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金融業界における次世代APIモデルとは?(Vol.72)

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金融業界では長年、信頼性が高く確実なMQ(メッセージキューイング)システムが使用されてきました。
このシステムは、金融機関間で情報をやり取りするためのものです。MQは情報伝達の正確性を保証し、銀行取引の安全性を高めます。
しかし、このシステムは変化に対応しにくく、変化の早いビジネス環境においては対応に遅れが発生してしまいます。仕様として、新しいITのシステムやサービスとの統合が難しいためです。
本記事では、この課題に対応するためにMQシステムからAPI化するメリットを説明します。

次世代プラットフォームメソッド、APIプラットフォームとは?

API(アプリケーションプログラミングインターフェース)」は、MQの限界を超える新しいシステム連携の仕組みです。APIは、各コンピューターシステム間の「会話」、データのやりとりをより簡単かつ効率的にします。

顧客ニーズと業務の多様化、銀行法の改正などに伴い、時代に合わせて多くの新たなシステムが次々と導入されていきました。しかし、各システムはそれぞれ独自のプログラム言語やテキストデータで外部と情報をやり取りしていました。
そのため、複数のシステムをリアルタイムで連携させるには、最終的に、人が重複した情報を何度も登録する等、手間がかかる作業が必要でした。

このやり取りをAPI化(共通言語化)する事で、APIは、どのプログラミング言語で作成されたシステムでも、金融機関は新しい技術やサービスを既存のシステムに迅速に組み込み連携させることができるようになります。
これは、顧客に新しい体験を提供する機会を生み出します。APIは、柔軟性と拡張性に優れ、変化する市場のニーズに迅速に対応することを可能にします。

APIとMQのメリット・デメリット API MQ
メリット – 共通言語による異システム連携が容易
– リアルタイム処理が可能
– 拡張性・柔軟性に優れる
– システム間でメッセージを確実に送受信
– 送信元と送信先の同期化不要
デメリット – セキュリティ対策が重要になる
– 導入コストが高い場合がある
– メッセージ転送に遅延が生じる場合がある
– システム変更時の影響範囲が大きい

データの活用 – APIによる革新

金融業界において、API利用は、データの統合と活用を根本から変えています。APIを活用することで、金融機関は顧客データ、市場データ、運用データなど、様々な情報源に接続してデータを簡単に統合し、新しい価値を生み出すことができます。

顧客データの深い理解

APIを通じて、金融機関は顧客の取引履歴、購入パターン、好み、さらにはソーシャルメディア上の活動まで、多様なデータを集約できます。
これにより、顧客一人ひとりのニーズや行動を深く理解し、パーソナライズされたサービスを提供できます。
たとえば、顧客の資産状況や投資傾向を分析し、その人に最適な投資商品を提案することが可能になります。

リアルタイム分析と応答

APIを利用することで、金融機関はデータをリアルタイムで分析し、即座に行動に移すことができます。
顧客がオンラインで商品を閲覧している際に、その人の過去の行動や嗜好に基づいてカスタマイズされた提案を表示することができます。
また、市場の変動に応じて、顧客にリスク管理のアドバイスをリアルタイムで提供することも可能です。

新しいビジネスモデルの探求

APIの活用により、金融機関は従来にはない新しいビジネスモデルを開発することができます。例えば、他の事業者やFintechのスタートアップと提携し、共同で新しい金融サービスや製品を開発することが可能になります。
このようにオープンな連携は、新しい顧客層の獲得や、既存の顧客に対する追加価値の提供につながります。

セキュリティとプライバシーの保護

データの統合と活用は、セキュリティとプライバシーの保護という観点からも重要です。APIを通じてデータを取り扱う際、金融機関はこれらのデータを安全に管理し、規制遵守を保証するための措置を講じる必要があります。これにより、顧客の信頼を維持し、ビジネスの持続可能性を確保します。

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APIの具体例 – 金融業界における革新

APIは金融業界において多様な革新をもたらしています。以下は、その具体的な事例を8つ紹介します。

1. リアルタイム決済サービス

一部の銀行はAPIを利用して、リアルタイムでの決済サービスを提供しています。このシステムでは、顧客はアプリから自分の口座にアクセスして即座に資金を送金し、受取人はその資金をリアルタイムで受け取ることが可能になります。これにより、従来の数日かかるプロセスが数秒で完了するようになり、利用者の利便性は高まりました。

2. ロボアドバイザー

APIを活用したロボアドバイザーは、個々の顧客に合わせた投資ポートフォリオを自動で作成します。これらのシステムは、顧客のライフステージ、リスク許容度、投資目標、資産状況などのデータを分析し、最適な投資戦略を提案します。

3. 顧客サービスの自動化

一部の金融機関では、APIを使用して顧客サービスプロセスを自動化しています。たとえば、チャットボットを利用して顧客の問い合わせに自動で回答するシステムがあります。これにより、顧客はいつでも迅速に必要なサポートを受けることができます。

4. クレジットスコアリング

APIを活用したクレジットスコアリングでは、顧客のクレジット履歴、取引記録、ソーシャルメディアのデータなどを統合し、より正確なクレジットスコアを算出します。これにより、貸し出しのリスクをより正確に評価することが可能になります。

5. データ共有とコラボレーション

金融機関はAPIを通じて他の企業とのデータ共有やコラボレーションを行っています。例えば、保険会社と銀行が連携し、顧客の銀行データを基にカスタマイズされた保険商品を提案するシステムなどがあります。

6. インタラクティブな顧客インターフェース

一部の銀行は、APIを使用してインタラクティブなオンラインバンキングインターフェースを提供しています。これにより、顧客は自分の財務状況をより詳細に理解し、財務計画を立てることが容易になります。

7. インスタントローンの申請

APIを利用することで、銀行は顧客に対して即時ローンの承認を提供できます。顧客はオンラインで申請し、短時間で承認結果を受け取ることが可能です。

8. 自動貯蓄アプリケーション

金融機関のシステムのAPI化が進めば、顧客の取引履歴を自動で分析し、定期的に小額を自動で貯蓄口座に移動させるアプリケーションも連携が容易です。顧客満足度を向上させ、新たなビジネスチャンスを生み出す事にもつながります。

これらの事例は、APIが金融業界に革新的な変化をもたらし、顧客体験を大きく変革していることを示しています。金融機関がAPIを活用することにより、サービスの効率化、顧客満足度の向上、新しいビジネス機会の創出が期待できます。

まとめ:変化を受け入れる重要性

金融業界はDX(デジタルトランスフォーメーション)の波に直面しています。この変化に適応するため、APIの導入が多くっています。これにより、金融機関は革新的なサービスの提供、新しいビジネスモデルの探求、データ活用の強化、持続可能なビジネスモデルの構築が可能になります。今、流行りの生成AIを活用したビジネスや、今後続々と登場してくる高度な人工知能を活用した新しいテクノロジーを自社に生かしていく、大きな助けとなるでしょう。

弊社では、ソリューションとして、APIプラットフォームのMuleSoftによる業務改革の支援を導入から運用まで幅広く行っております。システムの連携、データ統合について、お困りの事がありましたら、是非ご相談ください。

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