生成AIの技術は急速に発展しており、さまざまな企業で業務への活用が浸透してきました。Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)も生成AI製品の1つであり、GPT-4をベースにしたAIアシスタントで、人のCopilot(副操縦士)として生産性向上を支援します。しかし、一口にMicrosoft Copilotと言っても多くのアプリケーションが存在し、自社に最適なアプリケーションを選定することが非常に難しいという声も多く上がっているのが現状です。本記事では、生成AIの種類とMicrosoft Copilotの位置づけに加え、Microsoft Copilotアプリケーションごとの違いと活用方法について解説します。
目次
以前、下記の記事で、そもそも生成AIとは何か、Microsoft Copilotとはどういった製品なのかを紹介しました。詳しくは下記記事をご覧ください。
・生成AIとMicrosoft Copilotの基本機能と活用事例(Vol.91)
今回はもう少し踏み込んで、数あるMicrosoft Copilotアプリケーションを具体的にどう使い分けていくのかについて解説します。
まず、生成AIには大きく分けて汎用的な製品と個別の業務シーンに特化した製品があります。例えば、Azure Open AIのような汎用的な生成AI基盤は、さまざまな業務シーンに対応できる柔軟性を持っています。そして、柔軟さを活かした活用をしていくためには事前の開発や準備に多くの工数をかけていくことになります。
一方、Microsoft Copilotは個別の業務シーンに特化したアプリケーションが多く用意されており、比較的短い開発や準備期間で各業務プロセスに最適化された支援を提供することができます。
Microsoft Copilotは、Microsoft 365やDynamics 365など、さまざまなアプリケーションにバンドルされています。それぞれのCopilotが持っている目的や機能の違いを理解することが最適なアプリケーションを導入する上で非常に重要です。例えば、Microsoft Copilotは次のようなことができて、以下のようなアプリケーションがあります。
以下は、営業担当者が1日の中でMicrosoft Copilotをどのように活用できるかの具体例です。
•メールチェックとスケジュール確認 未読メールのチェックと返信、および当日のスケジュールを確認します。Microsoft 365 Copilotが表示しているメールスレッドを要約し、返信の下書きを作成してくれるため、営業担当者は長いメールスレッドであっても、Copilotが作成した要約と下書きをもとに素早く返信できます。また、Copilotはカレンダーから今日の予定を要約して表示してくれるので、営業担当者はカレンダーをすべて確認しなくても当日の予定を把握できます。
• 日報作成 前日の営業活動を日報にまとめて上司へ提出します。Microsoft 365 Copilotが昨日のメールスレッド等から営業活動をまとめた日報の下書きをWord文書として作成します。営業担当者は下書きをもとに細かい言葉遣いの修正、顧客との会話内容や雰囲気などシステム外で得た情報を補足するだけで日報を完成させることができます。
• 顧客打ち合わせ準備 午後からの顧客打ち合わせに向けて、過去の経緯や顧客のニーズを確認して打ち合わせに向けた準備をします。Copilot in Dynamics 365がCRMシステムに入力されている顧客の過去の取引履歴や電話、会議等のやり取り、現在のニーズなどの情報を取得して要約します。営業担当者は要約から素早く過去の経緯と顧客のニーズを確認して、訪問前に提案に向けた準備をします。
• オンライン会議 Teamsでのオンライン会議に参加します。Microsoft 365 Copilot、Copilot for Salesがリアルタイムで会話した内容を記録して、会議の議事録を自動生成するため、営業担当者は会議後に議事録を作成する必要はありません。
また、議事録には会議内容の要約や次回アクションも記録されるため、営業担当者は会議後の顧客に対するフォローアップや、会議に参加できなかった人に対する会議内容の共有をスムーズに行うことができます。
• 担当案件の確認と翌日の準備 最後に担当している案件を棚卸して、翌日以降に行うべきタスクと優先度を決定します。Copilot in Dynamics 365がCRMシステムから受注予定日が迫っている案件やフォローアップの連絡が取れていない案件などを抽出して表示します。営業担当者は表示された案件一覧をもとに明日以降に優先して対応するべき案件を素早く確認できます。
このように、Microsoft Copilotを活用することで日常業務を効率化し、生産性を向上させることができます。Microsoft Copilotはアプリケーションにバンドルする形で提供され、アプリケーション固有の機能に特化した能力を発揮するようチューニングされているため、様々なシーンで業務をサポートしてくれます。
Microsoft Copilotは、さまざまな業務プロセスを支援するために設計された強力なAIアシスタントです。汎用的な生成AI基盤とは異なり、個別の業務シーンに特化したアプリケーションが多く用意されているため、より少ない準備期間で効率的に生産性を上げることができる反面、1つのアプリケーションに多くを求めてしまうと返って効率が落ちてしまいます。各アプリケーションの特徴をよく理解して、業務シーンごとに適切なアプリケーションを利用することで、大きな効果が期待できます。
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