章で解説します。

品質管理

品質管理とは、商品情報の一貫性や正確性を保つ機能です。新規登録や編集された商品に情報の不足や矛盾、他商品との重複があれば自動で検知して、修正するように管理者へ通知します。仮にPIMに登録された商品データに誤りがあれば、コンテンツ配信先である販売チャネル上にも誤情報を展開してしまいます。品質管理機能によって正確なデータを保つことで、間違った情報が顧客に届いてしまうリスクの回避が可能です。

マルチチャネル配信

マルチチャネル配信とは、WebサイトやECモール、アプリ、カタログなど、複数の販売チャネルにコンテンツを配信する機能です。PIM上の商品情報を更新すれば、連携しているECサイト等にも反映されます。カタログの場合、PIMのデータを編集ソフトに出力することで簡単に最新の商品情報を掲載できます。PIMで一元管理している商品情報を出力できるため、販売チャネルごとに手作業でデータを入力する必要がありません。

ワークフロー管理・権限設定

ワークフロー管理とは、商品登録や配信などの業務を管理する機能です。ユーザーが商品を登録・編集した際の承認または差し戻しのプロセスを設定して、最終的に販売チャネルへ商品情報が配信されるまでの流れをシステム化します。商品のステータスが可視化され、「商品Aは最終承認されて「ECサイトで公開中」「商品Bは承認待ち」のように進捗管理が可能です。また、ユーザーごとにアクセス範囲や編集権限を設定できるため、セキュリティ上のリスクも抑えられます。

PIMと似ている用語の違い

商品情報を扱う製品はPIMだけでなく、さまざまなシステムがあります。PIMと似ている5つの用語との違いを確認しましょう。

PLMとの違い

PLM(Product Lifecycle Management)とは、製品ライフサイクルを管理するためのシステムです。企画→設計→開発→製造→販売→保守→廃棄の各工程で生じる製品データを管理して、製品の開発リードタイム短縮や品質向上を目指します。したがって、PLMは製品の技術仕様や設計図などの内部向けデータを扱います。一方のPIMは、顧客向けに公開する商品情報を管理する点が特徴です。

PDMとの違い

PDM(Product Data Management)とは、製品開発に用いる情報を管理する製品です。前述のPLMは製品ライフサイクル全体の管理を担いますが、PDMは製品の設計・開発段階のデータ管理に特化しています。PLMと同じくPDMは社内で活用するCADや図面といったデータのみ取り扱うことから、PIMのように消費者に見せるための商品情報や商品画像は管理しません。

PXMとの違い

PXM(Product Experience Management)とは、製品体験管理の略称です。あらゆる製品データを統合管理して、優れた顧客体験を実現するための施策や製品を意味します。PXMにはPIMや、デジタルコンテンツを管理するDAM(Digital Asset Management:デジタルアセット管理)が統合されています。つまり、PXMとはPIMやDAMによるデータ管理に加えて、さらなる顧客体験の向上を目的として運用されるシステムです。

MDMとの違い

MDM(Master Data Management)とは、組織のマスターデータを統合管理するためのシステムや取り組みです。商品、顧客、取引先、ロケーションといったデータを整理して、情報の正確性を保ちます。PIMよりも取り扱う情報の範囲が広く、企業を支える基幹データを全般的に管理できる点が強みです。一方、PIMは商品情報の管理を専門的に行うため、マーケティングや販促活動の効率化に役立ちます。

ERPとの違い

ERP(Enterprise Resource Planning)とは、企業のあらゆる資源を一元管理して有効活用するためのシステムです。「企業資源計画」とも呼ばれ、生産や販売、在庫、人事、といった業務を包括的に管理します。上記のMDMはデータの正確性や品質管理を重視しており、ERPはデータの活用に焦点を当てています。ERPも社内向けのシステムであり、PIMのように顧客に見せるための情報管理は想定されていません。

PIM導入が向いている企業の特徴

PIMはどのような企業におすすめできるのでしょうか。PIM導入が向いている企業の特徴を4つ解説します。

商品の種類が多い

取り扱っている商品の種類が多い場合、商品情報の管理が複雑になりがちです。あるいは、商品の点数自体は膨大でないものの、新商品やリニューアルの頻度が高い場合も同様でしょう。そこでPIMを導入すれば、スムーズな情報管理を実現できます。既存システムと連携することで商品情報を簡単に取り込めるうえ、品質管理機能によって情報の重複や矛盾が検知されます。商品の登録・更新作業が効率化され、生産性の向上へとつながるでしょう。

複数の販売チャネルがある

ECサイトや店舗、カタログなど、複数の販売チャネルを持つ企業には、PIMの導入がおすすめです。販売チャネルが多いほど、媒体によって掲載されている情報が違う状況が生まれやすくなります。手の回らないチャネルに古い情報を掲載し続ければ、消費者に不信感を与えてしまうでしょう。PIMがあれば、複数のチャネルへ統一された商品情報を配信できます。一貫したブランドイメージや購買体験を提供できるため、顧客との信頼関係構築にも貢献します。

