カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?顧客との関係性がますます重要になっている現代のビジネスにおいて、カスタマーサクセスは特に注目されています。本記事では、カスタマーサクセスとは何なのか?また、なぜ重要なのかについて解説していきます。
目次
「カスタマー○○」という言葉がたくさん存在しており、「カスタマーサクセス」もそのひとつです。まずは、「カスタマー○○」という単語についてそれぞれ何が違うのか、「カスタマーサクセス」を含めた代表的な3単語をご紹介します。
1.カスタマーサポート カスタマーサポートは、顧客が困ったときに解決をサポートする役割を担います。例えば、製品の使い方がわからない、トラブルが発生した、といった場合に対応するのがカスタマーサポートの仕事です。多くの場合、顧客が問題を報告するまでサポートが始まることはありません。
カスタマーサポートの特徴⇒問題解決が目的 (例)コールセンターへの問合わせ対応、納品したシステムについての技術サポート
2.カスタマーサービス カスタマーサービスは、顧客が満足する体験を提供することに重点を置いています。顧客が買い物やサービス利用をする際に、気持ちよく過ごせるようサポートする活動が含まれます。
カスタマーサービスの特徴⇒顧客体験の向上が目的 (例)店舗での接客、サービスに対するフィードバック対応
3.カスタマーサクセス カスタマーサクセスは、顧客が自社の製品やサービスを使って成功を収めるよう積極的に支援する考え方です。重要なのは、顧客が成功することで、自社にとっても長期的な利益が得られるという点です。カスタマーサポートやサービスが「受け身」であるのに対し、カスタマーサクセスは「先手を打つ」能動的な取り組みと言えます。
カスタマーサクセスの特徴⇒顧客の成功を目的とし、能動的な支援行動を行う (例)ソフトウェアの活用方法の提案、利用データを分析しシステムの改善策を共有、システムの改修・改善方法を一緒に検討する。
カスタマーサクセスとカスタマーサービスとの違いはこのような内容になります。
「顧客の成功」を目指す活動がカスタマーサクセスです。では、現代のビジネスにおいて、なぜこのようなアプローチが重要になったのでしょうか?その背景4点についてわかりやすく解説します。
1.サブスクリプションモデルの普及 カスタマーサクセスが注目されるようになった大きな理由の一つは、サブスクリプションモデルの普及です。従来のビジネスでは、製品やサービスを一度販売すれば取引が完結するケースが多かったため、新規顧客の獲得が主な収益源でした。しかし、サブスクリプションモデルでは、顧客が継続的に製品やサービスを利用し続けることが収益の鍵となります。顧客が製品やサービスを使い続けるためには、「価値を感じられる」ことが不可欠です。顧客が価値を感じ、成功を収めるよう支援することが、企業にとって重要な戦略となりました。
2.顧客の選択肢が増加 インターネットの普及により、顧客が選べる製品やサービスの数は爆発的に増えました。顧客は自分に最も価値があると感じる選択肢を簡単に見つけられるようになりました。競争が激化する中で、単に製品やサービスを提供するだけでは、顧客の満足度を高めることが難しくなっています。「顧客の成功体験」を提供することが、他社との差別化を図るための重要な施策となっています。
3.顧客との関係性の変化 従来のビジネスでは、顧客と企業の関係は一方向的でした。しかし、現在ではSNSやレビューサイトなどの普及により、顧客の声が企業の評判や売上に直接影響を与えるようになっています。そこで「顧客との長期的な信頼関係を築く」ことがビジネスの成功に欠かせない要素となりました。顧客が成功すれば、それが口コミやポジティブなフィードバックとなり、新たな顧客を呼び込む好循環が生まれるのです。
4.データ活用の進化 顧客データの収集・活用技術が進化したことも、カスタマーサクセスが重要視される理由の一つです。顧客が製品やサービスをどのように利用しているかを詳細にデータで把握することができ、そのデータを基にして、顧客が抱える課題を先回りして解決できるようになりました。
カスタマーサクセスが重要な理由は、とてもシンプルです。顧客が成功すれば、企業も成功できるからです。カスタマーサクセスの目的は、単に顧客の課題を解決することだけではありません。顧客が製品やサービスを通じて最大限の価値を引き出すことで、顧客満足度が向上し、企業は解約率を低下させ、収益安定につながります。では顧客満足度が向上することで、どのようなメリットがあるのでしょうか?3つのメリットを紹介します。
1.顧客満足度が向上することで、リピーターになる。 顧客が製品やサービスを使って成功を感じると、継続して利用してくれる可能性が高くなります。企業は安定した収益を得られます。
2.顧客満足度が向上することで、他の顧客にも紹介してくれる。 顧客が成功体験を得ると、その経験を周りの人に伝え、自然と新しい顧客を引き寄せます。より多くの成功体験を提供することで、製品やサービスのブランド力も向上し、新規顧客、既存顧客の更なる価値創出にもつながります。
3.顧客満足度を向上させることで、競合に乗り換えにくくなる。 顧客が自社のサービスで成果を出していると、わざわざ他社に乗り換える必要がなくなり、解約率を下げることができます。
カスタマーサクセスは、顧客と企業が「Win-Win」の関係を築くための鍵です。また、企業が顧客のビジネスを成功させることで、単なる取引相手ではなく、長期的なパートナーシップを築ける信頼関係が生まれ、結果として企業の成長にもつながります。
「カスタマーサクセスとは?カスタマーサービスとの違いも解説」と題して、説明してまいりました。カスタマーサクセスとは、顧客が製品やサービスを最大限活用し、成功するための支援を提供する取り組みです。カスタマーサポートやカスタマーサービスとは異なり、顧客の成功が企業の成長につながるという視点で、積極的な関係構築を目指します。システム導入支援、継続的なフォローアップ、データ活用による課題解決提案で、顧客満足度の向上だけでなく、利用継続率の向上やアップセルの促進にもつながります。
弊社が提供するカスタマーサクセスで、顧客との信頼関係を築き、共に成長するパートナーとしての役割を果たし、継続的なビジネス成長を目指していきましょう。
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