複数部門に商品情報が散在している

企画や開発、営業、マーケティングなどの複数部門が個別に商品データを管理している場合、統合されたデータベースが存在しません。「製品仕様は開発部門」「販売情報は営業部門」とデータが分断された状態では、知りたい情報を探し出す作業に多くの時間を取られてしまいます。PIMを導入することで、商品情報を1つのプラットフォームにまとめられます。目当ての商品データへすばやくアクセスできるようになり、部門間の連携もスムーズになるでしょう。

グローバル展開を必要としている

グローバル展開には多言語対応が必須ですが、商品情報を1つひとつ翻訳する作業は非常に煩雑です。PIMを導入すれば、スムーズな多言語対応を実現できます。PIM製品の中には翻訳機能があるソリューションがあり、商品情報が自動で指定の言語に変換されます。たとえば、PIM製品の「Centric PXM(旧:Contentserv)」は、販売チャネルの言語に合わせて商品情報が翻訳される仕組みです。手作業で翻訳する必要がなく、世界に向けて商品情報をスピーディに発信できます。

PIMを利用するメリット

PIMを利用する具体的なメリットは、次の5つです。

すべての商品情報を一元管理できる

PIMを活用すると、販売チャネルや部門の違いにかかわらず、すべての商品情報を一元管理できます。PIMを導入していない場合、商品に関する情報は社内の各ストレージに点在しています。販売チャネルへ情報を配信する際は、異なる保管場所から個別にデータを都度確認しなくてはいけません。PIMによって商品データが1つのシステムに集約することで、商品情報の管理作業を大幅に効率化できます。

各チャネルの商品情報を統一できる

PIM上で商品データを更新すれば、各チャネルの情報も一括で更新されます。販売チャネルごとに手作業で情報を更新する場合、編集ミスや情報の抜け漏れが起きやすくなるでしょう。PIMで自動的に商品情報を反映したり、PIM上のデータをカタログに出力したりすることで、手作業によるミスを防げます。すべての販売チャネルで常に統一されたデータを公開できるため、顧客へ誤った商品情報を伝えてしまう心配がありません。

DX化を進められる

PIMの導入は、事業を変革させるDX化の推進にも貢献します。たとえば、PIMは販売活動のリードタイム短縮に役立ちます。商品情報をシステム上に統合しているため、製品の資料作成やプロモーション展開をすばやく進められるでしょう。結果的にすばやい市場投入が可能になり、自社の競争優位性を高めます。また、自動的な翻訳機能によって簡単に多言語対応できることから、グローバル展開も可能になります。

必要な情報へすばやくアクセスできる

PIMがあれば、従業員は必要な商品情報へスムーズにアクセスできます。知りたい情報に関して他のメンバーに聞いたり、異なる部門に確認したりする手間が省けます。また、部門間での商品データの重複や不一致もなくなるため、「どの商品情報が正しいのかわからない」と従業員を悩ませることもありません。部門をまたいで最新の商品情報を情報共有できることから、従業員の生産性向上につながるでしょう。

誤った商品情報を公開するリスクを減らせる

多くのPIMはバージョン管理に対応しており、誤った商品情報を外部へ公開するリスクを抑えられます。バージョン情報を参照すれば誰がいつどのように情報を更新したのかがわかるため、過去の編集履歴を参照しつつ商品情報を編集できます。仮に誤った情報に変更されていても、前のバージョンへの復元や担当者への問い合わせが可能です。多くの顧客へ誤情報を届ける前に、すばやくデータを修正できます。

PIMを利用するデメリット

PIMを利用するメリットは多いものの、以下2つのデメリットも存在します。

費用がかかる

PIMに限らず、新たにシステムを導入する以上はコストが生じます。オンプレミス型製品はサーバー等のハードウェアの設置が必要になり、保守運用の費用も発生します。クラウド型であれば物理機器の導入は不要ですが、ユーザー数やストレージなどのリソースに応じたランニングコストが発生するでしょう。PIMの利用によって得られる効果と導入・運用にかかる費用を検証して、コストパフォーマンスを最大化することが大切です。

一定の知識が必要になる

PIMを導入する際は、一定のIT関連知識が求められます。既存のPLMやERPで管理しているデータや業務フローを洗い出して、どのようにPIMと連携させるかを検討しなくてはいけません。また、従業員へのトレーニングも必要になるでしょう。社内のリソースに不安がある場合、導入支援サービスへの相談がおすすめです。たとえば、株式会社電通総研は、PIM製品「Centric PXM(旧:ContentServ)」の導入支援サービスを提供しています。

▼Centric PXM(旧:ContentServ)の導入支援はこちら
https://crm.dentsusoken.com/pim/

PIM導入を成功させるポイント

PIM導入を成功させるためには、次の3つのポイントに注目しましょう。

商品データの整理とルールの策定

PIMに登録する商品データは、事前に整理しておきましょう。商品情報の入力ルールがない場合、担当者や部署によってデータの記載方法が異なっているかもしれません。たとえば、「半角・全角の使い方」「スペースの有無」「日付の表記方法」といったルールがばらばらだと、検索した際に必要な情報を見つけづらくなります。さらに、同じ商品の重複や表記揺れ、誤字脱字も修正する必要があるため、データクレンジングを行って商品情報を統一しましょう。また、PIMに商品データを登録する際の表記ルールの策定も必要です。

自社の業務内容に合う製品の選定

PIMを導入する際は、自社の業務内容に合う製品を選びましょう。PIMは商品情報の登録や参照、編集、販売チャネルへのコンテンツ配信、カタログ作成といった業務と関わります。各部門の業務プロセスにマッチする機能があるかを確認しましょう。加えて、PLMやERPシステム、ECサイトなどの既存システムとの連携も必要です。具体的な機能や連携できるシステムから、自社の業務プロセスに最適な製品を絞り込んでいきましょう。

運用体制の構築やトレーニングの実施

PIMは、ただ導入しただけでは意味がありません。PIM製品の利用方針や担当者を明確に決めて、活用を定着させるための運用体制を構築しましょう。さらに、従業員がスムーズにPIMを使いこなせるように導入時のトレーニングも求められます。操作マニュアルやPIMを使った業務フローを策定して、対象者にトレーニングを実施しましょう。また、業務でどのようにPIMを使うのかがわかる業務用マニュアルも作成すれば、実際の運用時に従業員が確認しながらPIMを利用できます。

DAM統合やAI活用でさらに進化するPIM

近年、PIMはDAMとの統合やAIの活用によって機能性が高まっています。具体的にどのような進化を遂げているのか、詳しく見ていきましょう。

DAM統合型のPIM

PIM製品の中には、「Centric PXM」のようにデジタルアセット管理を行うDAMと統合されたソリューションが存在します。DAMの役割は、画像や動画、音声といったデジタルコンテンツの管理です。PIMと統合された製品を導入することで、商品情報とデジタルアセットの一元管理が可能になります。1つひとつの商品と関連するデジタルコンテンツを紐づけられるため、より一層の業務効率化に貢献します。

AI活用のPIMでAX(AIトランスフォーメーション)を推進

近年はAIを活用するPIMも増えつつあります。前述の「Centric PXM」の場合、商品データの登録やタグ付けや属性付与、カテゴリ分け、メタデータへの変換がAIによって自動的に処理されます。AIを活用したPIMを導入すれば、AX(AIトランスフォーメーション)の推進にもつなげられるでしょう。AIによって業務プロセスを抜本的に変革させることで、生産性の大幅な向上が期待できます。

AIとDAMを活用する統合型PIM「Centric PXM(旧:ContentServ)」

最新のPIM製品「Centric PXM(旧:ContentServ)」を導入することで、PIMとDAMの統合やAIの活用が可能です。

商品情報とデジタルコンテンツを統合管理

Centric PXMは、PIMとDAMの両機能を持つクラウドソリューションです。商品情報とデジタルコンテンツの統合が可能で、社内に散在するデータをまとめて管理します。1,000以上のチャネルへのコンテンツ配信に対応しており、膨大な販売経路上の商品情報を簡単に統一できます。ERP、PLM、ECサイトなどの既存システムと柔軟に連携できるため、スムーズな商品データの取り込みや出力が可能です。

AIによる商品価値の向上

Centric PXMにはAIが搭載されており、データの取り込みから属性管理、商品情報にデータを加えて質を高める「エンリッチメント」までAIが対応します。さらに、販売チャネルの言語に合わせた自動翻訳や、法規制およびブランド基準にもとづくコンプライアンスチェックも自動で行います。ECサイトと店舗の商品状況の分析も可能です。商品のパフォーマンスを分析して、在庫や顧客満足度の改善をサポートします。

▼Centric PXM(旧:ContentServ)の導入支援はこちら
https://crm.dentsusoken.com/pim/

複雑な商品データはPIMで一元管理を

PIMとは、商品情報を一元管理するためのシステムです。商品数や販売チャネルが多い企業に向いており、PIMを導入することで一貫した商品データの管理を実現できます。

PIMを導入する際はあらかじめ商品データを整理して、運用体制も構築しておきましょう。PIM導入後のスムーズな利用定着につなげられます。

 

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※本記事の内容に関しましては2026年02月17日の情報を基に作成しています。
詳しい内容につきましては各製品・サービス・ソリューションサイトにお問合せください。

 

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